04民俗・食– category –
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04民俗・食
地元学からの出発<結城登美雄>
■地元学からの出発<結城登美雄>農文協 20111216 筆者は東北を中心に「地元学」による地域おこしに取り組んでいる。 成功事例をモデル化し、それを模倣する形の「町おこし」は、自分たちの町は遅れているという決めつけから始まり、それを是正する「活性... -
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バッド・ドリーム 色恋村選挙戦狂騒曲<落合誓子>
■バッド・ドリーム 村長候補はイヌ? 色恋村選挙戦狂騒曲<落合誓子>自然食通信社 20111114 能登半島の珠洲原発計画への反対運動を担ってきたルポライターの筆者が、実際に体験した選挙戦のエピソードをもとにつくった小説。 小さな村に巨大産... -
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寺社勢力の中世--無縁・有縁・移民<伊藤正敏>
■寺社勢力の中世--無縁・有縁・移民<伊藤正敏>ちくま新書 20111003 中世は王権の力が弱まり、全体社会のなかで国家が占める割合が最も小さな時代だった。寺社勢力が力をもち、義経らの「犯罪者」をかくまう無縁所(アジール)となった。先端文明と... -
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海から見た日本史像 <網野善彦>
■海から見た日本史像 <網野善彦> 河合ブックレット 20110910 「島国根性」なんて言葉は時の権力がつくったウソだという。海は周囲と隔絶する堀ではなく、周囲をつなぐ交通路だった。日本の列島の人々は、縄文時代から海を駆け回り、1600年ご... -
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海女の島 舳倉島
■海女の島 舳倉島 <F・マライーニ著 牧野文子訳> 未来社 201107 1964年出版。海女は昭和30年代後半までふんどし姿で海にもぐっていた。そんな写真が次々に出てくる。 高度経済成長以前の日本人は裸に寛容だった。ステテコと腹巻き1... -
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石川の女性史 戦後編<石川県各種女性団体連絡協議会編>
■石川の女性史 戦後編<石川県各種女性団体連絡協議会編=h12>20110707 石川県の戦後の女性の歴史をつづっている。 周回遅れのトップランナーとして能登の価値が見直されつつあるが、「女」の視点から見ると、過酷な状況だった。「能登はやさしや土ま... -
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村の若者たち <宮本常一>
■村の若者たち <宮本常一> 家の光協会 20110613 農漁村の若者の明治以来の生活史をたどる。 農村人口を吸収する産業が発展するまでは次男三男の「処分」が大きな課題であった。貧しい山村では、戦前は子どもを売るのが当たり前であり、酌婦や女郎... -
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なぜ、日本はジャパンと呼ばれたか <中室勝郎>
■なぜ、日本はジャパンと呼ばれたか <中室勝郎> 六耀社 縄文時代、土器をつかうようになることで食物を貯蔵し、木の実などに火を通すことができるようになる。飢えのない平等の文化だった。縄文人は、恵みをもたらす自然と自分の間に境界線を設け... -
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漆の里・輪島 <中室勝郎>
■漆の里・輪島 <中室勝郎> 平凡社 20110527 浄土真宗と、田の神などの在来の神々と、それらにかかわる祭りや神事が今も息づく能登の風土を、塗師屋である著者が紹介する。キリコ祭りをはじめとする祭礼が年中催される能登は日本のバリなのだ。 ... -
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漆の文化史<四柳嘉章>
■漆の文化史<四柳嘉章>岩波新書 20110526 漆器の起源は縄文時代までさかのぼること、安価な製品がつくられることで椀を手にもって食事するという日本人の食習慣をも形成したことなど、興味深い事実が紹介されている。 遺跡から出土した漆器を科学... -
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民話に魅せられて ある田舎教師の歩み <酒井菫美>
■民話に魅せられて ある田舎教師の歩み <酒井菫美> 立花書院 20110323 わらべ歌や民話などの口承文芸の研究を続けた元教師が半生をまとめた本。 筆者は島根大卒業後に中学校に就職し、地域の素材を授業に生かすため、わらべ歌や昔話の収集を... -
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一期は夢よ <黒澤脩>
■一期は夢よ <黒澤脩> 201012 静岡市役所に勤め、徳川家康や今川義元、民俗文化などを研究してきた著者の半生の記録。 榛原町の村の寺で住職の息子として育った。子どもころの遊びの話が克明に記される。 権威をふりかざす先生に傷つく。貧し... -
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季刊東北学 第4号 宮本常一、映像と民俗のはざまに
■季刊東北学 第4号 宮本常一、映像と民俗のはざまに 201002 □座談会宮本常一が遺したもの ▽7 関野「石毛さんに相談したら石毛さんは、その土地の人が何を作り何を食べているかというのはいい、自分の食べたものを漏らさず記録したら、と言われた」 ▽10... -
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手仕事の日本 <柳宗悦>
■手仕事の日本<柳宗悦>岩波文庫 20101231 戦時下の日本を歩いて「手仕事」を取材し、戦争末期である昭和18年に原稿を完成させた。だが検閲で、「日本は朝鮮のような半島ではなく島国である」という記述は「朝鮮のような」を抹殺され、岐阜提灯... -
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梅棹忠夫に挑む<石毛直道 小山修三編>
■梅棹忠夫に挑む<石毛直道 小山修三編> 中央公論社 20101120 ▽11 文明の生態史観 西欧と日本(第一地域)は、遷移(サクセション)が順序よく進行した地域で、歴史は主として共同体内部からの力による展開。オートジェニック(自成的)なサク... -
