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20映画・美術館など
SICKO <マイケル=ムーア >
200709 医療費を払えなくて、自分で自分の傷をぬうというショッキングな場面から入る。中指と薬指を切り落としてしまったけど、縫合するには1本あたり120万円かかる。だから薬指をえらんで中指をあきらめた男がでてくる。 保険に入っていても安心で... -
01思想・人権・人間論
マックス・ウェーバーと近代 <姜尚中>
20070920 姜尚中だから買ったけど、やけに難しい。でもところどころなるほどと思うところもあった。 宗教が、呪術的な宗教から倫理的な宗教へと脱魔術化する。ユダヤ教はそうした役割をはたした。さらに、倫理的な宗教がプロテスタントにすすむと、脱組... -
01思想・人権・人間論
現代思想のパフォーマンス <難波江和英 内田樹>
松柏社 200708 現代思想の概説書ではなく、現代思想をツールとして使いこなす技法を実演する……という「まえがき」にみせられた。 とりあげている思想家もソシュール、バルト、フーコー、ラカン、サイードといった、理解したいけど難解な人ばかり。内田... -
12小説・エッセー
一億三千万人のための小説教室 <高橋源一郎>
岩波新書 20070820 ふっと思い浮かんで、おもろい! と思うのだけど、パソコンにむかうと文字にならない。ちょっと時間がたつとわすれてしまう。あれほどすばらしい着想だったのに、なぜいざ書こうとするとしおれてしまい、指のあいだから流れおちる砂... -
02憲法・有事・ナショナリズム
昭和の戦争 <保阪正康対論集>
朝日新聞社 20070908 筆者は保守の立場から戦争を研究し、対談相手も保守的な人が多い。だから、外側や後世の視点からの批判ではなく、当時の視点から、軍の内側からの視点で「なぜあんな愚かな戦争をしてしまったのか」を論じていて説得力がある。 陸... -
06福祉・災害・住宅
滝山コミューン1974 <原武史>
講談社 20070827 新宿駅を発着した客車の鈍行列車の独特の魅力、「この電車は冷房車です」というステッカー、休日にはデパート屋上の遊具が一番の楽しみで、遠足やサイクリングはなによりの冒険だった。全共闘が投石し、ストがあれば電車やバスがとまっ... -
01思想・人権・人間論
ためらいの倫理学 <内田樹>
角川文庫 20070819 知性とは、自分の知っていることをどれくらい疑っているか、自分が見たものをどれくらい信じていないか、自分の善意にまぎれこんでいる欲望をどれくらい意識化できるかを基準に判断する力だという。 言われてみればそりゃそうだ、と... -
01思想・人権・人間論
レヴィナスと愛の現象学 <内田樹>
せりか書房 20070606 レヴィナスの本はこれまでほとんど理解できなかった。「入門」という題の新書も理解できなかった。この本も難しい。でもさすが内田樹氏だけあって、ところどころわかるし、なんとなくこんなことを言ってるんだな、という輪郭は見え... -
05環境・農業
百姓が時代を創る <山下惣一、大野和興>
七つ森書館 20070729 農「業」はダメになるが、「農」は生き残る。農的生活は必要とされる魅力にあふれている。「業」として生き残るためには大規模化となるが、「農」には小規模のほうがよい--と説く。なるほど、と思う。「農業労働者」ではなく「百... -
01思想・人権・人間論
悪あがきのすすめ <辛淑玉>
岩波新書 20070823 型どおりでない「悪あがき」の実例を紹介する。 四国の教科書問題をやってるおじさんたちの取り組みを「悪あがき」と評価する視点は新鮮だった。 なんといっても彼女のけんかのしかたは痛快だ。たとえば右翼から「朝鮮人は朝鮮に帰れ... -
20映画・美術館など
ヒロシマ・ナガサキ White light, black rain <スティーブン・オカザキ>
1070823 日系米国人の撮った広島・長崎。 被害者の側だけでなく、エノラゲイの搭乗員らへのインタビューをしっかりとっているのがよい。 着実にあたえられた任務を遂行した彼らは今も、「後悔はしていない」「悪夢も見ない」という。でも同時に、爆弾投... -
02憲法・有事・ナショナリズム
丸山真男の時代 大学・知識人・ジャーナリズム <竹内洋>
中公新書 20070818 60年安保は戦後最大ともいえる運動だった。今では考えられないほど野党が強く、革命前夜的な雰囲気だった……と思っていたが、実際の支持率などをみると、わずか数カ月後には自民党が盤石の支持をとりもどしていた。今よりよっぽど自... -
20映画・美術館など
ひめゆり
第七芸術劇場 20070812 すごいドキュメンタリーだ。 ひめゆり部隊の生き残りのおばあさんの証言をひたすらつなぐことで、当時の悲惨な状況を浮かびあがらせてしまう。米軍側のフィルムや、今のガマや壕の映像ももちろんある。が、ほとんどはおばあ... -
20映画・美術館など
キューバ映画2本
■コマンダンテ 0701 グアテマラからもニカラグアからアフリカからも、多くの学生がまなびにきている。キューバの獲得したものの大きさがよくわかる。 カストロとの独占インタビュー。往事の勢いと声のはりはない。老境にはいった革命家は痛々しくもあ... -
02憲法・有事・ナショナリズム
丸山真男 日本近代における公と私 <間宮陽介>
ちくま学芸文庫 20070811 言葉づかいはけっこう難しいし、とくに前半の朱子学の部分は難解だったが、丸山が終生もとめつづけたものがなんとなく見えてきた。 単なる(状態としての)自由ではない。単なる(型式的な)民主主義でもない。自由と民主主義... -
