09中南米– category –
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Buena Vista Social Club Broadway Review2025
NYでミュージカルを見た勢いで、ブエナビスタの経緯を知りたくて購入。おなじことを何度もくりかえしていて冗長ではあるのだけど、くりかえしのおかげで英語でも理解しやすかった。大ざっぱな歴史を知るにはよいパンフレット。パンフレットにしては20... -
ラ・ヨローナ〜彷徨う女<ハイロ・ブスタマンテ監督>
ラ・ヨローナ(泣く女)とは、夫に捨てられた女が、子どもを溺死させて自らも自殺し、ずぶ濡れの白い服をまとう亡霊となってあらわれる、という中南米では有名な伝説だ。ガルシア・マルケスの魔術的な世界にもつながるこの伝説をベースに、グアテマラの... -
21世紀の豊かさ 経済を変え、真の民主主義を創るために<中野佳裕・編訳>
■コモンズ 20230524国立民族学博物館の特別展「ラテンアメリカの民衆芸術」で、ラ米の民衆芸術は「多元世界への入口」と結論づけていた。「多元世界」の定義と背景を知りたくて、この本を入手した。 フランスやアルゼンチンの学者がつくった原本「21世紀... -
ハッパGoGo
ウルグアイの大麻合法化を題材にした映画。 本物のホセ・ムヒカ大統領が出演しているのにまずびっくり。世界でいちばん貧しい大統領と呼ばれている。映画では、麻薬密輸という重大任務の謝礼として自分の農園のカボチャを持っていかせるというおとぼけ... -
キューバ変貌<伊高浩昭>
■キューバ変貌<伊高浩昭>三省堂 20171224 ▽16 ゲバラのコンゴ作戦挫折がほぼ確定的だった時期に、キューバ共産党が発足し、その最初の中央委員会でカストロは「遺書」を公開した。ソ連の思惑にこたえて、ゲバラとの別離、ゲバラがキューバ国籍を捨てた... -
キューバへ行きたい<板垣真理子>
■キューバへ行きたい<板垣真理子>20171227 ▽26 ヘミングウエイは革命前のキューバ共産党にもっともカンパした外国人だった。バチスタの再三の食事の招待にも応じなかったという。 ▽31 サンティアゴ・デ・クーバは、1514年につくられ、1522年から1589年... -
エルネスト
オダギリジョーの演技がすばらしい。ゲバラが広島を訪れる場面からはじまり、一転、ボリビアの青年たちがキューバに医学を学びに留学する場面に飛ぶ。そのなかに日系人のフレディ前村もいた。「自由の国」キューバに来た初々しい留学生たちが、政治活動... -
Pobres por los pobres Las Comunidades Eclesiales de Base de la Parroquia San Pablo Apóstol 1966-2016 <Félix Jimenez>
(著者は、1968〜83年までサンパブロ教区の神父をつとめ、最後のスペイン人神父だった) ニカラグアの解放の神学の歴史を記した本。 1988年にニカラグアを訪れたとき、首都マナグア市内の「9月14日」という地区に下宿した。ここはマナグアの「解放の神... -
マヤ学を学ぶ人のために<八杉佳穂編>
■マヤ学を学ぶ人のために<八杉佳穂編>世界思想社 20170310 遺跡やマヤ文字、スペイン人による侵略、マヤの人々が自分たちの歴史をつづる取り組み、1996年に終わる内戦の影響まで、幅広い分野の研究者がマヤについて執筆している。マヤを研究したいと考... -
コロンビア内戦 ゲリラと麻薬と殺戮と<伊高浩昭>
■コロンビア内戦 ゲリラと麻薬と殺戮と<伊高浩昭> 論創社 コロンビアは、麻薬カルテルと左翼ゲリラと右翼民兵がごちゃまぜになった暴力が吹き荒れてきた。貧しいものの味方であるはずの左翼ゲリラも、冷戦崩壊後の危機を麻薬を資金源とすることで生き... -
平和ってなんだろう 「軍隊をすてた国」コスタリカから考える <足立力也>
■平和ってなんだろう 「軍隊をすてた国」コスタリカから考える <足立力也> 岩波ジュニア新書 20160912 理想を掲げて革命を起こした国がその後、独裁国家のようになってしまう。逆にほどほどの改革しかしていないように見えた国が、穏便で平和な国家... -
トウガラシの世界史<山本紀夫>
■トウガラシの世界史<山本紀夫>中公新書 20160815 コロンブスが米大陸からトウガラシをもってこなかったら、インドのカレーはあんなに辛くなく、キムチももっとタンパクで、麻婆豆腐もマイルドだった。トウガラシは世界中の味覚を変えてしまった。どん... -
ホセ・ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領
■ホセ・ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領<アンドレス・ダンサ エルネスト・トゥルボヴィッツ 大橋美帆訳> 角川文庫 20160722 若いころは左翼ゲリラ・トゥパマロスに参加し、軍事政権によって幾度も投獄された。軍政が終わって「拡大戦線」の政治... -
丸腰国家〜軍隊を放棄したコスタリカ60年の平和戦略<足立力也>
■丸腰国家〜軍隊を放棄したコスタリカ60年の平和戦略<足立力也>扶桑社新書 20160707 コスタリカは「軍隊のない国」「平和憲法の国」だ。 一方で1980年代の中米内戦時代には、それほど理想的な国には見えなかった。米軍顧問がコスタリカ領内でニカラ... -
文明は農業で動く 歴史を変える古代農法の謎<吉田太郎>
■文明は農業で動く 歴史を変える古代農法の謎<吉田太郎>築地書館 近代農法は石油に依存している。石油を使わず、100年前の技術水準で養える人口を計算すると、現在の35%の人口にすぎないという。江戸時代の日本はほとんどが農民だったが、3000万人... -
