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11歴史〜現代史
鉄幹と文壇照魔鏡事件 山川登美子及び「明星」異史 <木村勲>
■鉄幹と文壇照魔鏡事件 山川登美子及び「明星」異史 <木村勲>国書刊行会 20170226 山川登美子と与謝野晶子といえば「明星」の歌人で、与謝野鉄幹を巡ってさや当てをして、奔放な恋愛をうたったというぐらいしか知らなかった。ましてや照魔鏡事件と登... -
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だれのための仕事 労働vs.余暇を超えて <鷲田清一>
■だれのための仕事 労働vs.余暇を超えて <鷲田清一> 講談社学術文庫 20170210 生きがいって何だろう。労働と余暇とわけられたとき、労働は苦役で、余暇は遊びとされる。その分割が、仕事から遊びの要素を奪い、遊びからやりがいの要素を奪った部... -
紀南
世界遺産 熊野古道と紀伊山地の霊場<五十嵐敬喜、岩槻邦男、西村幸夫、松浦晃一郎>
■世界遺産 熊野古道と紀伊山地の霊場<五十嵐敬喜、岩槻邦男、西村幸夫、松浦晃一郎>ブックエンド 20170116 世界遺産の制度のなかで、「道」が選ばれるのは、サンティアゴ・デ・コンポステーラの霊場が最初だった。 もとは文化遺産は姫路城など「点」で... -
12小説・エッセー
2時間でおさらいできる日本文学史<板野博行>
■2時間でおさらいできる日本文学史<板野博行>だいわ文庫 20161231 加藤周一の「日本文学史序説」を要約して、かみ砕いて、中高校生にもわかるようにした、という印象を受けた。長い文学史を一覧できるから大きな流れが理解しやすい。それぞれの作品の魅... -
紀南
森の思想<南方熊楠、責任編集中沢新一>
■森の思想<南方熊楠、責任編集中沢新一>河出文庫 20170124 「南方二書」が圧巻だった。 中沢新一の解説よりも話の幅が広く、わかりやすい。たしかに冗長でくどい部分はあるが、だれにでもわかる言葉で、深い内容を伝えてしまう。合祀を巡る村々の細かな... -
紀南
千年の愉楽<中上健次>
■千年の愉楽<中上健次>小学館文庫 20161229 和歌山県新宮市の臥龍山という山のふもとにある被差別部落「路地」に住む中本一統の男たちの物語。産婆として「路地」の子を手にとりあげ、路地の過去も現在も未来も知るというオリュウノオバを狂言回しにし... -
紀南
岬<中上健次>
■岬<中上健次>文春文庫 20161126 ▽黄金比の朝 夜勤の肉体労働をしながら大学をめざす浪人生が主人公。母は旅館の仲居をして、売春もしながら生計を立てている。腹違いの兄は、過激な学生運動にかかわり、主人公の家に逃げてくる。 母を恨み、大学をやめ... -
04民俗・食
柳田国男 知と社会構想の全貌<川田稔>
■柳田国男 知と社会構想の全貌<川田稔>ちくま新書 20161229 柳田国男は、前期は山人などを対象にしたが、後期は稲作民だけを「常民」として描くようになった…とか、国内の民俗ばかりを見ていて国際的な視野をもっていない、などと批判されてきた。保守... -
13ノウハウ・軽い本
シーカヤック教書<内田正洋>
■シーカヤック教書<内田正洋>海文堂 20161210 シーカヤックが日本に上陸したのは1987年。主なメーカーはワシントン州のシアトル周辺に集中していた。そのころからかかわってきた筆者は日本のシーカヤックの先駆者だ。 大きな視点でシーカヤックのもつ意... -
紀南
南方熊楠 森羅万象に挑んだ巨人<中瀬喜陽>
