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08海外(中南米以外)
一勝百敗の皇帝 項羽と劉邦の真実−板野博行
■一勝百敗の皇帝 項羽と劉邦の真実<板野博行>KKベストセラーズ 20160810 司馬遷の「史記」で有名な項羽と劉邦の物語をたどる本。単に物語として読んでも、かつて学んだ歴史の復習になっておもしろい。 秦の始皇帝は暴君のイメージだが、各地でバラ... -
20映画・美術館など
ビルマの竪琴 市川崑監督
■ビルマの竪琴 市川崑 20160809 三國連太郎の演技を見たくてアマゾンの動画で見た。モノクロ映画だ。 ビルマの竪琴は、小説は読んだことがあった。 三國が演じる隊長は音楽の専門家で、彼の率いる小隊はことあるたびに歌をうたった。主人公の水島... -
09中南米
ホセ・ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領
■ホセ・ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領<アンドレス・ダンサ エルネスト・トゥルボヴィッツ 大橋美帆訳> 角川文庫 20160722 若いころは左翼ゲリラ・トゥパマロスに参加し、軍事政権によって幾度も投獄された。軍政が終わって「拡大戦線」の政治... -
04民俗・食
ヒガンバナが日本に来た道-有薗正一郎
■ヒガンバナが日本に来た道<有薗正一郎>海青社 20160718 ヒガンバナは四国に多かった。人間が植えているわけではないのに、田の畔や集落の周辺に生えていた。アンズのある集落は朝鮮半島からの渡来人のつくった集落だと聞いたこともあるが、ヒガンバ... -
文化人類学・構造主義
対称性人類学-中沢新一
■対称性人類学<中沢新一>講談社選書メチエ 20160717 人類の思考の様式は、1万年前にはじまった新石器革命の時期にすべて獲得されていた。それが「野生の思考」だった。 第一次の「形而上学革命」である一神教は、こうした「野生の思考」を抑圧すること... -
11歴史〜現代史
天皇とマッカーサーのどちらが偉い?<室謙二>
■天皇とマッカーサーのどちらが偉い? 日本が自由であったころの回想 <室謙二> 岩波書店 20160715 終戦の翌年に生まれた筆者は、戦争に懐疑的だった両親をもち、学生時代はベ平連にかかわり、その後、アメリカに渡って国籍を取った。アメリカの自... -
04民俗・食
東北学 vol.8 飢えの記憶
■東北学 vol.8 飢えの記憶 □いくつもの日本 特別対談 「ひとつの日本」というスタンスではなく、「いくつもの日本」によって、地域の多様さをとらえる。それによって「ひとつの日本」が陥りがちなナショナリズム的な思考を回避できる。だが「いくつ... -
紀南
夢の船旅 父中上健次と熊野<中上紀>
■夢の船旅 父中上健次と熊野<中上紀>河出書房新社 20160713 中上健次の人物像を知りたくて購入した。作家の中上紀が、父の中上健次の思い出と、その背景に広がる「熊野」の印象をつづっている。 父は床にうつぶせになって、タバコを吹かし、コーヒ... -
12小説・エッセー
日記をつづるということ 国民教育装置とその逸脱-西川祐子
■日記をつづるということ 国民教育装置とその逸脱<西川祐子>吉川弘文館 20160711 日記を史料として用いるためには、日記の通読「つづけ読み」と同時に、事実確認のために他の日記の併読「ならべ読み」をする必要がある。「つづけ読み」と「ならべ読... -
03ジャーナリズム
久野収集Ⅱ 市民主義者として
