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12小説・エッセー
「源氏物語」に学ぶ女性の気品 <板野博行>
■ 青春新書 20080504 源氏物語は、一流の恋愛小説でもありエロ小説でもあるってことがよくわかる。登場する女性を1人1人生き様を紹介する。 当時の貴族は妻問婚である。セックスするまでは顔をみることができず、だから、噂話を収集し和歌の交換によっ... -
01思想・人権・人間論
柳宗悦<鶴見俊輔>
鶴見俊輔集続4 柳宗悦・竹内好 筑摩書房 20080511 生活でつかわれる食器などを「民芸」として再評価した、ありがたいけど敷居が高そうな人、という柳宗悦のイメージをくつがえされる。 名をなした晩年の柳宗悦の位置から過去をふりかえって(回想して... -
文化人類学・構造主義
健全な肉体に狂気は宿る<内田樹、春日武彦>
角川oneテーマ21 20080419 「自分」がまずあって、それが世界を切り開く、という「自我」の立場にはたたない。 他者との関係、つながりのなかで「自分」をとらえる。まさに構造主義の考え方なのだろう。 「キャリア形成」とか「自己実現」というのは、「... -
01思想・人権・人間論
戦時期日本の精神史1931-1945年 <鶴見俊輔>
岩波現代文庫 20080428 カナダの大学での講義録であり、著者の長年の研究成果をわかりやすくまとめている。 「転向」を悪い意味だけではなく、積極面もとらえる。獄中でたたかいつづけた人だけでなく、妥協をくりかえしながら生き抜いた柔軟さを積極的に... -
01思想・人権・人間論
反哲学史 <木田元>
講談社学術文庫 1080329 プラトンのイデア論とかなんとか、説明されれば意味はわかるけど、なぜそんなまわりくどい思考をするのかわからなかった。当時の社会状況をふまえて、なぜそんな思想が出現するのかをわかりやすく説明してくれる。 「ソフィーの世... -
09中南米
反米大陸 中南米がアメリカにつきつけるNO <伊藤千尋>
集英社新書 20080411 アラモも米西戦争もフィリピンの占領も真珠湾も同時多発テロも、「リメンバー」とさけんで、米国は戦争に邁進した。嘘をメディアに流してでも戦いの正当性をでっちあげた。 米国人の安全と財産を守るため、という名目で軍を派遣する... -
02憲法・有事・ナショナリズム
国畜 <佐高信>
KKベストセラーズ 20080417 国家に飼い慣らされ、自分と家族だけが安穏に暮らすことを求め、国家を信じ、判断を任せている人を筆者は「国畜」とよぶ。愛国者という意思表示もせず弱者の皮をかぶっているからやっかいな存在だという。 イラクでつかまっ... -
12小説・エッセー
空疎な小皇帝–「石原慎太郎」という問題 斎藤貴男
20080416 石原の「評伝」ではない。佐野眞一がつくる評伝を期待したらダメだ。 権力にへつらい弱者に高飛車で、こびへつらう者ばかりを重用する、「小皇帝」石原の言動がなにをもたらすか、もたらしているかを丹念に描いている。 秘書時代から暴力事件をお... -
20映画・美術館など
胡同の理髪師 <ハスチョロー監督>
20080417 北京のどまんなか、故宮のすぐ脇にある路地の街・胡同の、93歳の老理髪師の日々を描く。近代的なビルや高速道路にかこまれて、そこだけ時代から取り残されたかのような胡同が、切なく懐かしく切りとられている。 1日に5分遅れるゼンマイ式古... -
20映画・美術館など
実録・連合赤軍 <若松孝二監督>
1080329 「突入せよ!浅間山荘事件」という佐々淳行作品の映画は完全に警察側の視点だった。連合赤軍という「不気味な奴ら」をたたきつぶす「正義の味方」という構図の、ハリウッドのベトナム戦争映画のような薄っぺらさだった。今回の作品はまさに「ベ... -