禁じられた歌 ビクトル・ハラはなぜ死んだか 八木啓代
■禁じられた歌 ビクトル・ハラはなぜ死んだか 八木啓代 晶文社 20120403 1973年、世界で唯一選挙で選ばれたチリの社会主義政権が軍クーデターでつぶされた。そのとき、ビクトル・ハラは軍に捕らえられ、虐殺された。 筆者は中学時代にビクトルの歌... -
THE NICARAGUAN EPIC
■THE NICARAGUAN EPIC 201202 Carlos y Luis Enrique Mejia Godoy and Julio Valle Castillo 初版は1989年。革命運動のなかで生まれた詩をスペイン語と英文で紹介する。へぇ、そんなエピソードから生まれた歌なのかぁと思いながら読んだ。 運動... -
精霊たちの家<イサベル・アジェンデ>
■精霊たちの家<イサベル・アジェンデ>国書刊行会 20111120 作者は、1973年のチリのクーデターで死んだアジェンデ大統領の姪。 19世紀からクーデターにいたる100年間の歴史を、ひとつの家族を通して描く。超常現象が次々に起きる物語の展開はガ... -
族長の秋 <ガルシア=マルケス>
■族長の秋 <ガルシア=マルケス> 集英社文庫 20110922 過去にとび、今にとび、また過去にとび……時間軸がめちゃくちゃ。 独裁をつづけた大統領が死んだと思われ、禿鷹が出入りする荒れ果てた大統領官邸に人々はおそるおそる踏み込む。それでも20... -
百年の孤独
■百年の孤独<G・ガルシア=マルケス、鼓直訳> 新潮社 20110829 マコンドという密林のムラが市に発展し、蜃気楼のように記憶からも消えてしまうまでの100年間を、ムラを拓いたブエンディア一族を通してたどる物語。 マコンドは、ホセ・アルカデ... -
生きて語り伝える<G・ガルシア=マルケス>
■生きて語り伝える新潮社<G.ガルシア=マルケス> 20110810 子ども時代から、実質上の亡命によって祖国での青春時代が終わるまでをつづっている。 作家をめざしながら、貧しい生活を送る20歳代前半の著者が、母とともに「家」を売るために故郷を訪... -
ラテンアメリカ十大小説<木村栄一>
■ラテンアメリカ十大小説<木村栄一>岩波新書20110704 現実と幻想を行き来する不思議な世界をつくる中南米文学の歩みをわかりやすく解説している。 19世紀末、ニカラグアのルベン・ダリオを中心にしてmodernismo(近代派)と呼ばれる運動が起き... -
「没落先進国」キューバを日本が手本にしたいわけ
■「没落先進国」キューバを日本が手本にしたいわけ <吉田太郎> 築地書館 20110629 キューバは1970年代にソ連への依存が高まり、がちがちの中央集権国家になってしまった。援助によって豊かさが保障されていたが、ソ連崩壊で一気に矛盾が噴... -
天国と地獄地球8万キロ自転車の旅 <森逸広>
■天国と地獄地球8万キロ自転車の旅 <森逸広> 20110304 中米で知りあった森さんが本を出していたとは知らなかった。3年間にわたる世界1週の旅の記録だ。 中国にわたり、チベットからネパールに抜ける旅路は、僕もほぼ同じ時期にバスとヒッチ... -
200万都市が有機野菜で自給できるわけ 都市農業大国キューバ・リポート <吉田太郎>
■200万都市が有機野菜で自給できるわけ 都市農業大国キューバ・リポート <吉田太郎> 築地書館 〓〓〓 日本では都市農地は年々減っているが、世界では都市農業の位置づけは正反対だ。 90年代、キューバはソ連崩壊によって未曾有の経済崩壊と... -
女性兵士 <加藤健二郎>
■女性兵士 <加藤健二郎> 講談社文庫 20110105 1日に3%の死傷者が戦意喪失ラインだとか、なるほど。軍事の「常識」が、戦争の現場では意外なところで役立つのだ。 日本の自衛隊基地にいる米軍組織を取材し、イボンヌという女性情報将校につ... -
500年後のコロンブス <エドウィー・プレネル、飛幡祐規訳>
■500年後のコロンブス <エドウィー・プレネル、飛幡祐規訳> 晶文社 2011/01/19 コロンブスの米大陸「発見」500年にあたる1992年に、ルモンド記者がコロンブスの4回にわたる航海の軌跡をたどったルポ。 イタリアに生まれ、ユダヤ人... -
風の歌 <アタウアルパ・ユパンキ ソンコ・マージュ訳>
■風の歌 <アタウアルパ・ユパンキ ソンコ・マージュ訳> 現代ギター社 20101230 ユパンキは、牧童(ガウチョ)の駆けるパンパ(草原)の村に生まれる。風のように自由にパンパを駆けるガウチョの気質をこよなく愛した。 印刷工を経て21歳で... -
エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグアを知るための45章 <田中高編著>
■エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグアを知るための45章 <田中高編著> 明石書店 20100912 3カ国の歴史や現状を知るのにぴったり。政治・経済から文化まで簡潔にまとめられている。 ================== ▽19 エルサルバドルは自然林がほ... -
メキシコ人はなぜハゲないし、死なないのか <明川哲也>
文春文庫 20081008 日本では、年間3万人が自殺している。3年間で10万人の市がひとつ消滅すると考えると、そのすさまじさがわかる。たぶん自殺未遂や、けがして生き残った人はこの何倍にものぼるのだろう。 世界を見比べると、ロシアや東欧など...
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