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新編日本の面影 <ラフカディオ・ハーン 池田雅之訳>
■新編日本の面影 <ラフカディオ・ハーン 池田雅之訳> 角川ソフィア文庫 20100606 穏やかな笑顔でいつもほほえみを浮かべている日本人。息子が死んだことを報告するときも、怒鳴られたときも笑顔を浮かべる日本人は、多くのイギリス人にとって... -
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土と人間への手紙 <稲葉峯雄>
■土と人間への手紙 <稲葉峯雄> 家の光協会 201001 冒頭の「おっかあよ今もんたぞ」という詩は、想い出のなかにある「おっかあ」の姿を細やかに、愛情と哀しさを込めて描く。この本に載っている農協生活指導員への100通の手紙は、愛媛の... -
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出雲神話の誕生 <鳥越憲三郎>
講談社学術文庫 2010/01/20 大和の中央集権の物語をつくるために古事記の3分の1を出雲神話が占めることになったが、古墳の規模の小ささを見ても、吉備にもはるかに及ばぬ弱小国にすぎなかった--という立場に立っている。後に荒神谷遺跡が発見され... -
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武士道 <新渡戸稲造、矢内原忠雄訳>
岩波文庫 20091217 戦争中、この本が軍人たちの心の支えになったと聞いた。右翼的な本だと思って読んでいなかったが、よくよく見たら著者はキリスト者として有名な新渡戸稲造だ。新渡戸は平和主義であるクエーカー教徒だ。右翼思想とは正反対に位置す... -
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庶民の発見〈宮本常一〉
講談社学術文庫 20090907 ▽13 昭和19年、民俗採集の旅行ができなくなったので、奈良県の田舎の中学につとめることに。生徒たちが敗戦の日に失望しないように、戦争の状況についてよくはなし、戦場における陰惨な姿について毎時間はなしてきかせた... -
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バーナードリーチ日本絵日記 <バーナード・リーチ>
講談社学術文庫 20090517 昭和9年以来19年ぶりに昭和28年2月に来日する。29年の11月末に帰国するまでの1年10カ月の日記などをまとめた。(67歳)だった。 〓年の記録。柳宗悦 濱田〓 河井寛次郎 武者小路実篤らのスケッチ 志... -
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隠岐共和国ふたたび 「隠岐学セミナー」での出会い <牧尾実>
論創社 20090502 隠岐の島で隠岐堂書店という本屋を営む人が書いた。 幕末に郡代を追い出して80日間だけできた「コミューン」の歴史を再検証し、単なる恥ずかしい一揆だと思っていたものが実は歴史上先進的な取り組みだったことを知る。 歴史をちがう角... -
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四国八十八カ所 <石川文洋>
岩波新書 20080502 とくに文章がうまいわけではない。写真がすごいわけでもない。でも引き込まれ、共感してしまうのは筆者の素朴なやさしさがにじみでているからだろう。 懐かしい風景。懐かしい宿。花やチョウの息吹に小さな感動を覚え、お接待に戸惑い... -
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大森哀愁浪漫 芋代官 井戸平左衛門 <小笠原秀昱>
20090502 日本中で餓死が相次いだ享保の大飢饉の前後、幕府の天領である石見国の銀山領に赴任した60歳の代官・井戸平左衛門は、役人の汚職を厳しく禁じ、地主などへの借金返済を5年間免除し、共同耕作によって上流と下流の争いを治めた。 いくら努力し... -
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「出雲」という思想–近代日本の抹殺された神々 <原武史>
講談社学術文庫 20090421 出雲の神であるオオクニヌシは、スサノオの系統を継ぎ、アマテラスを奉じる伊勢と対称的な存在だった。本居宣長をはじめとする国学のなかでも、出雲の位置づけをめぐって論争が交わされた。オオクニヌシの国ゆずりは、「伊勢」に... -
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今、出雲がおもしろい <藤岡大拙>
NPO法人出雲学研究所 20090414 出雲は古墳の規模は小さく、銅剣や銅鐸のような青銅器はほとんど出土しなかった。津田左右吉は、出雲神話は大和朝廷によって政治的に創作されたものと主張し、梅原猛も出雲の繁栄を否定し、大和朝廷にまつろわぬ勢力... -
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実践の民俗学 現代日本の中山間地域問題と「農村伝承」 <山下裕作>
農文協 20080308 ワークショップやKJ法といった型どおりの手法で地域のニーズを把握し、成功事例を分析して抽象的なモデルをつくり、それをあらゆる地域にあてはめようという、現在の主流の官学アカデミズム(農学社系)を筆者は批判する。その問題... -
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遍路と巡礼の社会学 <佐藤久光>
人文書院 20081224 四国遍路と西国、坂東、秩父の巡礼の歴史を紹介し、アンケートなどをつかって比較分析している。 アンケートの結果は社会学だけあって、あたりまえ、と言えば、あたりまえの結論がならんでいる。だからどうしたの? という理由... -
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先祖の話 <柳田國男>
ちくま文庫 柳田國男全集13 終戦直前の昭和20年春に書かれた。無数の若者が死んでいくなか、古代からの日本人が死者をどう弔ってきたのか、どう弔えばいいのか、先祖と死者と「私」のかかわり方をつづる。 大晦日から正月にかけては、実は先祖の... -
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旅の民俗学 <宮本常一ほか>
河出書房新社 20081021 旅を巡る対談集。歴史という縦軸と空間という横軸を縦横につかって、風景の意味や変遷を読み解いていく。アクロバティックでわくわくさせられると同時に、高度経済成長を経て日本人が失ってしまったものの大きさに愕然とさせら...