08海外(中南米以外)
オリエンタリズム 上 <エドワード・W・サイード>
平凡社 200706 「オリエンタリズム」の流れをたどる。 欧州にとってのオリエントは、神秘であり、セックスであり、異教徒であり、カオスであり……。かつては世界最先進地だったが、今や遅れた場である、という位置づけ。そこに住む住民側からの視点はな... -
01思想・人権・人間論
終わりよければすべてよし <森嶋通夫>
朝日新聞 20070714 「単科ディシプリン」という言葉が何回もでてくる。専門家として1つの分野をきわめなければならない、という意味だ。彼にとってそれは数理経済学だった。その立場から、丸山真男や鶴見俊輔らを「ディレッタント」(好事家・素人)と... -
01思想・人権・人間論
智にはたらけば角が立つ <森嶋通夫>
朝日新聞社 1070707 プリンシプルに従って行動する人とそうでない人がいる。積極的な悪人や有徳の士は前者に属し、その他多くの「普通は善人だが、気が弱いためにいざという時に道徳的に腰抜けになってしまう人」は後者に属する。筆者は後者を「消極的... -
02憲法・有事・ナショナリズム
血にコクリコの花咲けば <森嶋通夫>
朝日文庫 20070630 福祉社会学の研究会で「福祉社会を考えるならこれは必読書ですよ」勧められた。 名前はきいたことがあった。イギリスで活躍した経済学者であることは知っていた。 でもこんなにおもしろいとは。 戦時中、学徒動員で海軍にはいり、敗... -
02憲法・有事・ナショナリズム
反戦軍事学 <林新吾>
朝日新書 20070623 戦争反対という人ほど、軍事を知らない。もっと軍事を勉強せよ、とは以前から言われていた。それで、自分がかかわる部分に関しては最低限の本を読んできたつもりだった。が、やっぱり基本的なことをわかってないなあ、ということを気... -
01思想・人権・人間論
東京ファイティングキッズ <内田樹、平川克美>
朝日文庫 200706 --空中浮遊などの考えられないことがおきたとき、「何も見なかった」と経験そのものを否定する人も、尊師を信じてしまう人も、あるフレームワークが失効してから、次のフレームワークを自力で構築するまでの「酸欠期」を息継ぎなしで... -
03ジャーナリズム
検証日本の組織ジャーナリズム NHKと朝日新聞 <川上泰資、柴田鉄治>
岩波書店 20070507 組織ジャーナリズムがいかに弱体化してきたかを、NHKと朝日というメディアの経緯と現状をとおしてあきらかにする。 かつて日本の新聞は産経をふくめてすべて野党だった。それがまずは産経がころび、中曽根時代に読売がころび、最... -
03ジャーナリズム
新聞記者という仕事 <柴田鉄治>
集英社新書 200705 昔は新聞は野党だった。反戦平和は当たり前だった。読売・産経でさえもそうだった。ベトナム戦争のころもそうだった。新聞が輝いていた時代である。 野党精神の足並みは70年代に入って乱れ、まず産経新聞が自民寄りになる。80年代に... -
01思想・人権・人間論
はじめての構造主義 <橋爪大三郎>
講談社現代新書 20070509 内田樹の入門書とならぶくらいわかりやすい構造主義の入門書だ。 リンゴという実体がまず存在するのではなく、「リンゴ」という言葉によって、リンゴが世界が切り取られ、認識される。リンゴと梨の区別をつけるか否かは「実体... -
文化人類学・構造主義
悲しき熱帯Ⅱ <レヴィ=ストロース>
レヴィ=ストロース 中公クラシックス 200705 ブラジルの先住民族のフィールドワークを丹念に記している。 単なる「観察」ではなく、インディオの世界に心から共感していることが、あたたかみのある筆致からよくわかる。 その共感があるからこそ、欧米... -
文化人類学・構造主義
悲しき熱帯Ⅰ <レヴィ=ストロース>
中公クラシックス 200705 文化人類学のおもしろさ。常識が常識でないことがわかる。人間が人間であるべき「本性」はどこにあるのか、を知る。 戦前のブラジルへの豪華客船の旅かと思えば、ドイツ占領下の劣悪な航海へ、インドの労働者の生活風景かと思... -
01思想・人権・人間論
人文学と批評の使命 <E・W サイード>
岩波書店 200703 外部の状況・システムによって人間の思考は決められているとする構造主義は、デカルト以来の主体(コギト)に異議をつきつけ、従来の人文学(humanism)を圧倒した。隅においやられた人文学は、社会との接点をさぐることをやめ、すでに... -
20映画・美術館など
パッチギⅡ
暴力的になってやけに元気でるよね。なんだかハイになるわぁ。 冒頭からして「あ、いいなあ」だ。胸がきゅんとくる、というのか。 「安保粉砕」などと落書きされた京浜東北線の電車で、学ラン姿の「国土館大学」の右翼学生が朝鮮人学校の生徒をなぐり... -
20映画・美術館など
サンジャックへの道
200704 巡礼をしなければ遺産を相続させない、という遺言を母から残された男2人と女1人の初老の兄弟が、フランスからスペインにいたる巡礼ツアーにいやいやながら参加する。 兄は会社長で心臓病に持病を抱えている。真ん中の姉はいつも苛立ってい... -
20映画・美術館など
ブラッドダイヤモンド
200704 シエラレオネの内戦が舞台。デカプリオが演じる主人公は、ジンバブエ出身の元傭兵でダイヤの密輸業者をしている。 ダイヤの密輸で武器を購入したゲリラRAFが全土を席巻し、平和な生活をいとなむムラを破壊し、少年を連れ去り、兵士にそだ...