■南方熊楠 森羅万象に挑んだ巨人<中瀬喜陽> 別冊太陽 2016105 ▽8 荒俣宏 1990年代からの熊楠再評価の機運。熊楠の草稿類を解読しつづける松居竜五さんたちの活動、「ミニ熊楠」とも呼ばれた故・後藤伸さんたちによる神島生態系調査の継続などは、... -
紀南
修行と信仰<藤田庄市>
■修行と信仰<藤田庄市>岩波書店 20161019 みなべ町の赤松宗典住職の章だけを熟読し、あとは流した。 10分間でも苦痛な座禅を何日もつづけたり、大峰山や比叡山を天狗のような速さでのぼっていったり、わけのわからない問答を延々とづけたり……。何か意味... -
13ノウハウ・軽い本
作業中)風と波を知る101のコツ 海辺の気象学入門<森朗>
■風と波を知る101のコツ 海辺の気象学入門<森朗>枻出版 20161214 北半球の高気圧は時計回りに風が吹き出し、低気圧は半時計回りに風が吹き込む。コリオリの力があるからまっすぐに風は吹かない。向かってくる台風の左側に逃げると風が強く、右側に... -
04民俗・食
漂海民<羽原又吉>
■漂海民<羽原又吉>岩波新書 20161119 紀州の漁民は明治になって真珠貝をとりに豪州などに渡ったが、通説と異なって江戸時代以前から海を越えていた、と、1960年代に羽原が主張したと聞いてこの本を手に取った。真珠は広島方面の仲介者の手を経て、... -
紀南
作業中)海の熊野<谷川健一・三石学編>
■海の熊野<谷川健一・三石学編>森話社 20161119 □谷川健一 ▽9 土佐の捕鯨は、太地から習ったといわれます。壱岐の鯨漁は熊野の漁師を雇ってはじめたとされています。五島の有川も紀州湯浅の人が捕鯨を行ったのをかわぎりに、古座浦の人を招いて操業し... -
05環境・農業
菜園家族の思想 よみがえる小国主義日本<小貫雅男・伊藤恵子>
■菜園家族の思想 よみがえる小国主義日本<小貫雅男・伊藤恵子> かもがわ出版20161118 高度成長からわずか半世紀で、多くの人々が大地から切り離され、家庭から生産や創造が失われ、都市部の家族は消費だけの存在になってしまった。それはいわば、細胞... -
紀南
明恵上人<白洲正子>
■明恵上人<白洲正子>講談社文芸文庫 20161106芸術にくわしい筆者が、いさぎよく美しい明恵の生き方を女性の視点から描き出す。 明恵は幸せな幼年時代だったが、8歳で母を亡くし、同じ年に父も上総国で戦死した。頼朝が兵をあげた時の戦だった。 「我は... -
12小説・エッセー
美しい日本の私<川端康成>
■美しい日本の私<川端康成> 講談社 ノーベル文学賞受賞時の講演。明恵をどう位置づけているか知りたくて買った。 道元や良寛とともに明恵の歌を紹介する。 雲を出でて我にともなふ冬の月 風や身にしむ雪や冷めたき という歌について、「自然や人間にた... -
紀南
天神崎を守った人たち<河村宏男>
■天神崎を守った人たち<河村宏男>朝日新聞社 20161025 朝日新聞の記者が、天神崎にかかわった人々を丹念に取材し、日本のナショナルトラストの先駆的運動がどんな経緯をたどってきたのかを紹介している。それまでの自然保護運動とちがうのは、土地を買... -
紀南
熊野 海が紡ぐ近代史<稲生淳>
■熊野 海が紡ぐ近代史<稲生淳>森話社 20161024 ■熊野 海が紡ぐ近代史<稲生淳>森話社 20161024 熊野と海のつながりの歴史は別の本に詳しく書いてあったが、近代に関する記述はあまりなかった。エルトゥールル号事故や、アラフラ海のダイバーなどの... -
04民俗・食
石にやどるもの 甲斐の石神と石仏<中沢厚>
■平凡社 20161004 紀伊半島を歩いているとそこここで丸石にであう。神社に転がる丸石は力比べをした「力石」だったり、信仰の対象だったりする。みなべ町の無人島・鹿島には地震の暴威をおさえるという要石という丸石がまつられている。丸石信仰はどこか... -