■久野収集Ⅱ 市民主義者として<佐高信編>岩波書店 20160709 1960年代から70年代の論文が多く、さすがにわかりにくい部分もあった。でも、国際連合とカント、さらにエラスムスといった思想家とのつながりなど、古い思想が現代の組織や運動にどうつなが... -
09中南米
丸腰国家〜軍隊を放棄したコスタリカ60年の平和戦略<足立力也>
■丸腰国家〜軍隊を放棄したコスタリカ60年の平和戦略<足立力也>扶桑社新書 20160707 コスタリカは「軍隊のない国」「平和憲法の国」だ。 一方で1980年代の中米内戦時代には、それほど理想的な国には見えなかった。米軍顧問がコスタリカ領内でニカラ... -
20映画・美術館など
ルードウィヒ・B<手塚治虫>
■ルードウィヒ・B<手塚治虫>潮出版社 20160707 手塚が最後に描いた未完の作品。 庶民の宮廷楽士の息子として生まれたベートーベンの青春時代を描く。 もう一人の主人公は貴族のフランツ・クロイツシュタイン。「ルードウィヒ」の名に復讐心を抱き... -
11歴史〜現代史
葬式と檀家<圭室(たまむろ)文雄>
■葬式と檀家<圭室(たまむろ)文雄>吉川弘文館1999年 2016/06/28 カトリック教会の神父さんから借りて、飛ばし読みした。 キリシタンを弾圧するために檀家制度がつくられ、人びとは寺の住職に自分の身分を保証してもらわなければならなくなった。檀... -
文化人類学・構造主義
むらの社会を研究する<日本村落研究学会 鳥越皓之編>
■むらの社会を研究する<日本村落研究学会 鳥越皓之編>農文協 日本におけるむらの研究の流れや、研究の方法、現代の課題などを網羅していてわかりやすい。本格的にむら研究をはじめる人には必読の書だろう。私のような素人が読んでもおもしろかった。 ... -
05環境・農業
家族農業が世界の未来を拓く<国連世界食糧保障委員会専門家ハイレベル・パネル>
■家族農業が世界の未来を拓く<国連世界食糧保障委員会専門家ハイレベル・パネル> 農文協 20160618 かつて農業の規模拡大がすべてかのように論じられた。世界では緑の革命による増産がすすみ、国内では「海外の大規模経営に負けるな」と大規模化がめ... -
03ジャーナリズム
怪優伝 三國連太郎<佐野眞一>
■怪優伝 三國連太郎・死ぬまで演じつづけること<佐野眞一>講談社 三國が出演した映画を筆者がいっしょに視ながら、長時間インタビューをしてつくられたぜいたくな本だ。 被差別部落出身で祖父は棺桶をつくる職人だった。戦時中は兵役を拒否するた... -
文化人類学・構造主義
熊楠の星の時間<中沢新一>
■熊楠の星の時間<中沢新一>講談社 20160602 思考が真の天才の火花を散らし、人生が星の輝きに包れる「星の時間」は、熊楠ほどの天才でも、那智の山ですごした数カ月だけだった。この時期に、現代科学や哲学をも凌駕する思想が手紙の形で表現されたと... -
10経済
国際経済学入門<高橋信裕>
■国際経済学入門<高橋信裕>ナカニシヤ出版 20160527 分厚い本で敬遠していたが、読んでみると思った以上にわかりやすい。 経済学の理論って、専門家が正反対のことを言うことも珍しくないから、科学というよりイデオロギーに近い印象がある。さまざ... -
04民俗・食
いのちの場所<内山節>
■いのちの場所<内山節>岩波書店 20160403 いのち、は、個人のものなのか。命が個人のなかにとどまり、自分の命だけが至上のものとしたら、その喪失は世界のすべてを失うことを意味する。だから、死がとてもなくおそろしいものとなる。 だが、そうし... -
文化人類学・構造主義
街場の文体論<内田樹>
■街場の文体論<内田樹>文春文庫 20160404 神戸女学院での最後の年のクリエイティブ・ライティングの講義のまとめ。 よい文章とは? あたりまえでないこと。斬新なこと。でも斬新だといわれたシュールレアリズムも最初の宣言はすばらしいが、あとは... -
