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ブラッドダイヤモンド

 200704

 シエラレオネの内戦が舞台。デカプリオが演じる主人公は、ジンバブエ出身の元傭兵でダイヤの密輸業者をしている。
 ダイヤの密輸で武器を購入したゲリラRAFが全土を席巻し、平和な生活をいとなむムラを破壊し、少年を連れ去り、兵士にそだてる。
 狂気の殺戮のありさまがまざまざと描かれる。
 先進国のダイヤ業者は、ゲリラと政府軍の双方に武器をあたえ、紛争をあおる。それによって値をつりあげる。殺戮はやむことがない。アメリカのNYのデパートで、ダイヤの指輪をして喜ぶカップルの姿をうつす。その対比のおぞましさが、作品の現実感と社会的な意味を高めている。
 副主人公格の黒人の男は、家を破壊され、家族はバラバラにさせられ、RAFの支配するダイヤの採掘現場で強制的に働かされる。巨大なダイヤをみつけ、それをかくし、脱出する。
 そのダイヤの話をききつけた主人公が、そのダイヤを得るために、黒人の家族さがしを手伝い、連行されて少年兵になっていた息子の救出も手伝い、旧知の傭兵の大佐をうらぎり、いつのまにか友情が……という展開だ。
 よくここまでダイヤの密輸や利権をめぐる戦争の現実を描けるな、と思う。よっぽど取材しなければ、こうしたディテールを表現することはできない。
 最後、副主人公が英国にわたり、英国のダイヤの業者を告発するメデタシメデタシの結末はハリウッドらしいが、それ以外は手に汗にぎる展開だった。

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