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20映画・美術館など
タゴール・ソングス(映画)
■タゴール・ソングス 20200711 アジア人初のノーベル文学賞受賞者であるタゴールの詩集は以前に読んだことがあった。自然描写の美しさと、意志の力を感じさせる作品が多かった記憶がある。 小説や詩のみならず、2000曲以上の歌もつくっており、「タ... -
20映画・美術館など
ハニーランド 永遠の谷
■北マケドニアの映画 20200708 北マケドニアの山間の村で、自然養蜂を営む中年の女性が主人公のドキュメンタリー。 主人公は寝たきりの母と粗末な家に住みながら、自然のハチミツを採取して暮らしている。蜂の巣を開け、蜜をとるときは「半分は私に、... -
04民俗・食
歩く江戸の旅人たち<谷釜尋徳>
◾️晃洋書房20200705 お遍路の記録をまとめる上で参考にできないかと思って手にとった。 江戸時代、お蔭参りがはやったとき、庶民の6人に1人が伊勢を参った。当時の旅は伊勢神宮を参るだけではない。西国33ヵ所をまわったり、四国の金比... -
福島・東北
農と土のある暮らしを次世代へ<菅野正寿・原田直樹編著>
■コモンズ 20200702 福島県の旧東和町は有機農業の町だった。青年団運動や社会教育活動、産直運動、産廃処分場反対運動などに取り組んできた農民がその担い手だった。 2005年に二本松市などと合併する際、つちかった地域自治の受け皿をつくろうと、NPO... -
04民俗・食
死の民俗学 日本人の死生観と葬送儀礼<山折哲雄>
■岩波現代文庫20200627Ⅰ 死と民俗 遺骨崇拝の源流 インドは火葬するが骨は川に流す。アメリカ人は遺体をきれいに整えて本土に送るなど、肉体的側面を重視する。エジプトのミイラ文化につながる。それに対して日本は、遺骨を尊重する。 だが万葉集を見... -
福島・東北
絶望と希望 福島・被災者とコミュニティ<吉原直樹>
■作品社20200623 大熊町の住民たちは、原発事故によって故郷に住めない難民となり、さらには行政から見捨てられ棄民化している。マスコミの扱いも小さくなり、忘れ去られようとしている。そんな人々に寄り添う研究の成果をまとめている。 国・県は放射... -
04民俗・食
西国巡礼の寺<五来重>
角川ソフィア文庫 20200619 五来の四国遍路についての本を読んで、西国巡礼も読んでみることにした。「宗教文化」は変化するが信仰の原点は日本でも欧州でも同じであり、信仰のもっとも素朴なかたちとして巡礼が起きる。「世界中どこでも、歩くこと、め... -
20映画・美術館など
時を駆ける少女 20200702
30年ぶりぐらいに見た。 原田知世のアイドル映画ってだけで、当時はそれほど印象に残らなかった。 この映画は、とくに後半の「時の旅人」の謎解き以降はB級でしかないけれど、尾道というまちを舞台にすることで成功した。 24時間後に時間が飛んでしま... -
04民俗・食
四国遍路 八十八ヶ所巡礼の歴史と文化<森正人>
■中公新書 20200426 筆者は1975年生まれの若手の研究者。五来や頼富ほどの深みはないが、最近の動きをとらえ、「伝統」が実は最近つくられたことなどを指摘していて興味深い。 たとえば白装束は戦後のバスツアーで普及した。山門で一例して納札を入れて... -
04民俗・食
四国遍路とはなにか<頼富本宏>
■角川選書20200423 古代から現代に至る遍路の変遷がよくわかる。大師堂と本堂を参拝するという作法は実は第二次大戦後にできたというのには驚いた。 修行者だけが歩いた辺地修行の道は四国だけでなく、伊豆大島や能登半島にもあった。海洋信仰が起源だ... -
