05環境・農業– category –
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剱岳 点の記<新田次郎>
■文春文庫 20191128 学生時代に読んで、最近映画を見たものだから再読した。 富山に住んで立山は何度も登ったから、小説に出てくる場所の描写が手に取るようによくわかる。柴崎測量官が歩いた、ザラ峠、鷲岳、鳶山、越中沢岳、出原山、丸山などは何度... -
新・幸福論 近現代の次に来るもの<内山節>
■新・幸福論 近現代の次に来るもの<内山節>新潮選書 20180620 政治も経済も社会も「私」から縁遠くなり、経済発展の先にあったはずの豊かさや幸せも、科学の発展が未来を拓くという期待感も失われた。確かだと思っていたものがどんどん離れていく。... -
せいめいのはなし<福岡伸一>
■せいめいのはなし<福岡伸一>新潮文庫 20180606 4人との対談集。それを構成する要素が、絶え間なく消長、交換、変化しているのにもかかわらず、全体として恒常性が保たれているシステムを意味する「動的平衡」の考え方で、文学や美術、文化人類学など... -
福岡伸一、西田哲学を読む 生命をめぐる思索の旅 <池田善昭、福岡伸一>
■福岡伸一、西田哲学を読む 生命をめぐる思索の旅 <池田善昭、福岡伸一> 20171004 ピュシス(自然=本来の実在)は常に隠されている存在であり、矛盾や相反するものが往々にしてひとつになっている。一方ロゴスの立場は、自然は人間の理性によって... -
人生フルーツ
戦後の復興期、公団で各地の団地造成にかかわり、愛知県の高蔵寺ニュータウンのデザインもつくった津端修一さんと妻の英子さんの晩年を撮影したドキュメンタリー。 雑木林の豊かなニュータウンをめざした津端さんだったが、高蔵寺ニュータウンは、経済... -
シーカヤック教書<内田正洋>
■シーカヤック教書<内田正洋>海文堂 20161210 シーカヤックが日本に上陸したのは1987年。主なメーカーはワシントン州のシアトル周辺に集中していた。そのころからかかわってきた筆者は日本のシーカヤックの先駆者だ。 大きな視点でシーカヤックのもつ意... -
南方熊楠 森羅万象に挑んだ巨人<中瀬喜陽>
■南方熊楠 森羅万象に挑んだ巨人<中瀬喜陽> 別冊太陽 2016105 ▽8 荒俣宏 1990年代からの熊楠再評価の機運。熊楠の草稿類を解読しつづける松居竜五さんたちの活動、「ミニ熊楠」とも呼ばれた故・後藤伸さんたちによる神島生態系調査の継続などは、... -
作業中)風と波を知る101のコツ 海辺の気象学入門<森朗>
■風と波を知る101のコツ 海辺の気象学入門<森朗>枻出版 20161214 北半球の高気圧は時計回りに風が吹き出し、低気圧は半時計回りに風が吹き込む。コリオリの力があるからまっすぐに風は吹かない。向かってくる台風の左側に逃げると風が強く、右側に... -
菜園家族の思想 よみがえる小国主義日本<小貫雅男・伊藤恵子>
■菜園家族の思想 よみがえる小国主義日本<小貫雅男・伊藤恵子> かもがわ出版20161118 高度成長からわずか半世紀で、多くの人々が大地から切り離され、家庭から生産や創造が失われ、都市部の家族は消費だけの存在になってしまった。それはいわば、細胞... -
天神崎を守った人たち<河村宏男>
■天神崎を守った人たち<河村宏男>朝日新聞社 20161025 朝日新聞の記者が、天神崎にかかわった人々を丹念に取材し、日本のナショナルトラストの先駆的運動がどんな経緯をたどってきたのかを紹介している。それまでの自然保護運動とちがうのは、土地を買... -
カヌー式生活<野田知佑>
■カヌー式生活<野田知佑>文藝春秋 20160923 久々にカヌーに乗るようになって、アユ釣りの人との確執やらの話を聞いて、野田さんはどんな思いでカヌーに乗りつづけてきたんだろう、と考えた。以前何冊か読んでいたが、10年以上ぶりに手に取った。 若いこ... -
家族農業が世界の未来を拓く<国連世界食糧保障委員会専門家ハイレベル・パネル>
■家族農業が世界の未来を拓く<国連世界食糧保障委員会専門家ハイレベル・パネル> 農文協 20160618 かつて農業の規模拡大がすべてかのように論じられた。世界では緑の革命による増産がすすみ、国内では「海外の大規模経営に負けるな」と大規模化がめ... -
文明は農業で動く 歴史を変える古代農法の謎<吉田太郎>
■文明は農業で動く 歴史を変える古代農法の謎<吉田太郎>築地書館 近代農法は石油に依存している。石油を使わず、100年前の技術水準で養える人口を計算すると、現在の35%の人口にすぎないという。江戸時代の日本はほとんどが農民だったが、3000万人... -
原発からの命の守り方<守田敏也>
■原発からの命の守り方<守田敏也>海象社 20160318 安全性の保証もなく、避難態勢のチェックもないまま再稼働の動きが進んでいる。 そういう実態を解き明かしたうえで、原発事故や天災が起きたときの身の守り方を説いている。原発だけでなく津波災害... -
熊楠の森−−神島<後藤伸、玉井済夫、中瀬喜陽>
■熊楠の森−−神島<後藤伸、玉井済夫、中瀬喜陽>農文協 2011年 20151229 田辺市の沖に浮かぶ神島は、神社合祀の伐採計画から南方熊楠が守ったことで知られる。 高校教師だった筆者たちは、紀伊半島の自然を守る取り組みのなかで、神島の自然も調査し... -
