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12小説・エッセー
クライマーズ・ハイ
横山秀夫 文春文庫 20060805 文句なしにおもしろい。元上毛新聞記者だけあって、新聞社と記者の生態を余すところなく描いている。 主人公は群馬の「北関東新聞」の40歳の記者である。 1985年8月、地元出身の中曽根首相が靖国公式参拝をする... -
04民俗・食
旅する巨人宮本常一 にっぽんの記憶 <読売新聞西部本社編>
みずのわ出版 060803 宮本常一が残した膨大な写真をもとに、その写真の舞台を再訪し、その写真に載っていた人や、ゆかりの人々の話を記者が聴いてまわった記録だ。 新聞の文章だけあって舌足らずな表現や、体言止め、情景描写が定型的すぎるところなどは... -
11歴史〜現代史
昭和史発掘2 <松本清張>
文春文庫 20060725 □三.一五共産党検挙 温泉で組織の大会を開くのに、工場の慰安会と偽装する。細かなところでミスをして、そのほつれをつけ込まれて組織の全体像をつかまれ弾圧される。スパイ小説そのままだ。 「大逆罪」によって幸徳秋水らが死刑と... -
12小説・エッセー
家畜人ヤプー(全5巻) <沼正三>
幻冬舎アウトロー文庫 20060718 未来世界。アングロサクソンの子孫であるイースが宇宙を支配し、日本人の子孫であるヤプーは奴隷以下の「道具」「家畜」とされている。イースの便器はヤプーの口であり、足置き場もヤプーであり、靴の底敷もヤプーだ。白... -
02憲法・有事・ナショナリズム
戦争の克服 <阿部浩己 鵜飼哲 森巣博>
集英社新書 20060701 森巣博が、哲学者の鵜飼哲と国際法学者の阿部浩己と対談する。 「戦争」が時代とともに「総力戦」となり、国全体を巻き込む形になり、 国民国家という形で画一化していく。「ふんどし」は、徴兵制によって全国に広まったという。 ... -
11歴史〜現代史
昭和史発掘1 <松本清張>
文春文庫 20060626 □陸軍機密費問題 □石田検事の怪死 後に政友会から首相になる田中義一大将らによる陸軍機密費を利用した汚職。これを暴こうとする憲政会と軍の反主流派と、隠匿しようとする政友会と軍の反主流のせめぎあいを描く。中野正剛という気... -
03ジャーナリズム
「放送禁止歌」森達也
■知恵の森文庫 20051230 「放送禁止歌」というと、キヨシロウのパンク調「君が代」とかをイメージしてたけど、実は天皇制関連の「放送禁止」は岡林の「ヘライデ」くらいだという。 大半はもっとささい理由ばかり。 え? この歌も? という歌が次々... -
20映画・美術館など
花よりもなほ <是枝裕和監督>
20060618 江戸の下町のぼろ長屋に住む、父の敵をさがす武士の子が主人公だ。 ふきだまりのような長屋には、始終飛びはねている男や、知恵袋のじいさん、やくざもの……そして、掃き溜めに鶴じゃないけど、子供をかかえた美人未亡人。さらには、吉良上野介... -
12小説・エッセー
流浪 金子光晴エッセイ・コレクション
大庭萱朗編 ちくま文庫 20060620 放浪の詩人の文章を一度読んでみたかった。 子どもの思い出から、30歳代の7年間にわたる旅行の後までを記したエッセーをあつめている。 とりわけ妻の森三千代とともに歩いた7年間の旅行の描写は興味深い。 旅の途... -
03ジャーナリズム
編集長を出せ! 「噂の真相」クレーム対応の舞台裏 <岡留安則>
ソフトバンク新書 20060616 「噂の真相」の元編集長が長年のクレーム対応の舞台裏をあかす。 強面でなにがあっても妥協しない編集長というイメージが強いが、意外に柔軟で臨機応変であることに驚く。 皇室ポルノで右翼の抗議をうければあっさりと「謝罪... -