01思想・人権・人間論
ふりまわされない自分をつくる「わがまま」の練習<谷地森久美子>
■角川書店 20200609 自分に自信が持てず人に振りまわされ、生きづらさや自己否定におちいってしまう人は「わがままな自分」になることで新しい人生を生きられるようになる。そのためのカギのひとつが自分と他人を分ける輪郭「心の境界線」という。 幼少... -
20映画・美術館など
「翔んで埼玉」20200609
アマゾンプライムで見たばかばかしくて楽しい映画。「ダサイタマ」「イモ」と呼ばれるようになったのは僕の中学生のころだったろうか。 そう呼ばれるのをいやがり「東京出身です」と自己紹介する友人もいたが、僕は「ダサイタマ」ぐらいが自分にはぴっ... -
20映画・美術館など
イーストサイド寿司 20200430
アマゾンプライムで鑑賞した。 ストーリーは三流のハリウッド映画だが、メキシコ人女性の料理人がスシ職人を志すという一点において日本人が見てもそれなりにおもしろい作品に仕上がった。 メキシコ人のシングルマザーが主人公。カリフォルニアで父と... -
04民俗・食
四国遍路の寺 下<五来重>角川ソフィア文庫 20200413(抜粋)
▽戦国から安土桃山にかけては遍路どころではないが、江戸時代になって盛んに。江戸末になるとふたたび衰えて、明治初めぐらいには88の半分ぐらいは無住だった。▽熊野の信仰は海を通して全国に広がった。熊野信仰が非常に強いのは東北地方や隠岐の島。鎌倉... -
04民俗・食
四国遍路の寺 上<五来重>角川ソフィア文庫 20200421
納経所が霊場なのではない。八十八カ所をぐるりとまわる修行だけでなく、それぞれの札所はもとは独立した修行の場だった。その痕跡が残っているのが行場だった奥の院であり、そこををめぐらないと本来の遍路の意味はわからない、という。 お遍路をして... -
20映画・美術館など
太陽の王子ホルスの大冒険 20200418
1968年の高畑勲の初監督作品。 ホルスという孤独な少年が、悪魔の脅威にさらされる村に住み、村人とともに悪魔を倒すという物語。ホルスが村に導いた孤独な少女ヒルダは実は悪魔の手先だった。村人を惑わし、ホルスを村から追い出すが、ホルスや村... -
20映画・美術館など
感染列島 20200412
10年前の映画。養鶏所の鶏が次々に死に、その後、原因不明の伝染病が広まる。当初は鳥インフルが疑われ、養鶏場の経営者は自殺する。鳥インフルのころの実話をベースにしている。 舞台は東京の病院だ。救急で運び込まれた患者から感染がはじまる。患... -
08海外(中南米以外)
ドット・コム・ラヴァーズ ネットで出会うアメリカの女と男<吉原真里>
■中公新書 20200117 ネット上のサイトを使ってデートの相手を探す「オンライン・デーティング」。30代の大学教授の女性が1年間のサバティカルでニューヨークに暮らしたのを機にこれを試した経験をつづる。 サイトの「自己紹介」でデート相手に求め... -
05医療
「お迎え」されて人は逝く 終末期医療と看取りのいま<奥野滋子>
■ポプラ新書 20200130 妻を看取った経験を思いだし、何度も涙で中断させられた。「お迎え」の重要さについては岡部健医師の本で読んでいた。筆者は緩和ケアの医者であるとともに、死生学を学んだ立場から、「お迎え」をより積極的に位置づけ、「看取り」... -
08海外(中南米以外)
トランプ再選のシナリオ<渡瀬裕哉>
■産学社 20200127 トランプが当選した時、そんなバカな、と思った。メディアの報道も「まさか」という内容がほとんどだった。 米国のメディアとそれとつながる日本のメディアや政官界は、共和・民主両党の主流派としかつながりがなかったと筆者は指摘... -
