20映画など– category –
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東京家族<山田洋次監督>
■20191202 東京に住む、医者の長男夫婦と、美容院の娘夫婦と、アパートに住むフリーターの末っ子を、田舎の島から老夫婦が訪ねてくる。 父親は末っ子を馬鹿にしていた。母親は末っ子の家に泊まった際、蒼井優演じる女性と婚約していることを知る。「き... -
映画「火宅の人」20191201
檀一雄の原作はずっと以前に読んだが、その印象とはだいぶちがった。 主人公の一雄は再婚した妻と子がいるのに、年の離れた弟子のケイコに熱を上げ、浮気し妊娠させる。原田美枝子が演じるケイコは肉感的だ。 飲み屋の女性と旅先の九州で出会いとも... -
人生をしまう時間<下村幸子監督>
■第七藝術劇場で 20191026 「死を生きた人びと」の著者で、森鷗外の孫の小堀鷗一郎医師とその仲間の「看取り」の在宅医療を記録したドキュメンタリー。幾人もの患者の最期の日々を死に顔にいたるまで丹念に映している。 この映画を見るのは怖かった。 で... -
ハッパGoGo
ウルグアイの大麻合法化を題材にした映画。 本物のホセ・ムヒカ大統領が出演しているのにまずびっくり。世界でいちばん貧しい大統領と呼ばれている。映画では、麻薬密輸という重大任務の謝礼として自分の農園のカボチャを持っていかせるというおとぼけ... -
沈まぬ太陽(テレビ20回)
■20191004 日本航空がモデルである「国民航空」で、労組の委員長にまつりあげられた主人公恩知は、労使交渉で大きな成果を勝ち取ったがゆえに委員長退任後は海外に飛ばされる。「2年だけ」の約束だったが、カラチ、テヘラン、ナイロビと10年間僻地をたらい... -
映画「春を背負わば」「岳」
アマゾンプライムで「春を背わば」を見た。北アルプスにある「スミレ小屋」を営んでいた父が、登山者を救助するために命を落とす。息子は東京で株のディーラーとして何十億というカネを動かしていたが、父の死をきっかけに山小屋を継ぐことに。 山小屋... -
映画「剱岳点の記」
■20190704 明治の時代、未踏峰とされていた剱岳に挑戦した陸軍陸地測量部の姿を描いた新田次郎の小説を映画にしたもの。 撮影のため実際に山に登り、吹雪を経験してきただけあって、映像がどれも美しい。案内人の宇治長次郎を演じた香川照之の演技が出... -
ニューヨーク公立図書館
物語ではなくドキュメントで、しかも3時間40分と長いから、慢性寝不足の身にはずっと目を開けているのは難しかった。でも内容は知的刺激に満ちている。 本を静かに読むという「図書館」ではない。 ネットに接続できないことは人権を侵害されているとし... -
くちびるに歌を(映画)
■ 20190317 産休の音楽教師の代理として、故郷の五島列島に帰って来たユリが主人公。プロのピアニストだったが、コンサートの当日に恋人を事故で失ってピアノをさわれなくなっており、頼まれた合唱部の指導もおざなりにしていた。 部員のナズナは、父が浮... -
「3月のライオン」実写版と漫画 20190121
「3月のライオン」実写版を4時間かけてみた。 小学3年生のときに父母と妹を亡くした主人公の桐山零は、父の友だちの棋士の家で育てられる。家族も何もない。空虚のなかで将棋にしがみつき、そのなかで母を亡くした3姉妹と出会う。 家族が消えた穴は「... -
ボヘミアンラプソディー
■2010106 一世を風靡したロックバンド「クイーン」の歩みをたどる映画。 クイーンは激しすぎるイメージがあって、同時代では聴いてなかったけど、映画に出てくる音楽はどれもすばらしい。しっとりした情感も感じるし、歌詞も研ぎ澄まされている。 ... -
エルネスト
オダギリジョーの演技がすばらしい。ゲバラが広島を訪れる場面からはじまり、一転、ボリビアの青年たちがキューバに医学を学びに留学する場面に飛ぶ。そのなかに日系人のフレディ前村もいた。「自由の国」キューバに来た初々しい留学生たちが、政治活動... -
台湾萬歳 20171009
若い人ならば、日本語をしゃべる人がいる、という驚きを感じるだろう。 ワサビ醤油で刺身を食べて、日本から伝わった方法で漁をして、正月の食卓にも刺身が並んで……。 日本と沖縄と中国の影響も受けた重層的な文化と、山に住む少数民族の伝統文化も... -
おくじらさま 20171002
イルカ漁についての映画といえば、「ザ・コーブ」が有名だ。「残虐なイルカ漁」を告発して評判を呼び、アカデミー賞を受賞した。クジラを食べるのがあたりまえの私たちから見ると内容はとんでもなかったが、エンターテイメントとしてはおもしろかった。 ... -
ハイジ・アルプスの物語
おなじみのハイジの実写映画。 ストーリーもアニメとほぼ同じ。 父母を亡くし、おばに養われていたハイジが、山に一人で暮らす祖父(おんじ)の家に預けられる場面からはじまる。 最初はハイジとの同居を嫌がるおんじだが、天真爛漫なハイジを受け... -