12小説・エッセー
楡家の人びと第三部<北杜夫>
■楡家の人びと第三部<北杜夫>新潮文庫 20160518 戦争が進んでも、「不治の病だ」と称して病院の農場でのんびり過ごしていた米国(よねくに)にも赤紙が届く。職員のほとんどがいなくなり、医者も軍医として動員される。二代目院長の徹吉と龍子の長男... -
12小説・エッセー
楡家の人びと第二部<北杜夫>
■楡家の人びと第二部<北杜夫>新潮文庫20160516 第2部を読んでいて、この物語には主人公がいないことに気づいた。広大な病院を築きあげた楡基一郎は、火災で焼失した病院再建を果たそうと郊外の土地の購入を決めたところで死んでしまった。狂言回しと思... -
12小説・エッセー
楡家の人びと 第一部<北杜夫>
■楡家の人びと 第一部<北杜夫>新潮文庫 20160429 舞台は大正時代の東京郊外の私立の精神病院。院長の楡基一郎は、ふるさとの東北では平凡な名前だったが、東京に出て成功して巨大な病院の主となって名前を変え、政友会の代議士にもなった。西洋の宮... -
03ジャーナリズム
メディアの地域貢献-「公共性」実現に向けて<早稲田大学メディア文化研究所編>
■メディアの地域貢献-「公共性」実現に向けて<早稲田大学メディア文化研究所編>一芸社 20160419 一覧性に富む新聞は、記事を読んでいるうちに、全く予期せぬ出会いが生まれるというところが魅力だ。アマゾンと比較したときの書店の魅力もそこにある。... -
04民俗・食
結社の世界史1 結集・結社の日本史<福田アジオ編、綾部恒雄監修>
■結社の世界史1 結集・結社の日本史<福田アジオ編、綾部恒雄監修>山川出版社 20160506 コミュニティや中間団体はどんな経緯で変化してきて、幸福な未来社会をつくるためにどう生かすことができるのだろう。そんな疑問をもって買ってから2,3年。し... -
01思想・人権・人間論
旅と移動 鶴見俊輔コレクション
■旅と移動 鶴見俊輔コレクション<鶴見俊輔>河出文庫 時代の主流ではない部分、周縁部分にこそ、次の時代を担う大切なものがある。そんな存在を丹念にひろい、その意義を解明している。 中浜万次郎は、14歳でアメリカの捕鯨船に助けられ、船長に育て... -
02憲法・有事・ナショナリズム
街場の憂国会議<内田樹>
■街場の憂国会議<内田樹> 晶文社20160423 武道家にとって「驚かされること」は禁忌。「驚かされない」ためのもっとも有効な方法は「こまめに驚く」こと。「風の音にもおどろく」。ああその通りだと思った。日ごろのニュースにこまめに驚いておくこ... -
11歴史〜現代史
そして、メディアは日本を戦争に導いた<半藤一利、保阪正康>
■そして、メディアは日本を戦争に導いた<半藤一利、保阪正康>文春文庫 20160417 明治期のジャーナリズムを支えたのは旧幕臣で、民権主義者だった。政府の宣伝機関ではなかった。 日清・日露戦争で国家政策に共鳴する人が増えたことで、メディアは国... -
09中南米
文明は農業で動く 歴史を変える古代農法の謎<吉田太郎>
■文明は農業で動く 歴史を変える古代農法の謎<吉田太郎>築地書館 近代農法は石油に依存している。石油を使わず、100年前の技術水準で養える人口を計算すると、現在の35%の人口にすぎないという。江戸時代の日本はほとんどが農民だったが、3000万人... -
01思想・人権・人間論
鶴見俊輔集2 先行者たち
■鶴見俊輔集2 先行者たち 筑摩書房1991年 20160306 プラグマティズムとは、実用主義とか現実主義とか、その場その場で対処する考え方という程度にしか思っていなかった。 デューイについての文章を読んで、場当たり的に思えたプラグマティズムの歴...