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珠洲原発・阻止へのあゆみ <北野進>
■珠洲原発・阻止へのあゆみ <北野進> 七つ森書館 20110517 奥能登に突如原発計画がふってわき、電力会社と行政が事前調査を強行しようとする。労組などの革新勢力が反対の声をあげ、地元住民が共有地運動をはじめ、漁民が立ち上がり、それをネ... -
民話に魅せられて ある田舎教師の歩み <酒井菫美>
■民話に魅せられて ある田舎教師の歩み <酒井菫美> 立花書院 20110323 わらべ歌や民話などの口承文芸の研究を続けた元教師が半生をまとめた本。 筆者は島根大卒業後に中学校に就職し、地域の素材を授業に生かすため、わらべ歌や昔話の収集を... -
暴走育児<石川結貴>
■暴走育児<石川結貴> ちくま新書 201104 今の子どもと親の驚きの事例の数々。 なにかが壊れている。 核家族化からさらに進み、ネットワークない孤立した親子となり……。 他者がいない子育て環境、自然が周囲にない環境……が子どもと親を徹底... -
「村山談話」とは何か <村山富市、佐高信>
■「村山談話」とは何か <村山富市、佐高信> 角川oneテーマ 201009 震災のころ、村山政権は情けないなあ、と感じた記憶がある。それでもその後の政権と比べると、戦後問題にしても水俣病問題にしても、不十分で不満はあるとはいえ、一定の仕事を... -
一期は夢よ <黒澤脩>
■一期は夢よ <黒澤脩> 201012 静岡市役所に勤め、徳川家康や今川義元、民俗文化などを研究してきた著者の半生の記録。 榛原町の村の寺で住職の息子として育った。子どもころの遊びの話が克明に記される。 権威をふりかざす先生に傷つく。貧し... -
環境リスク学 不安の海の羅針盤 <中西準子>
■環境リスク学 不安の海の羅針盤 <中西準子>日本評論社 20110425 下水道で工場排水を処理するのが当たり前といわれていた時代に、浄化効果がないことを実証してやめさせた。大規模な流域下水道が効率的とされていた時代に、配管が長くなるから... -
天皇陛下萬歳 爆弾三勇士序説 <上野英信>
■天皇陛下萬歳 爆弾三勇士序説 <上野英信> ちくま文庫 20110418 「爆弾三勇士」という名前は聞いたことがあるが、私の世代にとっては、ちょっと読みにくかった。「三勇士」騒ぎを実感としてわかる世代の人ならば体で理解し、彼らのたどった悲... -
マスコミかジャーナリズムか <本多勝一>
■マスコミかジャーナリズムか <本多勝一> 朝日文庫 20110326 2月の福祉社会学の研究会で刑務所に勤める若者が「理論に飢えてるんです」と言った。タテマエとしての理論は、実はメディアの世界でこそ大事なのではないか、と、その時に思った。... -
中村好文 普通の住宅、普通の別荘 <中村好文>
■中村好文 普通の住宅、普通の別荘 <中村好文> TOTO出版 20110327 建築家というと、とんがった作品のイメージがあるけど、この人がつくる家は「当たり前」なものが多い。実際に住むならこんな家かな、という家だ。豪華絢爛な屋敷ではなく... -
天国と地獄地球8万キロ自転車の旅 <森逸広>
■天国と地獄地球8万キロ自転車の旅 <森逸広> 20110304 中米で知りあった森さんが本を出していたとは知らなかった。3年間にわたる世界1週の旅の記録だ。 中国にわたり、チベットからネパールに抜ける旅路は、僕もほぼ同じ時期にバスとヒッチ... -
TPP反対の大義 <農文協編>
■TPP反対の大義 <農文協編> 農文協ブックレット 20110226 さまざまな視点からTPP反対論を展開する。農協の反対運動はタテマエ臭さが抜けないが、哲学や経済学など、深みのある論もあって勉強になる。 宇沢弘文は、「社会的共通資本」で... -
1時間でよくわかる TPPを考える <石田信隆>
■1時間でよくわかる TPPを考える <石田信隆> 家の光協会 20110226 WTOやFTAと比べても、TPPは無条件の関税撤廃をかかげ、関税以外の投資なども自由化しなければならない。「徹底した自由化」である。FTAやらEPA、WTOの... -
季刊東北学 第4号 宮本常一、映像と民俗のはざまに
■季刊東北学 第4号 宮本常一、映像と民俗のはざまに 201002 □座談会宮本常一が遺したもの ▽7 関野「石毛さんに相談したら石毛さんは、その土地の人が何を作り何を食べているかというのはいい、自分の食べたものを漏らさず記録したら、と言われた」 ▽10... -
200万都市が有機野菜で自給できるわけ 都市農業大国キューバ・リポート <吉田太郎>
■200万都市が有機野菜で自給できるわけ 都市農業大国キューバ・リポート <吉田太郎> 築地書館 〓〓〓 日本では都市農地は年々減っているが、世界では都市農業の位置づけは正反対だ。 90年代、キューバはソ連崩壊によって未曾有の経済崩壊と... -
稲葉峯雄の遺したもの<稲葉峯雄>
■稲葉峯雄の遺したもの<稲葉峯雄>創風社出版 20110203 何度も顔を突き合わせ、似た話は何度も聞いていたはずなのに、改めて筆者の選び取る言葉の重みに圧倒される。なぜこれだけの言葉を紡ぎ出すことができるのか。 本を読んで重みのある言葉に... -
