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09中南米
希望の教育学 <パウロ・フレイレ>
太郎次郎社 20070315 これまた10年ぶりの再読。 「被抑圧者の教育学」は抽象的でストイックな印象の本だった。老境にはいって、「被抑圧者」のできた過程と、その後の広まりをふりかえってつづった「希望の教育学」は、フレイレのやさしさが行間から... -
09中南米
被抑圧者の教育学 <パウロ・フレイレ>
亜紀書房 20070306 10年ぶりの再読。 「俺になにができるって? ただの百姓なのに」「しかたない」……うちのめされ搾取された読み書きもできない被抑圧者には宿命論的なあきらめが蔓延している。これを「沈黙の文化」と著者は呼ぶ。日本の農山村を歩... -
03ジャーナリズム
知識人とは何か <エドワード・W・サイード>
平凡社ライブラリー 1070221 「知識人」に求められる資質としてサイードは、権力と対峙すること、専門外のことでも大事な問題は積極的に発言すること……などをあげる。 イタリアの哲学者ヴィーコは、権威に威圧されないためには、社会的現実の起源にさか... -
01思想・人権・人間論
旅の話 鶴見俊輔 長田弘
晶文社 20060215 旅は恋ににている。異性との出会いへの期待はもちろんだが、不安だけど歩をすすめざるをえない落ち着かない感覚は、未知の世界への恋ではないのかと感じてきた。 だが、歳をかさねて30歳代もへて、「恋」への旅でいいのかな、そ... -
01思想・人権・人間論
「伝える言葉」プラス <大江健三郎>
朝日新聞社 20070210 晩年をむかえた大江健三郎が、若い世代への伝言として新聞に連載した文章を集めたエッセー集。 「老人がいつも悲しい顔をしているのは『未来への未練』の表情だったと気づいた」と記す、老年をむかえた大江の悲しみと、死の床で「考... -
08海外(中南米以外)
「帝国以後」と日本の選択 <エマニュエル・トッドほか>
藤原書店 200702 トッドの「帝国以後」をめぐる、トッドと日本の知識人との議論。 米帝国という覇権時代はすでに終わっており、フランスをはじめとする米国と距離をとる国々の態度は、強大な存在に反発する「反米」ではなく、ポスト・アメリカの「脱米」... -
20映画・美術館など
映画「となり町戦争」
20070211 普通の日常がつづくなか、とくに実感されないまま、「町づくり」の一環で戦争がはじまり、つづき、終わる。 自分の身にふりかかってこないと、戦争が実感されることはない。 そんな硬質のというか薄ら寒い感覚を原作はかもしだしていた。 映... -
13ノウハウ・軽い本
なぜかモテる親父の技術 <北村肇>
ベスト新書 20070121 硬派中の硬派のジャーナリストである著者がいったいぜんたい。 「オヤジのもてかた」なんてテーマをどうやって書くのか、平積みになっている本をみて、その意外性に驚いた。つい買ってしまった。 「おやじはおやじらしくあればいい... -
03ジャーナリズム
M/世界の、憂鬱な先端 <吉岡忍>
文春文庫 20070110 ベルリンの壁が崩れる。歴史は人間が動かせるのだ、と実感できる場面に立ち会う。そのときふと「では日本は?」と思う。 まさにその年、昭和天皇が吐血し、報道は翼賛体制となり、戦争という歴史を徹底的に忘れるメルクマールとなっ... -
06福祉・災害・住宅
居住福祉資源発見の旅 <早川和男>
東信堂 20061221 寺社や銭湯、商店街、駅舎など、町中にあるあたりまえの「場」を居住福祉資源として再評価し、紹介している。寺社は健康福祉ウォーキングの場であり、人々と語りあうデイサービスの場にもなっている。商店街もしかりだ。ほんのちょっと... -
08海外(中南米以外)
世界像革命-家族人類学の挑戦 <エマニュエル=トッド>
藤原書店 20061221 フランスをはじめとする「平等主義核家族」、イギリスなどの「絶対核家族」、東欧からアジアへと広く分布する「共同体家族」、ドイツや日本などの「直系家族」。 親子関係と兄弟間の相続のありかたによって分類し、それぞ... -
04民俗・食
コーヒーと南北問題 「キリマンジャロ」のフードシステム <辻村英之>
日本経済評論社 20061210 4200円という値段的ボリュームがあり、しかも横書きの論文集といえば、ふつうなら読もうと思わないのだが、最初の数ページの理論部分を乗り越えたらあとはスイスイと読めた。 論文集なのに、対象のタンザニアの村人への共感と... -
10経済
反戦略的ビジネスのすすめ <平川克美>
洋泉社 20061127 戦略でとらえるだけでいいのか。グローバリズム的な考えだけでビジネスを進めていいのか。モノを媒介に客とのコミュニケーションをはかる、そうしたヒトヒネリした思考のなかに、ビジネスの楽しさややりがいがあるのではないのか---... -
03ジャーナリズム
言論統制列島 <鈴木邦男 森達也 斉藤貴男>
講談社 20061125 石原慎太郎が「週刊ポスト」に、今の日本人が緊張感を失った理由は、この60年間戦争をしなかったからだ」などと書くなど、政治家や権力者は言いたい放題で、「舌禍」のハードルが大きく下がっている。 一方で、マスコミは萎縮し自己... -
02憲法・有事・ナショナリズム
昭和史発掘4 <松本清張>
文春文庫 20061120 □小林多喜二の死 好きな子ができて、入れ込んで、逃げられて……といった書生っぽくて情けない多喜二が、すさまじい拷問をともなう左翼弾圧を目にして、その実態を描き、特高ににらまれ、最後は自分自身が殺されるまでを描く。 最後に... -