明日なき森 カメムシ先生が熊野で語る<後藤伸講演録>
■明日なき森 カメムシ先生が熊野で語る<後藤伸講演録>20150611 栗栖太一という人は、遠くから山を見ただけで木の本数までわかってしまう。虫を捕まえるには、「そこで座って待ってろ。木になったら、向こうからやって来るさかな」。動物や植物のことを... -
作業中) 世界農業遺産<武内和彦>
■世界農業遺産<武内和彦> 祥伝社新書 20131112 能登の会議の様子。 なるほど。 ============== ▽12 阿蘇の世界農業遺産に向けて最初に行動を起こしたのは、宮本健真さんというイタリア料理のシェフ。2006年に熊本市内にレストラン。 ▽15 野焼き... -
作業中)兼農サラリーマンの力<古屋富雄>
■兼農サラリーマンの力<古屋富雄>栄光出版社 201308 ============== 会社に勤めながら農業を兼業するライフスタイルを「兼農サラリーマン」と位置づける。サラリーマンをしながら農業ができるよう、農地を簡単に借りられて販売できる態勢をつくる。... -
始まっている未来 新しい経済学は可能か<宇沢弘文・内橋克人>
■始まっている未来 新しい経済学は可能か<宇沢弘文・内橋克人>岩波書店 20130324 宇沢氏が提唱する「社会的共通資本」は「大切なものはカネにしてはいけない」という考え方で、「大切なものはカネにしろ」という市場原理主義の対極にある。 CO₂... -
放射能を食えというならそんな社会はいらない、ゼロベクレル派宣言<矢部史郎>
■放射能を食えというならそんな社会はいらない、ゼロベクレル派宣言<矢部史郎>新評論 20121229(速読) 「3.12」をきっかけに、市民が自らの思いを街頭で表現するようになり、さらに、自分たちで放射能を計測する動きが生まれた。 政府や原発容認派... -
3・12の思想 矢部史郎
■3・12の思想 矢部史郎 以文社 20120706 震災発生の3・11と区別し、「東京電力放射能公害事件」の起きた「3.12」に焦点をあてる。 放射性物質は、関東の土壌でも少なくても100ベクレル/キロ検出された。原発労働者が白血病で... -
内部被曝 矢ヶ崎克馬 守田敏也
■内部被曝 矢ヶ崎克馬 守田敏也 岩波ブックレット 20120501 核兵器のためにウランを濃縮するとつくりすぎてしまう。かといって工場を停止すると再稼働に時間がかかる。つくりすぎる濃縮ウランを消費するために原子力発電は生まれた。原発核兵器と密... -
地元学からの出発<結城登美雄>
■地元学からの出発<結城登美雄>農文協 20111216 筆者は東北を中心に「地元学」による地域おこしに取り組んでいる。 成功事例をモデル化し、それを模倣する形の「町おこし」は、自分たちの町は遅れているという決めつけから始まり、それを是正する「活性... -
SIGHT2011秋 原発特集
■SIGHT2011秋 原発特集 原発特集。 電力会社は競争原理が働かない。「総括原価方式」によって、コストを増やすほどそのぶん電気料金を上げられるから、無駄を削るインセンティブが働かない。電力会社は取引先企業から買いたたく必要がない。そのかわりに... -
珠洲原発・阻止へのあゆみ <北野進>
■珠洲原発・阻止へのあゆみ <北野進> 七つ森書館 20110517 奥能登に突如原発計画がふってわき、電力会社と行政が事前調査を強行しようとする。労組などの革新勢力が反対の声をあげ、地元住民が共有地運動をはじめ、漁民が立ち上がり、それをネ... -
環境リスク学 不安の海の羅針盤 <中西準子>
■環境リスク学 不安の海の羅針盤 <中西準子>日本評論社 20110425 下水道で工場排水を処理するのが当たり前といわれていた時代に、浄化効果がないことを実証してやめさせた。大規模な流域下水道が効率的とされていた時代に、配管が長くなるから... -
TPP反対の大義 <農文協編>
■TPP反対の大義 <農文協編> 農文協ブックレット 20110226 さまざまな視点からTPP反対論を展開する。農協の反対運動はタテマエ臭さが抜けないが、哲学や経済学など、深みのある論もあって勉強になる。 宇沢弘文は、「社会的共通資本」で... -
1時間でよくわかる TPPを考える <石田信隆>
■1時間でよくわかる TPPを考える <石田信隆> 家の光協会 20110226 WTOやFTAと比べても、TPPは無条件の関税撤廃をかかげ、関税以外の投資なども自由化しなければならない。「徹底した自由化」である。FTAやらEPA、WTOの... -
評伝今西錦司 <本田靖春>
■評伝今西錦司 <本田靖春> 講談社文庫 20101003 今西の最晩年に京都で同じ空気を吸っていた。講演会の立て看も見たことがあるような気がする。懐かしい空気のその源流を解き明かされたようだ。本田氏が病気だったこともあり、「不当逮捕」や「... -
出雲からのメッセージ 高齢社会への挑戦<山根 塩飽>
■出雲からのメッセージ 高齢社会への挑戦<山根 塩飽> 201007 □ことぶき園 と エスポワール ▽11 ▽25 エスポワール出雲クリニック 石橋典子 高橋幸男 ▽30 「小山のおうち」 お年寄りの心に向き合うほど、痴呆というベールで覆われていたお...