ローサは密告された
すばらしい作品なのだけど、救いのなさがたまらない。 フィリピンの貧困地区に住むローサは夫とと雑貨店を営みながら、覚醒剤を販売していた。ところが密告されて警察に捕まってしまう。警察の留置記録に記されず軟禁された部屋で「10万ドルよこせ」と... -
ブランカとギター弾き
フィリピンが舞台で、イタリアの配給会社で、日本人の監督という異色の組み合わせ。 日本人の監督がフィリピンのスラムを描く、という時点で期待していなかったが、よい意味で裏切ってくれた。 路上でひとりで生活する少女ブランカは、有名な俳優が... -
人生フルーツ
戦後の復興期、公団で各地の団地造成にかかわり、愛知県の高蔵寺ニュータウンのデザインもつくった津端修一さんと妻の英子さんの晩年を撮影したドキュメンタリー。 雑木林の豊かなニュータウンをめざした津端さんだったが、高蔵寺ニュータウンは、経済... -
帰ってきたヒトラー
■映画「帰ってきたヒトラー」20160903 1945年に自殺したはずのヒトラーが現代にタイムスリップする。自分を総統であると理解できない現代人のなかで、とんちんかんなふるまいをするヒトラーは笑いの対象だ。そのうち、モノマネの喜劇役者として登用される... -
ビルマの竪琴 市川崑監督
■ビルマの竪琴 市川崑 20160809 三國連太郎の演技を見たくてアマゾンの動画で見た。モノクロ映画だ。 ビルマの竪琴は、小説は読んだことがあった。 三國が演じる隊長は音楽の専門家で、彼の率いる小隊はことあるたびに歌をうたった。主人公の水島... -
ルードウィヒ・B<手塚治虫>
■ルードウィヒ・B<手塚治虫>潮出版社 20160707 手塚が最後に描いた未完の作品。 庶民の宮廷楽士の息子として生まれたベートーベンの青春時代を描く。 もう一人の主人公は貴族のフランツ・クロイツシュタイン。「ルードウィヒ」の名に復讐心を抱き... -
JIN -仁-
■JIN -仁- TBSオンデマンド クレジットカードの明細を見ていて、いつのまにかアマゾンプライムの年会費を払っていることに気づいた。年間4000円ぐらい。プライム会員になるとどんな特典があるのかなあと調べてみたら、Kindle の本を月1冊読むことがで... -
映画「清洲会議」
本能寺の変で信長が死に、明智光秀を倒したあと、織田家の重臣が清洲城でつどう。そこで、信長の子である信雄と信孝のどちらを跡目に選ぶかを議論するかと思いきや、秀吉が推したわずか3歳の三法師が跡目をつぐことになる。それによって秀吉がトップに躍... -
風立ちぬ <映画・宮崎駿>
ファンタジー中心の今までの宮崎アニメにはない作品だ。 零戦を設計した堀越二郎が主人公。1歳ちがいの堀辰雄の小説「風立ちぬ」のストーリーを取り入れて、悲恋のストーリーを物語のもうひとつの柱に据えた。 少年のころから空に憧れた二郎は、東京帝大... -
日本フォーク私的大全 <なぎら健壱>
■日本フォーク私的大全 <なぎら健壱> ちくま文庫 20120929 1960年代の大学生のキャンパスフォークから70年代のアングラフォーク、吉田拓郎や井上陽水らのニューミュージックに至る日本のフォークソングの流れを、自らその渦中にいた筆者がつづ... -
いのちの作法 --沢内「生命行政」を継ぐ者たち <小池征人監督>
20080104 老人医療費をいちはやく無料化して有名になった旧沢内村の「今」を映したドキュメンタリー。よくある「福祉の町」の紹介映画なのかなあと、みる前は多少危惧していたが、戦後直後、後に村長になる深沢らがつくった「民俗誌」を冒頭に紹介して... -
今夜列車は走る
鉄道マンはみな家族のようなものだった。同じ釜のメシを食い、組合で議論し、泣き笑い……。それがある日、鉄道が廃止されることになる。組合幹部の言うままに、自主退職して金銭を獲得する道を1人をのぞいてみながえらぶ。 職をうしなった男たち。ある男は... -
胡同の理髪師 <ハスチョロー監督>
20080417 北京のどまんなか、故宮のすぐ脇にある路地の街・胡同の、93歳の老理髪師の日々を描く。近代的なビルや高速道路にかこまれて、そこだけ時代から取り残されたかのような胡同が、切なく懐かしく切りとられている。 1日に5分遅れるゼンマイ式古... -
実録・連合赤軍 <若松孝二監督>
1080329 「突入せよ!浅間山荘事件」という佐々淳行作品の映画は完全に警察側の視点だった。連合赤軍という「不気味な奴ら」をたたきつぶす「正義の味方」という構図の、ハリウッドのベトナム戦争映画のような薄っぺらさだった。今回の作品はまさに「ベ... -
パッチギ <井筒和幸監督>
20070105 暴力の時代。アナーキーの時代のなつかしい京都。 グループサウンズのマッシュルームカットの日本人の高校生がいる。まもなくフォークの時代がくると髪型もかえる。 一方、朝鮮高校にかよう荒くれのアンソンは、日本人の右翼の不良と喧嘩ざんまい...