01思想・人権・人間論
「気づきの瞑想」で得た苦しまない生き方 <カンポン・トーンブンヌム 上田紀行監修>
佼成出版 20080224 前途有望な青年教師が事故で全身不随となる。絶望のなかで仏教をまなぶうちに「気づきの瞑想」の師にであう。 体と心を観察しなさい。思考を「観なさい」という。苦しいこと腹立たしいことがあったら、そういう思考そのものを観察しな... -
01思想・人権・人間論
期待と回想 <鶴見俊輔>
朝日文庫 20080321 .□転向論 父は大正時代の自由主義者で、軍の横暴に批判的で、張作霖爆殺には反対していた。だが、満州事変のころから変節し国策を支持するようになる。捕虜を死刑にせよ、という。一高英法科の首席だった人が大政翼賛になってしまった... -
12小説・エッセー
少年Mのイムジン河 <松山猛>
木楽舎 20080225 フォーククルセダーズがうたった「イムジン河」の誕生秘話である。 筆者の生まれ育った京都の南は、在日朝鮮人が多く、朝鮮戦争で負傷した米兵が後送される病院もあった。当時の京都は、ニンニクはおろか納豆とも縁がなく、ニンニクのに... -
03ジャーナリズム
この国の品質 <佐野眞一>
ビジネス社 20080201 佐野眞一の本は、いつ読んでも刺激にあふれている。彼の言動ひとつひとつが、表面しかとらえる力をもたない今のメディアへの批判である。 東電OL事件のゴビンダは、今も服役している。司法取引にのっていて、再審請求などしなけれ... -
04民俗・食
冷蔵庫で食品を腐らす日本人 <魚柄仁之助>
朝日新書 20080130 あまったリンゴやらご飯やら野菜やらを干して保存食にする……といった筆者の知恵はすごい。独身で自炊しているころに知っていたら、もっと食生活は安く豊かになったことだろう。 「食」をめぐる観察も興味深い。 たとえば、かつて塩っ辛... -
02憲法・有事・ナショナリズム
兵役拒否の思想 市民的不服従の理念と展開 <市川ひろみ>
明石書店 20070127 イラク戦争における米国、旧東西ドイツ、イスラエルの兵役拒否のありかたを紹介するともに、その背後にあるキリスト教や近代哲学の流れをフォローしている。社会主義独裁とされてきた東ドイツで、教会を支えにした兵役拒否の運動があり... -
03ジャーナリズム
新聞記者 疋田桂一郎とその仕事 <柴田鉄治・外岡秀俊>
朝日新聞社 20071004 体言止めという文体を創造し、かつ、それをみずから捨てた人であり、希代の名文家で知られる。本多勝一氏らの本でしばしばとりあげられ、いくつかの作品は読んでいたつもりだったが、実際に彼の代表的な記事をあつめてならべられて驚... -
03ジャーナリズム
実戦・日本語の作文技術 <本多勝一>
朝日文庫 20080110 ずっと以前に「日本語の作文技術」を読んで、読点の打ち方をまなんだ。本書の前半はその内容のおさらいになっている。いま改めて読むと、これだけの論理的なルールを、忙しい新聞記者の仕事をこなしながら、40歳になるかならないかで... -
01思想・人権・人間論
「あたりまえ」を疑う社会学 <好井裕明>
光文社新書 20080105 社会学といえば、かつては理論的枠組みとかなんとか敷居が高いイメージがあった。最近は逆に統計調査のような無味乾燥なものが主流をしめている。どちらも好きになれない。「定型」にきりとられた新聞やテレビの「ニュース」にたい... -
10経済
ボランタリー経済の誕生 <金子郁容 松岡正剛 下河辺淳>
実業之日本社 20080105 社会主義やケインズ的福祉国家などの「大きな政府」ではなく、かといって市場一辺倒の「小さな政府」でもない第3の道を「ボランタリー」にもとめる。 イギリス産業革命とアメリカ独立とフランス革命によって準備された近代国家... -
