アマゾンプライムで「春を背わば」を見た。北アルプスにある「スミレ小屋」を営んでいた父が、登山者を救助するために命を落とす。息子は東京で株のディーラーとして何十億というカネを動かしていたが、父の死をきっかけに山小屋を継ぐことに。
山小屋には、父に救われた愛ちゃん(蒼井優)という女性が働いている。新米の主人公を助けるため、放浪者のゴロさんが来てくれる。3人で切り盛りするなかで、愛ちゃんとの恋が芽生え…。
ベタベタの教科書通りの展開と台詞回しで、蒼井優らの演技力を生かせていない。でも映像は抜群に美しい。立山連峰の山々が全編を彩る。画像の美しさだけで見る価値のある映画になった。
あとで調べたら「春を背負わば」には原作があり、舞台は奥秩父だった。
映画ではローソク岩らしき場所を「秘密の穴場」としているが、立山には手軽に行ける「穴場」なんてほとんど残っていない。樹林に覆われた奥秩父ならば「秘密の穴場」の意味がよくわかる。その辺も、設定の現実感より映像の美しさを優先したが故のちぐはぐさか。
山映画を2本見たついでに「岳」も見た。ヘリを飛ばしてカネはかかっているが、映画としてのできははるかに落ちる。「春を」よりさらにベタなストーリーで、映像も月並み。
山を知り尽くした男と、山岳救助隊の新米女性隊員を主人公にして、遭難を巡る死と涙…というパターンのお涙ちょうだいを繰り返すだけ。よい場面もいくつかあったけど、安易さが際立った。でもまあ、長澤まさみはかわいかった。
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