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01思想・人権・人間論
大不況には本を読む <橋本治>
中公新書ラクレ 20090712 「本はそこになにが書かれていないかを知るために読む」。なるほど、と思う。 書いてあることをなぞるだけでは、「過去」をなぞることにしかならない。書かれていないこと、行間を読みとることで、新しいナニカの発見に導... -
12小説・エッセー
遠い太鼓 <村上春樹>
講談社文庫 1090709 40歳をはさむ3年間、イタリアやギリシャに住んだ体験をつづったエッセー集。 40歳を前になにかを変えなければ……と思って妻と2人で欧州にわたった。その動機がまず共感できる。ミドルエイジクライシスじゃないけど、なにか竹の節... -
10経済
国際経済学入門 グローバル化と日本経済 <高橋信弘>
ナカニシヤ出版 20090613 「中学生にもわかる」というほど簡単ではない。とくに前半の数式の説明はじっくり読まないと理解できない。でも、貿易がもたらす効用とか、比較優位といった概念がどういう計算から生みだされるかがわかっておもしろい。 後段の... -
12小説・エッセー
ノルウェーの森 上・下 <村上春樹>
講談社文庫 20090616 おもしろい。切ない。哀しい。 村上春樹の作品で最初に読んだのは「羊をめぐる冒険」だった。次はノモンハンを描いた作品、それから「アンダーグランド」。どれもおもしろい。「ノルウェーの森」は彼には珍しく、リアルで現実的な小... -
03ジャーナリズム
アンダーグランド <村上春樹>
1090606 「アンダーグランド」を読む。村上春樹、さすがだ。ただインタビューを並べているだけなのに、ぐいぐいと引き込まれる。ひとひとりの目から見た地下鉄サリン事件を、それぞれの生身の個人の視点から浮き彫りにする。「悲劇の被害者」という型どお... -
06福祉・災害・住宅
■むすんでひらいて 高齢日本1しまねの模索 <中国新聞松江総局>
松江今井書店 20090420 1998年出版 介護保険前後の島根県の高齢福祉の現場を丹念に歩いている。今となっては古い部分もあるが、それぞれの住民が、市町村が、迷いながらも築きあげつつあった福祉の姿が描かれている。問題はこの後だと思う。介護保険... -
04民俗・食
隠岐共和国ふたたび 「隠岐学セミナー」での出会い <牧尾実>
論創社 20090502 隠岐の島で隠岐堂書店という本屋を営む人が書いた。 幕末に郡代を追い出して80日間だけできた「コミューン」の歴史を再検証し、単なる恥ずかしい一揆だと思っていたものが実は歴史上先進的な取り組みだったことを知る。 歴史をちがう角... -
04民俗・食
四国八十八カ所 <石川文洋>
岩波新書 20080502 とくに文章がうまいわけではない。写真がすごいわけでもない。でも引き込まれ、共感してしまうのは筆者の素朴なやさしさがにじみでているからだろう。 懐かしい風景。懐かしい宿。花やチョウの息吹に小さな感動を覚え、お接待に戸惑い... -
12小説・エッセー
才能を伸ばす4つの「アホ」力 <板野博行>
サンマーク出版 20090502 なんでもメチャクチャやってみろ。考える前に動け。それで失敗するならそれは糧になる。「とりあえずアホになっやる」ことを説く。 漫画家になるため高校を中退して新宿のラーメン屋で働いて8カ月で挫折する。もう一度高校1年... -
04民俗・食
大森哀愁浪漫 芋代官 井戸平左衛門 <小笠原秀昱>
20090502 日本中で餓死が相次いだ享保の大飢饉の前後、幕府の天領である石見国の銀山領に赴任した60歳の代官・井戸平左衛門は、役人の汚職を厳しく禁じ、地主などへの借金返済を5年間免除し、共同耕作によって上流と下流の争いを治めた。 いくら努力し... -
04民俗・食
「出雲」という思想–近代日本の抹殺された神々 <原武史>
講談社学術文庫 20090421 出雲の神であるオオクニヌシは、スサノオの系統を継ぎ、アマテラスを奉じる伊勢と対称的な存在だった。本居宣長をはじめとする国学のなかでも、出雲の位置づけをめぐって論争が交わされた。オオクニヌシの国ゆずりは、「伊勢」に... -
04民俗・食
今、出雲がおもしろい <藤岡大拙>
NPO法人出雲学研究所 20090414 出雲は古墳の規模は小さく、銅剣や銅鐸のような青銅器はほとんど出土しなかった。津田左右吉は、出雲神話は大和朝廷によって政治的に創作されたものと主張し、梅原猛も出雲の繁栄を否定し、大和朝廷にまつろわぬ勢力... -
01思想・人権・人間論
文学地図 大江と村上と20年 <加藤典洋>
朝日新聞出版 20090320 村上春樹が「ノルウェイの森」を書き、大江が村上の非政治性・社会に対する受動的姿勢を批判してから「大江か村上か」という構図が世間で明確になった。 筆者はしかし、大江と村上の類似性に焦点を当てる。 筆者によると... -
07地方自治・行政
ムラは問う<中国新聞取材班>
農文協 20090322 中国新聞の取材班の連載をまとめた。中国山地の山村を手始めに、輸出用作物を大量生産する中国や、自由貿易協定によって疲弊するタイの農村まで出かける。 山村の住民にとっては、「切り捨て」は農協支所の閉鎖にはじまり、市町村... -
07地方自治・行政
SS概論 <成崇 原田勝孝編著>
ハーベスト出版 20080313 1人あたりの公共事業が日本一多く、保守の牙城とされる島根県の姿を、政治家や経済、農業関係者らへのインタビューを通して明らかにしていく。大学院生による本だから、驚くような内容はないが、「1人当たりの公共投資... -