20映画・美術館など
パッチギ <井筒和幸監督>
暴力の時代。アナーキーの時代のなつかしい京都。 グループサウンズのマッシュルームカットの日本人の高校生は、フォークの時代がくると髪型もかえる。 一方、朝鮮高校にかよう荒くれのアンソンは、右翼の不良と喧嘩ざんまいの日々をおくる。 日本人... -
文化人類学・構造主義
疲れすぎて眠れぬ夜のために <内田樹>
角川文庫 20071222 男らしさ、女らしさ、商人らしさ、農民らしさ……。そういった「らしさ」は多様性をもたらすことになり、人類が存続するための生存戦略上有効だったという。 礼儀正しくしたり、冠婚葬祭で礼装をまとうのは、いらぬ摩擦を生まぬためのひ... -
01思想・人権・人間論
死生観を問いなおす <広井良典>
20071202 ちくま新書 時間は絶対的ではない。時間というのは宇宙のはじまりと同時に生まれたのであって、「宇宙のはじまる前」には時間というものがなく、宇宙が消え去れば時間というものはなくなる。 という科学的知見は、長らくヨーロッパ理性の中心を... -
10経済
思想としての近代経済学 <森嶋通夫>
岩波新書 20071111 セイ法則がキーワード。供給が増えればそれによって需要は増えるという考え方であり、これがなりたつということはいくらでも投資機会がある状態だから、完全雇用がなりたっていた。 ところが、消費社会となり、投資の機会がなくなる... -
01思想・人権・人間論
もう少し知りたい人のための「ソフィーの世界」哲学ガイド <須田朗>
NHK出版 20071107 あなたはだれ? 世界はどこからきた? という質問から入る「ソフィーの世界」。世界は何からできているか、と問いつづけたエジプトの科学者からはじまり、ギリシャのソクラテスにいたってようやく「哲学」が誕生する。 ソフィ... -
01思想・人権・人間論
中流の復興 <小田実>
NHK出版生活人新書 200710 行動と哲学的思索とをむすびつけて生き抜いた人であることが、この本を読んでもよくわかる。 デモをせよ。体で表現せよと説く。住民投票の議論がでてくると議員連中はよく「議会制民主主義を軽視するのか」と批判する。おいお... -
03ジャーナリズム
メディア危機 <金子勝 アンドリュー・デウィット>
NHKブックス 20071027 メディア・リテラシー運動が先進国の学校教育に普及するのは1980年代後半からだという。日本では「新聞を学校教育に」という運動はあるが、メディアの批判的読み方をおしえるリテラシー教育はない。その手法さえマスコミの... -
01思想・人権・人間論
私家版ユダヤ文化論 <内田樹>
文春新書 200710 「ユダヤ人」の定義さえあやふやだ。ユダヤ人というのは結局「○○ではない」「○○ではない」という消去法によって定義するしかない。 西欧の始祖であり、キリスト教の起源である。でも、だからこそ、恨まれつづける、という。 サルトル... -
01思想・人権・人間論
権力に迎合する学者たち <早川和男>
20070922 研究テーマは本質的であるか 時代の課題に応えているか 研究は主体的か 研究の方法は科学的・論理的であるか 時代をリードする先頭に立っているか 研究体制は十分か 研究者のよってたつべきこうした原則に、研究者の世界でもマスコミの世界同様... -
20映画・美術館など
陸にあがった軍艦 <新藤兼人原作、山本保博監督 >
200709 滑稽すぎる訓練。それをまじめな訓練と思わなければならなかった滑稽。ノーといえない組織・国がつくりあげた戯画。木でつくった戦車にむかって、たこつぼからでて、駆け足で接近し、円盤状の地雷をなげつける。その前に9割9分の兵士は殺される...