11歴史〜現代史
松本清張と昭和史 <保阪正康>
平凡社新書 20060618 「昭和史発掘」と「日本の黒い霧」をとりあげ、歴史の記録者としての松本清張の姿を描いている。 筆者の作品としては、軽くて力は入っておらず、あまり意外性はない。でも、司馬遼太郎と比較して松本清張を把握するうえでは参考に... -
03ジャーナリズム
渡邉恒雄メディアと権力 <魚住昭>
講談社文庫 20060616 言わずとしれた読売のドン、メディアの覇王の半生を描いている。 なんとも後味の悪い人間だ。 いいところのボンボンとして育ち、戦後、東大で共産党の活動家になるが、主流派と対立してはじきだされる。 全学連草創期の東大での活... -
03ジャーナリズム
不屈のために <斎藤貴男>
ちくま文庫 20060612 世の中なにかおかしい。 憲法改正や有事法制は怖い。 「防犯」という名の監視社会化も不気味だ。 派遣社員と本社員の賃金格差もひどすぎる。 暮らしていけない階層をつくる経済体制も露骨だ。 二世議員ばかりの国会はなんだ…… おか... -
03ジャーナリズム
ケンカの作法 <辛淑玉 佐高信>
角川oneテーマ21 20060607 ケンカの作法を教えてくれるわけではない。 でも、辛口の2人が、政治や世相をバッサバッサとぶったぎるように語るのは心地よい、 というより、一緒になって腹がたち、同等の能力がない、いや、気力がない自分が情けなくなって... -
20映画・美術館など
ダ・ヴィンチ・コード(映画)
悪い映画じゃない。 主人公の2人も、おじいさん役も、洗脳された殺し屋役もさすがにうまい。 荘重な音楽と教会やルーブルを撮った映像もきれいだ。でも…… 謎解きのテンポはいいが、1場面の1人の証言だけで簡単に種をあかしてしまい、 「女主人公... -
20映画・美術館など
バッシング <小林政広監督>
20060611 イラクで人質になった3人が、日本国内で猛烈なバッシングにあった話にヒントを得てつくられた映画。 ネットや電話による嫌がらせや脅迫によって主人公の女性は追いつめられ、勤め先をやめさせられる。 心臓がバクバクして、呼吸が細くなり、手足... -
10経済
著作権の考え方 <岡本薫>
岩波新書 20060610 ①会社の仕事の一環で書いた記事を大幅にリライトして本にする場合、著作権はどうなるか。 ②講演会できいた話をネットにだした場合、著作権にふれてしまうのか。 ③ネット上に自分がだした文章をそのままほかにコピーされ公開されつづ... -
03ジャーナリズム
新聞記者をやめたくなったときの本 <北村肇編>
現代人文社 20060605 やめたくなったとき、といっても、記者になったばかりの若手を対象にしている。 新聞社に限らず、3日3ヶ月3年という節目に「やめたい」と思う人は多い。 今の新聞社のあり方を考えた場合、「やめたい」と思わないほうがどうかし... -
文化人類学・構造主義
寝ながら学べる構造主義 <内田樹>
文春新書 20060603 ちょっと読んではあきらめ、読んではあきらめを繰り返していた「構造主義」だが、「寝ながら」という軽さと、内田樹が書いたということで、もう一度だけ試してみることにした。 構造主義の基本の基本をわかりやすく説明してくれてい... -
02憲法・有事・ナショナリズム
ルポ改憲潮流 <斎藤貴男>
岩波新書 20060528 「生活安全条例」「自警団組織」「共謀罪」、マスコミの右傾化……具体的な事実をもとに、憲法をめぐって今起きていること、今後起きようとしていることを描く。緻密で広範なデータの収集と分析が筆者らしい。 住基ネットが成立するとき... -
