01思想・人権・人間論– category –
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レヴィ=ストロース講義<C.レヴィ=ストロース、川田順造、渡辺公三訳>
■レヴィ=ストロース講義<C.レヴィ=ストロース、川田順造、渡辺公三訳>平凡社ライブラリー 20110901 ルネサンス時代の人々が古代ギリシャ・ローマ世界を再発見し、イエズス会の人々がラテン語を教育の基礎に置き、本居宣長が中国と比べることで日... -
(作業中)トクビル 現代へのまなざし<富永茂樹>
■トクビル 現代へのまなざし<富永茂樹> 岩波新書 20110827 デモクラシーの反対はアリストクラシー ▽17 フランス革命が帝政へとつながり、デモクラシーから専制が生まれる−−プロセスの考察をトクヴィルは目指した。 そのため、革命によって破壊さ... -
先生とわたし<四方田犬彦>
■先生とわたし<四方田犬彦> 新潮文庫 20110811 英文学者・由良君美の弟子である四方田が師との悲劇をつづる。 冒頭の由良が亡くなる場面、もう何年も顔を合わせていなかった、という導入がサスペンスの謎かけのようで引き込まれる。 パイプをくゆ... -
希望のつくり方<玄田有史>
■希望のつくり方<玄田有史>岩波新書 20110719 「がんばろう日本」というスローガンに違和感を覚える。被災して必死になっている人たちに「がんばれ」なんて言えるのだろうか。 そう考えていたら、冒頭から「がんばる」を取り上げていた。「やり続け... -
魯迅 東アジアを生きる文学 <藤井省三>
■魯迅 東アジアを生きる文学 <藤井省三> 岩波新書 20110611 竹内好が描いた苦悶しつづける魯迅ではない、人間的な魯迅の姿が紹介されているのがおもしろい。許広平と不倫して金に困ると往復書簡を出版する、といったエピソードなど、自分をもネ... -
稲葉峯雄の遺したもの<稲葉峯雄>
■稲葉峯雄の遺したもの<稲葉峯雄>創風社出版 20110203 何度も顔を突き合わせ、似た話は何度も聞いていたはずなのに、改めて筆者の選び取る言葉の重みに圧倒される。なぜこれだけの言葉を紡ぎ出すことができるのか。 本を読んで重みのある言葉に... -
分類の発想 <中尾佐助>
■分類の発想 <中尾佐助> 朝日選書 201101 植物は、特定の品種としか受粉しない、ということは受粉できる相手とできない相手を「分類」している--。自然界の動植物の「分類」から説き起こす。きっちり分類する(受粉は同じ種だけの)植物もあれ... -
知的生産の技術<梅棹忠夫>
■知的生産の技術 <梅棹忠夫> 岩波新書 20110102 25年ぶりの再読。以前ラインを引いたところとまったくちがうところに心を動かされる。それだけ成長したのかな。それとも感性の退化か。 25年前の書きこみのなかんは、はずかしくなるような内... -
梅棹忠夫語る<聞き手=小山修三>
■梅棹忠夫語る<聞き手=小山修三>日経プレミアシリーズ 20101114 自分で見たもの以外は信用しない。ひょうひょうとした語り口。 ▽24 ドイツ系アメリカ人が「日本はヨーロッパと同じです」と言い、びっくりした。インドが東洋なら日本は東洋じ... -
梅棹忠夫に挑む<石毛直道 小山修三編>
■梅棹忠夫に挑む<石毛直道 小山修三編> 中央公論社 20101120 ▽11 文明の生態史観 西欧と日本(第一地域)は、遷移(サクセション)が順序よく進行した地域で、歴史は主として共同体内部からの力による展開。オートジェニック(自成的)なサク... -
私たちのオモニ <本田靖春>
■私たちのオモニ <本田靖春> 新潮社 1992年以来の再読。 朝鮮半島生まれの日本人である著者は「日系朝鮮人」と自称し、「私のなかの朝鮮人」を書いた。そのときに助言をもとめた金宙泰さん一家を描く。 金さんはまじめ一徹で、儒教の道... -
評伝今西錦司 <本田靖春>
■評伝今西錦司 <本田靖春> 講談社文庫 20101003 今西の最晩年に京都で同じ空気を吸っていた。講演会の立て看も見たことがあるような気がする。懐かしい空気のその源流を解き明かされたようだ。本田氏が病気だったこともあり、「不当逮捕」や「... -
人は愛するに足り、真心は信ずるに足る アフガンとの約束 <中村哲、澤地久枝>
■人は愛するに足り、真心は信ずるに足る アフガンとの約束 <中村哲、澤地久枝> 岩波書店 20100909 医師としてアフガン国境に出かけ、医療だけでは人を救うことにならないと気づいて井戸を掘り、用水路を建設する。水路ができると、砂漠が緑の... -
街場のメディア論 <内田樹>
■街場のメディア論 <内田樹> 光文社新書 20100907 メディアはなぜ危機なのか。ネットや電子端末といった「外」の要因ではなく、メディア内部にこそが原因があるという。 メディアは「世論」を語るものという信憑と、メディアはビジネスだとい... -
大いなる人生 <高田宏>
■大いなる人生 <高田宏> 芸術新聞社 20100903 15人の伝記・自伝を通して「大いなる人生」を論じる。 伊能忠敬は49歳まで実業家としてすごし、いわば引退後に歴史に残る業績を残した。それを知るだけでもオヤジは勇気づけられる。ただ、そ... -