04民俗・食
実践の民俗学 現代日本の中山間地域問題と「農村伝承」 <山下裕作>
農文協 20080308 ワークショップやKJ法といった型どおりの手法で地域のニーズを把握し、成功事例を分析して抽象的なモデルをつくり、それをあらゆる地域にあてはめようという、現在の主流の官学アカデミズム(農学社系)を筆者は批判する。その問題... -
05環境・農業
自主独立農民という仕事 佐藤忠吉と「木次乳業」をめぐる人々 <森まゆみ >
ハジリコ 20080311 木次乳業をつくった木原忠吉さんの半生の記録。 木次は、たたら製鉄が戦前まで継続していた。エネルギー革命と繊維革命で、たたら製鉄はもちろん、副業だった炭焼きや和紙、養蚕がダメになる。和牛もすたれる。タバコもうまくい... -
06福祉・災害・住宅
中山間地の居住福祉 <早川和男・野口定久・吉田邦彦 編>
信山社 20090211 東アジア諸国の福祉社会開発と地域コミュニティ再生。欧米的文脈ではない福祉社会のありかたの模索。その流れがわかる。すでにここまで理論化されている。 ===============メモ・抜粋================= ▽4 福祉社会開発学 ... -
06福祉・災害・住宅
私の研究生活小史2008 <早川和男>
20090120 土地問題の研究から「住居は人権」という考え方が生まれ、「居住福祉資源」にまでたどりつく著者の歩みがつづられている。 「住居は人権」という位置づけができていないから、阪神大震災後、「私有財産の形成になるから住宅再建の補助はし... -
10経済
現代福祉と公共政策<小野秀生>
文理閣 20090118 自由主義が不況によって破綻することで、経済における政府の役割を重視するケインズ主義が生まれる。税金を投じることで景気対策をするというシステムが機能するには、大量生産・大量消費のシステムが不可欠だった。それが第二次大戦... -
文化人類学・構造主義
菊と刀 <ルース・ベネディクト>
現代教養文庫 20090109 米国人の人類学者が、敵である日本人の人生観を日本人の立場に立って見ようとしているから、外部からの興味本位の観察とちがって説得力がある。著者が来日したことがなかったとはとても思えない。構造主義的な観察眼の強みだろ... -
20映画・美術館など
いのちの作法 --沢内「生命行政」を継ぐ者たち <小池征人監督>
20080104 老人医療費をいちはやく無料化して有名になった旧沢内村の「今」を映したドキュメンタリー。よくある「福祉の町」の紹介映画なのかなあと、みる前は多少危惧していたが、戦後直後、後に村長になる深沢らがつくった「民俗誌」を冒頭に紹介して... -
04民俗・食
遍路と巡礼の社会学 <佐藤久光>
人文書院 20081224 四国遍路と西国、坂東、秩父の巡礼の歴史を紹介し、アンケートなどをつかって比較分析している。 アンケートの結果は社会学だけあって、あたりまえ、と言えば、あたりまえの結論がならんでいる。だからどうしたの? という理由... -
10経済
日本にできることは何か <森嶋通夫>
岩波書店 20081220 中国の大学での講演と講義の内容をまとめている。 ウェーバーによると、資本主義の源はプロテスタントであり、中国や日本の儒教はプロテスタントに近い合理的な宗教ではあるものの、上位者を尊敬する考え方が非合理的だったが故... -
05環境・農業
わら一本の革命 <福岡正信>
春秋社 200812 福岡正信氏は2008年8月に亡くなるまで、いかに手をかけず野菜や果物をつくるかを追求し、何十年も試行錯誤を繰り返した。その結果、不耕起直播の米麦連続栽培が生まれた。密柑山は、高木・ミカン・クローバー・野菜……が立体的に生育し... -
01思想・人権・人間論
哲学は人生の役に立つのか <木田元>
PHP新書 20081205 海軍兵学校で終戦をむかえ、闇屋をして暮らしたあと農林学校でまなぶ。なんのために生きているのか悩みつづけ、ドストエフスキーをへてハイデガーを読みたくて21歳で大学に入学した。 哲学者=「青白きインテリ」というイメージ... -
10経済
貧困の克服–アジア発展の鍵は何か <アルマティア・セン>
集英社新書 20081201 経済が発展すると、教育が発展し識字率もあがるという従来唱えられてきた順番ではなく、高い識字率こそが経済発展の基盤になるという。江戸時代から識字率がきわめて高かった日本などの例をあげ、アジアの経済発展の基盤だとみる... -
01思想・人権・人間論
ルイ・ボナパルトのブリュメール18日 <カール・マルクス>
平凡社ライブラリー 20081125 フランス革命からナポレオンへ移り、その後、王政が復活する。その王制を倒す革命によって共和制が返り咲き、普通選挙制が施行される。ところが、議会内の王制派やブルジョア会派は労働者階級を排除し、反発したプロレ... -
04民俗・食
先祖の話 <柳田國男>
ちくま文庫 柳田國男全集13 終戦直前の昭和20年春に書かれた。無数の若者が死んでいくなか、古代からの日本人が死者をどう弔ってきたのか、どう弔えばいいのか、先祖と死者と「私」のかかわり方をつづる。 大晦日から正月にかけては、実は先祖の... -
04民俗・食
旅の民俗学 <宮本常一ほか>
河出書房新社 20081021 旅を巡る対談集。歴史という縦軸と空間という横軸を縦横につかって、風景の意味や変遷を読み解いていく。アクロバティックでわくわくさせられると同時に、高度経済成長を経て日本人が失ってしまったものの大きさに愕然とさせら...