02憲法・有事・ナショナリズム
日本海海戦とメディア <木村勲>
講談社選書メチエ 20060520 日露戦争といえば、日本海海戦の鮮やかな勝利が頭に浮かぶ。 意表をつく「敵前大回頭」「丁字作戦(T字ともUターン作戦とも聞いたことがあるが)」によってバルチック艦隊を撃破し、戦争の帰趨を決めたーー ほとんどの日本人... -
03ジャーナリズム
完本美空ひばり <竹中労>
ちくま文庫 20060514 演歌や懐メロは子どものころ聴かされた。だが興味はない。聞きたいとも思わない。 でもよく考えると、古賀メロディーや美空ひばりはなぜあれほど人々の心をとらえたのか。若者から老人まで夢中になったのか。 戦後直後、「日本人はフ... -
02憲法・有事・ナショナリズム
憲法力 <大塚英志>
角川 20060507 民俗学者の柳田国男からときおこす。 柳田は第1回普通選挙の結果を見て、旧来の地縁血縁によって投票していることに憤り、「明治大正史世相編」の最後に「われわれは公民として病みかつ貧しいのであった」と記した。 村的な共同体や利権... -
02憲法・有事・ナショナリズム
テレビの罠 <香山リカ>
ちくま新書 20060502 2005年秋の総選挙で自民党圧勝したことにショックを受けたのは、野党陣営だけではなかった。自民党に入れた人たちも「勝ちすぎ」と戸惑い、保守派の論客が「ファシズム」危惧する。 なぜそんな事態が起きたのか。だれがそんな... -
02憲法・有事・ナショナリズム
過去は死なない メディア・記憶・歴史 <テッサ・モーリス・スズキ>
岩波書店 歴史が100%客観的であるという考え方を著者はまず否定し、歴史には解釈的な側面と同時に情緒的な側面があることを認める。だが「つくる会」的な歴史相対主義に陥るのではなく、過去について真摯であろうとしなければならないと主張する。 過... -
08海外(中南米以外)
ベトナム戦争の「戦後」 <中野亜里編>
メコン 20060417 「解放戦争」でもなく「侵略者」でもない。とかく善悪で論じられがちなベトナムを、歴史や軍隊や文芸、周辺諸国からの視点といったさまざまな角度から分析し、等身大のベトナム社会を描きだしている。 ベトナム革命勢力は、民族自決権を... -
02憲法・有事・ナショナリズム
9条どうでしょう <内田樹ほか>
毎日新聞社 20060408 「9条」というと、護憲と改憲という二分法的な論じ方ばかりだが、こんな論じ方もあるのかあ、と新鮮だった。とくにオダジマンの論は目から鱗だった。 たとえば「愛する者や家族が目の前で殺されているのを座視するのか」という... -
03ジャーナリズム
黒田清 記者魂は死なず <有須和也>
河出書房新社 20060406 本田靖春「我、拗ね者として生涯を閉ず」と似た読後感をもった。 ほぼ同じ時代に読売新聞に籍をおき、東京で本田がほされて辞めたとき、まだ黒田は大阪社会部長として大活躍していた。「大阪で黒田と働きたい」と本田に言わしめた... -
12小説・エッセー
借家と持ち家の文学史 <西川祐子>
三省堂 20050124 「江戸川乱歩シリーズ」と吉野源三郎の「君たちはどう生きるか」を読んだとき、まったくジャンルの異なる作品なのに、どこか似ているなあと思った。太宰治と島崎藤村、あるいは志賀直哉の描く「家」にも同じにおいがした。この本を読ん... -
02憲法・有事・ナショナリズム
暗黒日記3 <清沢洌>
ちくま学芸文庫 20050609 昭和20年正月からの記録。冒頭の元旦の日記はなんだか今の時代を言い当てているようだ。 自分の上から爆弾が降ってきてはじめて初めて「戦争」であることを知り、しかしそれでもなお、戦争に懲りないだろうという。その理由...