君たちはどう生きるか <吉野源三郎>
■君たちはどう生きるか <吉野源三郎> 岩波文庫 201008 小学校時代と大学時代につづいて読むのは3度目。大学時代に読んだときは、一度目ほど感動しなかった。いまもう一度読んでみると、大学時代にマークした部分につい赤線を引いてしまう。も... -
真昼の暗黒<アーサー・ケストラー>
■真昼の暗黒<アーサー・ケストラー> 岩波文庫 20100813 スターリンによって処刑されたプハーリンの裁判をモデルに書かれたとされ、オーウェルが「1984年」を執筆する際に参考にした小説だ。 人々を幸せにするはずの社会主義がなぜすさまじ... -
第二芸術<桑原武夫>
■第二芸術<桑原武夫>講談社学術文庫 20100801 「第二芸術論」は戦後直後に発表された。 有名な俳人の俳句と素人の俳句をごちゃまぜに15句ならべて「さて、どれがプロの俳人のものでしょうか」と尋ねたら、よっぽどのインテリでも正解できない。「... -
出雲からのメッセージ 高齢社会への挑戦<山根 塩飽>
■出雲からのメッセージ 高齢社会への挑戦<山根 塩飽> 201007 □ことぶき園 と エスポワール ▽11 ▽25 エスポワール出雲クリニック 石橋典子 高橋幸男 ▽30 「小山のおうち」 お年寄りの心に向き合うほど、痴呆というベールで覆われていたお... -
ちいさな理想<鶴見俊輔>
■ちいさな理想<鶴見俊輔>SURE 20100708 ▽17 京都のピースウォーク ベトナム戦争反対のデモ行進とはちがう性格。かつての戦争反対デモは、軍隊の行進の形から手が切れていない。 敗戦当夜、食事をする気力もなくなった男は多くいた。しか... -
菜園家族宣言 〈小貫雅男 伊藤恵子〉
■菜園家族宣言 〈小貫雅男 伊藤恵子〉 家族はいわば細胞である。外から血液で栄養が運ばれ、細胞質内では生産活動も繰り広げられる。 ところが今、家庭のなかから生産の要素が消え、消費だけになってしまった。細胞質がひからびて細胞壁と核しかなく... -
日本の行く道 <橋本治>
■日本の行く道 <橋本治> 集英社新書 20100630 ▽今の日本はおかしい、と、老人だけでなく、一線の人が考えるようになった。「疎外感」それは格差の表れ。 ▽43 昔のいじめっ子と今のいじめ。昔のいじめっ子は、孤立した存在で、家庭環境などの... -
明治・大正・昭和政界秘史 古風庵回顧録 <若槻礼次郎>
■明治・大正・昭和政界秘史 古風庵回顧録 <若槻礼次郎> 20100627 柔軟で優秀だった明治のリーダーたち。外国に学び、なんとか新しい日本をつくろうとした。民法や税制度整備、財政基盤を確立するための地租改正……、若いリーダーたちが捨て身で... -
打たれ強く生きる <城山三郎>
■打たれ強く生きる <城山三郎> 新潮文庫 20100416 城山が描く政財界の人物は、左遷されたり、不遇をかこったりした人が多い。エリート一直線でまっすぐに出世しました、という人は出てこない。不遇な時期にどうやってすごすかによってその後の... -
オーウェル評論集3 鯨の腹のなかで <ジョージ=オーウェル>
■オーウェル評論集3 鯨の腹のなかで <ジョージ=オーウェル> 平凡社ライブラリー 20100421 書評集。知らない作家、知っていても2,3作品しか読んでいない作家ばかりで、最初はとっつきにくい。が、ところどころにオーウェルらしい評価が垣... -
ひと粒の命 加藤歓一郎の遺言〈加藤歓一郎遺徳顕彰会〉
■ひと粒の命 加藤歓一郎の遺言 〈加藤歓一郎遺徳顕彰会〉山陰中央新報 20100417 -
米原万里を語る <井上ユリ、小森陽一、井上ひさし、吉岡忍、金平茂紀>
■米原万里を語る <井上ユリ、小森陽一、井上ひさし、吉岡忍、金平茂紀> かもがわ出版 20100412 妹の井上ユリは井上ひさしの奥さんで、小森陽一はチェコのソビエト学校以来の弟分で、吉岡忍は兄貴分で、金平茂紀は弟分。義理も他人も含めた兄弟... -
無所属の時間で生きる<城山三郎>
■無所属の時間で生きる<城山三郎>新潮文庫 20100411 そろそろ無所属の時間を考えなければいけない。定年になる前に「無所属」になりたい。できたら1,2年うちに。そう思いながら現実的に考えると不安も大きい。所属がないことに不安を覚えるよ... -
魂の点火者 奥出雲の加藤歓一郎先生 <福原宣明>
■魂の点火者 奥出雲の加藤歓一郎先生 <福原宣明> 加藤歓一郎は島根県東部の山村出身だ。当時の出雲は、全国でも小作料が高く、貧富の差がきわめて激しい地方だった。加藤も家庭環境には恵まれずに育ち、松江市の師範学校に進学する。札付きの悪だ... -
魔女の1ダース-正義と常識に冷や水を浴びせる13章 <米原万里>
■魔女の1ダース-正義と常識に冷や水を浴びせる13章 <米原万里> 愛を説くキリスト教が魔女裁判などで10万人を殺戮した。ナチスにとっての「ユダヤ人」、大日本帝国にとっての「非国民」、ソ連の「トロツキスト」、中国の「反革命分子」、...