04民俗・食
石の宗教<五来重>
■石の宗教<五来重>講談社学術文庫 20161003 熊野を歩くと、石をご神体にする社が多い。社でなくても丸石がお地蔵さんの横に鎮座していたりする。男根型の石柱をご神体とする例は全国あちこちで目にする。石に対する信仰はどうやって生まれ、どんな分布... -
09中南米
コロンビア内戦 ゲリラと麻薬と殺戮と<伊高浩昭>
■コロンビア内戦 ゲリラと麻薬と殺戮と<伊高浩昭> 論創社 コロンビアは、麻薬カルテルと左翼ゲリラと右翼民兵がごちゃまぜになった暴力が吹き荒れてきた。貧しいものの味方であるはずの左翼ゲリラも、冷戦崩壊後の危機を麻薬を資金源とすることで生き... -
12小説・エッセー
カヌー式生活<野田知佑>
■カヌー式生活<野田知佑>文藝春秋 20160923 久々にカヌーに乗るようになって、アユ釣りの人との確執やらの話を聞いて、野田さんはどんな思いでカヌーに乗りつづけてきたんだろう、と考えた。以前何冊か読んでいたが、10年以上ぶりに手に取った。 若いこ... -
09中南米
平和ってなんだろう 「軍隊をすてた国」コスタリカから考える <足立力也>
■平和ってなんだろう 「軍隊をすてた国」コスタリカから考える <足立力也> 岩波ジュニア新書 20160912 理想を掲げて革命を起こした国がその後、独裁国家のようになってしまう。逆にほどほどの改革しかしていないように見えた国が、穏便で平和な国家... -
紀南
流れ施餓鬼<宇江敏勝>
■流れ施餓鬼<宇江敏勝> 新宿書房 20160907 熊野川と日置川流域を舞台にした小説6編。高校卒業後、炭焼きや林業で暮らしてきた著者の体験や古老から聞いた話をもとにしている。 タイトルとなった「流れ施餓鬼」は、麦わらの舟に新仏をのせ、火をつけて... -
20映画・美術館など
帰ってきたヒトラー
■映画「帰ってきたヒトラー」20160903 1945年に自殺したはずのヒトラーが現代にタイムスリップする。自分を総統であると理解できない現代人のなかで、とんちんかんなふるまいをするヒトラーは笑いの対象だ。そのうち、モノマネの喜劇役者として登用される... -
01思想・人権・人間論
こう直さなければ裁判員裁判は空洞になる<五十嵐二葉>
■こう直さなければ裁判員裁判は空洞になる<五十嵐二葉>現代人文社 20160825 裁判員制度は、近代国家で唯一市民参加司法をもたない日本に対するアメリカの財界からの要求に応じてできたという。 アメリカの陪審員のようなものだと思っていたが、実際... -
04民俗・食
日本の食文化史 旧石器時代から現代まで<石毛直道>
■日本の食文化史 旧石器時代から現代まで<石毛直道> 岩波書店 20160822 2013年、「和食・日本人の伝統的な食文化」が、ユネスコ無形文化遺産に登録された。その和食の起源から現代への流れを外国人にわかるように紹介している。外国人にわかるという... -
09中南米
トウガラシの世界史<山本紀夫>
■トウガラシの世界史<山本紀夫>中公新書 20160815 コロンブスが米大陸からトウガラシをもってこなかったら、インドのカレーはあんなに辛くなく、キムチももっとタンパクで、麻婆豆腐もマイルドだった。トウガラシは世界中の味覚を変えてしまった。どん... -
01思想・人権・人間論
明恵 夢を生きる <河合隼雄>
■明恵 夢を生きる<河合隼雄>講談社α文庫 20160811 明恵は、華厳宗の中興の祖で、南方熊楠の世界観にも影響を与えた。19歳から亡くなる1年前まで夢を記録しつづけたことでも知られる。生も死もすべてのものが一体となっていると考える華厳経の世界と、...