分類の発想 <中尾佐助>
■分類の発想 <中尾佐助> 朝日選書 201101 植物は、特定の品種としか受粉しない、ということは受粉できる相手とできない相手を「分類」している--。自然界の動植物の「分類」から説き起こす。きっちり分類する(受粉は同じ種だけの)植物もあれ... -
女性兵士 <加藤健二郎>
■女性兵士 <加藤健二郎> 講談社文庫 20110105 1日に3%の死傷者が戦意喪失ラインだとか、なるほど。軍事の「常識」が、戦争の現場では意外なところで役立つのだ。 日本の自衛隊基地にいる米軍組織を取材し、イボンヌという女性情報将校につ... -
500年後のコロンブス <エドウィー・プレネル、飛幡祐規訳>
■500年後のコロンブス <エドウィー・プレネル、飛幡祐規訳> 晶文社 2011/01/19 コロンブスの米大陸「発見」500年にあたる1992年に、ルモンド記者がコロンブスの4回にわたる航海の軌跡をたどったルポ。 イタリアに生まれ、ユダヤ人... -
知的生産の技術<梅棹忠夫>
■知的生産の技術 <梅棹忠夫> 岩波新書 20110102 25年ぶりの再読。以前ラインを引いたところとまったくちがうところに心を動かされる。それだけ成長したのかな。それとも感性の退化か。 25年前の書きこみのなかんは、はずかしくなるような内... -
手仕事の日本 <柳宗悦>
■手仕事の日本<柳宗悦>岩波文庫 20101231 戦時下の日本を歩いて「手仕事」を取材し、戦争末期である昭和18年に原稿を完成させた。だが検閲で、「日本は朝鮮のような半島ではなく島国である」という記述は「朝鮮のような」を抹殺され、岐阜提灯... -
風の歌 <アタウアルパ・ユパンキ ソンコ・マージュ訳>
■風の歌 <アタウアルパ・ユパンキ ソンコ・マージュ訳> 現代ギター社 20101230 ユパンキは、牧童(ガウチョ)の駆けるパンパ(草原)の村に生まれる。風のように自由にパンパを駆けるガウチョの気質をこよなく愛した。 印刷工を経て21歳で... -
私のなかの朝鮮人 <本田靖春>
■私のなかの朝鮮人<本田靖春> 文春文庫 20101127 朝鮮半島で生まれ、終戦で帰国した。肉体労働は朝鮮人がするのが当たり前だったから、山口県に上陸したとき日本人が車夫や人足をしているのを見て衝撃を受けたという。 そんな筆者にとって、在... -
梅棹忠夫語る<聞き手=小山修三>
■梅棹忠夫語る<聞き手=小山修三>日経プレミアシリーズ 20101114 自分で見たもの以外は信用しない。ひょうひょうとした語り口。 ▽24 ドイツ系アメリカ人が「日本はヨーロッパと同じです」と言い、びっくりした。インドが東洋なら日本は東洋じ... -
梅棹忠夫に挑む<石毛直道 小山修三編>
■梅棹忠夫に挑む<石毛直道 小山修三編> 中央公論社 20101120 ▽11 文明の生態史観 西欧と日本(第一地域)は、遷移(サクセション)が順序よく進行した地域で、歴史は主として共同体内部からの力による展開。オートジェニック(自成的)なサク... -
親米と反米 戦後日本の政治的無意識<吉見俊哉>
■親米と反米 戦後日本の政治的無意識<吉見俊哉> 岩波新書 20101119 ▽17 ジョン・ダワー「敗北を抱きしめて」は、戦時期までの天皇制と占領期の米軍支配の連続性を浮かび上がらせた。天皇の戦争責任回避が日米合作で、占領軍と日本の支配層の... -
ポスト戦後社会 <吉見俊哉>
■ポスト戦後社会 <吉見俊哉> 岩波新書 20101103 「戦後」と「ポスト戦後」への転換は、社会主義やアメリカ流の物質的豊かさといった「理想」「夢」の時代から、「虚構」の時代への転換に対応している。前者の象徴が東京タワーであり永山則夫の... -
私たちのオモニ <本田靖春>
■私たちのオモニ <本田靖春> 新潮社 1992年以来の再読。 朝鮮半島生まれの日本人である著者は「日系朝鮮人」と自称し、「私のなかの朝鮮人」を書いた。そのときに助言をもとめた金宙泰さん一家を描く。 金さんはまじめ一徹で、儒教の道... -
新聞記者の詩 <本田靖春>
■新聞記者の詩<本田靖春>潮文庫 20100930 大新聞はマンモスだ。大きくなりすぎてあちこちに配慮する結果、無難な記事しかなくなり、読者からどんどん離れる。マンモスが滅亡したように、大新聞は滅亡するしかないのではないか、と著者は考える。... -
評伝今西錦司 <本田靖春>
■評伝今西錦司 <本田靖春> 講談社文庫 20101003 今西の最晩年に京都で同じ空気を吸っていた。講演会の立て看も見たことがあるような気がする。懐かしい空気のその源流を解き明かされたようだ。本田氏が病気だったこともあり、「不当逮捕」や「... -
本田靖春 戦後を追い続けたジャーナリスト
■本田靖春 戦後を追い続けたジャーナリスト 河出書房 20100924 佐野眞一や魚住昭、五木寛之、黒田清らのジャーナリストや作家らが本田氏を振り返る。また、生前の対談や遺稿などをまとめている。 ノンフィクションライターという分野をつくった先駆...