05環境・農業
日常という名の鏡 ドキュメンタリー映画の界隈<佐藤真>
■日常という名の鏡 ドキュメンタリー映画の界隈<佐藤真>凱風社20191218 新潟水俣病の舞台となった阿賀野川をテーマにした「阿賀に生きる」の監督の本。久しぶりに新潟水俣病を勉強するため読み返した。 佐藤監督は水俣の映画の自主上映運動で新潟・... -
01思想・人権・人間論
原民喜 死と愛と孤独の肖像<梯久美子>
■岩波新書 20191225 こんなにも繊細で、弱く、貧しく、悲しみに満ちた人だったとは。 裕福な家に生まれたが、小学校1年で弟、5年で51歳の父、高等科1年で21歳の次姉を亡くし、内向きな性格になった。 6歳下の妻貞恵は、小柄で丸顔で愛くる... -
11歴史〜現代史
さらば、政治よ 旅の仲間へ<渡辺京二>
■晶文社 20191216 安倍政権の進める有事法制などの動きを進歩的な人は「いつか来た道」と評することが多い。それに対して「日本が戦前のナショナリズムに回帰しているわけがない」「左翼は思考停止している」と批判する。安保闘争などで運動に参加した... -
01思想・人権・人間論
本を読めなくなった人のための読書論<若松英輔>
■亜紀書房 20191107 この1年ちょっと、特定のテーマ以外の活字を読むことができていない。 世界から色がなくなり、たいていの本は無味乾燥の灰色に感じてしまう。でも、若松や神谷美恵子、内山節らの本は、なぜか彩りを感じる。死者の世界とつながっ... -
03ジャーナリズム
黒い海の記憶 いま死者の語りを聞くこと<山形孝夫>
■岩波書店 20191214 東日本大震災後の「花は咲く」、ちょっと前の「千の風になって」は個人的には好きになれない。筆者はこの2つを「死者がうたう歌」と位置づける。 戦前の日本社会は、仏壇を通して、身近な「生きている死者」に祈っていた。いま、... -
12小説・エッセー
星と祭 上下<井上靖>
■角川書店20191208 主人公は、前妻との間にできた17歳の娘みはるを琵琶湖の水難事故で亡くした。大学生の男友達とともに遺体はあがらなかった。 夜中に何度も目覚め、目覚めるたびに心は悲しみで冷たくなる。何をしても張り合いを感じない。友だちづき... -
20映画・美術館など
東京家族<山田洋次監督>
■20191202 東京に住む、医者の長男夫婦と、美容院の娘夫婦と、アパートに住むフリーターの末っ子を、田舎の島から老夫婦が訪ねてくる。 父親は末っ子を馬鹿にしていた。母親は末っ子の家に泊まった際、蒼井優演じる女性と婚約していることを知る。「き... -
20映画・美術館など
映画「火宅の人」20191201
檀一雄の原作はずっと以前に読んだが、その印象とはだいぶちがった。 主人公の一雄は再婚した妻と子がいるのに、年の離れた弟子のケイコに熱を上げ、浮気し妊娠させる。原田美枝子が演じるケイコは肉感的だ。 飲み屋の女性と旅先の九州で出会いとも... -
12小説・エッセー
剱岳 点の記<新田次郎>
■文春文庫 20191128 学生時代に読んで、最近映画を見たものだから再読した。 富山に住んで立山は何度も登ったから、小説に出てくる場所の描写が手に取るようによくわかる。柴崎測量官が歩いた、ザラ峠、鷲岳、鳶山、越中沢岳、出原山、丸山などは何度... -
12小説・エッセー
さよならの力<伊集院静>
■講談社 20191112 20代で弟を30代で前妻の夏目雅子を亡くしている。その彼が身近な人の死をどう受け止めたのか知りたくて手に取った。 「なぜ彼女がこんな目に、なぜ自分だけがこんな目にあうのか」と混乱し、1年間はすさんだ暮らしを送った。 ...