04民俗・食
風の祈り 四国遍路とボランタリズム <藤沢真理>
創風社出版 20061118 お遍路をしていると、しばしば「お接待」される。ミカンだったり、お菓子だったり、現金だったり、うどんだったり……。気のせいか、遍路道沿いの人々は外の人間に対して愛想がよくて、やさしい気がする。 ボランティアはキリスト教... -
01思想・人権・人間論
ぼくはいくじなしと、ここに宣言する <森毅>
青土社 20061110 戦争中は軟弱非国民、学生運動さなかも軟弱な教師……軟弱へなちょこ人生を貫いてるものがあるとしたら、自分をも笑ってしまう道化精神だろうか。 なんともまあ肩の力が抜けていて気持ちいい。 「権威を否定していた人間が、権力を獲得す... -
02憲法・有事・ナショナリズム
いまここに在ることの恥 <辺見庸>
毎日新聞 20061027 --冷笑、あざけりというものを殺そう。必死で考えようとする人間、それがだれであろうが、殺人犯だろうが、もはや「形骸」ときめつけられたような魂でも、その声、聞こえないつぶやきに耳を傾けたい。もう居心地のよいサロンでお上... -
08海外(中南米以外)
街場のアメリカ論 <内田樹>
NTT出版 20061025 歴史を一直線の流れとみる「歴史主義」ではない。「今」の時点から未来をみると多くの選択肢があるように、過去のある1点においても多くの選択肢のなかから1つを選択した。歴史が一直線だとしたら運命論的になるが、複雑系だと考... -
20映画・美術館など
フラガール
李相日監督 200610 久しぶりに涙がぼろぼろこぼれる映画だった。 舞台は昭和40年の福島県の炭鉱の町。 各地で炭鉱が閉鎖され、ここでも大合理化がはじまる。 炭鉱のかわりに、観光客を呼べる施設をと考えたのが「ハワイアンセンター」という企画... -
13ノウハウ・軽い本
自転車漂流講座
のぐちやすお 山海堂 20061021 最近自転車を買って、遠出するのが楽しくて、どうせならいずれは海外も走ってみたいなあと妄想してしまう日々だ。 6年かけて世界1周をなしとげた著者が、手取足取り自転車旅行を教えてくれる本、とネットで読んで購... -
02憲法・有事・ナショナリズム
別冊世界 もしも憲法9条が変えられてしまったら
■別冊世界 もしも憲法9条が変えられてしまったら 岩波書店 20061012 第一次大戦後のドイツで、「孤独な個人」と国家権力と対峙するとき、中間組織がないために個人主義の不安感の足元をすくわれ、ヒトラーが生まれたという指摘は、「規制緩和」な... -
02憲法・有事・ナショナリズム
敗戦後論 <加藤典洋>
ちくま文庫 20061008 ■敗戦後論 護憲派は、押しつけ憲法、という「汚れ」をなかったこととして、戦後民主主義をピュアであることを主張しつづける。大江健三郎がその代表だ。 改憲派は天皇の戦争責任という自明な事実を無視して、同じくピュアであると... -
02憲法・有事・ナショナリズム
戦争で得たものは憲法だけだ <落合恵子・佐高信編>
七つ森書館 20060926 特養の順番待ちが来ないのもしかたない。病院を追いだされてもどうしようもない。医療費が上がるのもしかたない。有事法制ができてナショナリズムが色濃くなるのもどうしようもない…… 「しょうがない」「しかたない」「どうしよう... -
01思想・人権・人間論
態度が悪くてすみません 内なる「他者」との出会い <内田樹>
角川oneテーマ21新書 20060922 著者の本は4冊目。構造主義の立場からバッサ、バッサと斬るのが心地よい。 「今・ここ」の立場から善悪を判断するのではなく。「あのとき・あの場所」の条件を考えて、「今・ここ」との共通点を見つけ出していく。 この... -
07地方自治・行政
地域を変える市民自治 井手敏彦の実践と思想
緑風出版 20060917 井手氏は沼津市長時代、ゴミ分別を全国に先駆けてやりとげた環境問題の先駆者だ。 「環境問題の人」というイメージだったが、もっと奥深いものがあったことを知らされた。 ゴミ分別の「沼津方式」は、差別されていた清掃労... -
10経済
持続可能な福祉社会 <広井良典>
筑摩新書 20060906 「福祉」「経済」「環境」「税制」「民俗」…… 普通、それぞれの分野でバラバラに論じられ、全体を統合するような議論はなかなか生まれない。 筆者はそのすべてを大風呂敷でおおうような議論を展開するから、新鮮で刺激的だった。 戦... -
10経済
日本がアルゼンチン・タンゴを踊る日
ベンジャミン・フルフォード 光文社 20060831 政官業とやくざが癒着し、不良債権の半分近くをやくざが占めていることが、日本の経済をだめにした。 経済問題というより腐敗の問題であり、日本はメキシコ並の腐敗国家だという。 日本経済を復活さ... -
20映画・美術館など
コンドルの血 第1の敵
コンドルの血 ウカマウ集団 20060819 アンデスの先住民族の文化や暮らし、祭りなどをふんだんに盛り込みながら、圧倒的な貧富の差と差別という社会状況を告発する映画。よりよい暮らしは、みずからが武器をとって闘うことでしか勝ち取れない、という... -
01思想・人権・人間論
秋の蝶を生きる 山代巴 平和への模索
佐々木暁美 20060815 苦しくも終戦の日、小泉が靖国参拝をしたというニュースがふりそそぐなかで読了。 いったいこの国はどうなってしまったのか。なぜこうなってしまったのか。どこで歯車が狂ったのか。 戦前、比較的自由だった大正時代がす...