04民俗・食– category –
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04民俗・食
トウガラシの世界史<山本紀夫>
■トウガラシの世界史<山本紀夫>中公新書 20160815 コロンブスが米大陸からトウガラシをもってこなかったら、インドのカレーはあんなに辛くなく、キムチももっとタンパクで、麻婆豆腐もマイルドだった。トウガラシは世界中の味覚を変えてしまった。どん... -
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ヒガンバナが日本に来た道-有薗正一郎
■ヒガンバナが日本に来た道<有薗正一郎>海青社 20160718 ヒガンバナは四国に多かった。人間が植えているわけではないのに、田の畔や集落の周辺に生えていた。アンズのある集落は朝鮮半島からの渡来人のつくった集落だと聞いたこともあるが、ヒガンバ... -
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東北学 vol.8 飢えの記憶
■東北学 vol.8 飢えの記憶 □いくつもの日本 特別対談 「ひとつの日本」というスタンスではなく、「いくつもの日本」によって、地域の多様さをとらえる。それによって「ひとつの日本」が陥りがちなナショナリズム的な思考を回避できる。だが「いくつ... -
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葬式と檀家<圭室(たまむろ)文雄>
■葬式と檀家<圭室(たまむろ)文雄>吉川弘文館1999年 2016/06/28 カトリック教会の神父さんから借りて、飛ばし読みした。 キリシタンを弾圧するために檀家制度がつくられ、人びとは寺の住職に自分の身分を保証してもらわなければならなくなった。檀... -
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むらの社会を研究する<日本村落研究学会 鳥越皓之編>
■むらの社会を研究する<日本村落研究学会 鳥越皓之編>農文協 日本におけるむらの研究の流れや、研究の方法、現代の課題などを網羅していてわかりやすい。本格的にむら研究をはじめる人には必読の書だろう。私のような素人が読んでもおもしろかった。 ... -
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いのちの場所<内山節>
■いのちの場所<内山節>岩波書店 20160403 いのち、は、個人のものなのか。命が個人のなかにとどまり、自分の命だけが至上のものとしたら、その喪失は世界のすべてを失うことを意味する。だから、死がとてもなくおそろしいものとなる。 だが、そうし... -
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結社の世界史1 結集・結社の日本史<福田アジオ編、綾部恒雄監修>
■結社の世界史1 結集・結社の日本史<福田アジオ編、綾部恒雄監修>山川出版社 20160506 コミュニティや中間団体はどんな経緯で変化してきて、幸福な未来社会をつくるためにどう生かすことができるのだろう。そんな疑問をもって買ってから2,3年。し... -
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南方熊楠の謎 鶴見和子との対話<松居竜五編>
鶴見は戦後、「山びこ学校」を通して「生活綴方」に共感し、自己史をつづることの重要性を説くようになる。このころの鶴見は、人々の生の声をどのように記録し、学問活動につなげるかを追究していた。対象を外から観察する近代科学のような社会学から、... -
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増補 共同体の基礎理論 内山節著作集
■増補 共同体の基礎理論 内山節著作集15<内山節>農文協201 共同体は1970年代までは、封建時代の遺物と考えられた。 ところが共同体が消え、自立した個人が社会に参加することでよりよき社会が生まれる、という希望は実現しなかった。個人がバラバラ... -
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森のバロック<中沢新一>
■森のバロック<中沢新一>せりか書房1992年 20160119 南方熊楠の生涯のうちで「もっとも深く体験されたもの」だけを注意深く取り出そうとした、という。 粘菌研究者としての熊楠、民俗学者としての熊楠、奇行を繰り返した熊楠……それぞれを断片的に紹介す... -
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帝国日本の生活空間<ジョナサン・サンド>
■帝国日本の生活空間<ジョナサン・サンド>岩波書店2015年 2016/01/09 住宅のつくりや椅子文化、味の素などの身近なモノや習慣と、大日本帝国やアメリカといった植民地帝国の歩みとのつながりを、サイードのオリエンタリズムの理論的枠組みを利用して描い... -
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日本文化の形成 下<宮本常一>
■日本文化の形成 下<宮本常一>ちくま学芸文庫 1994年 20160103 ▽倭人 蘇我蝦夷の名に見るように、蝦夷や毛人を名乗ることは卑称ではなかった。もともと日本に住んでいた人たちは毛深かった。そこへ、朝鮮半島を経由して多くの人が渡来した。彼らは貧... -
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日本文化の形成 中<宮本常一>
■日本文化の形成 中<宮本常一>ちくま学芸文庫 20151216 筆者はみずから農漁業の経験があるから、古い時代の道具を見て、それがどう使われるか即座に理解できる。生業の伝統を受け継いでいる人だから、歴史への想像力が生まれる。生業から切り離されて... -
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イリオモテのターザン<水田耕平>
■イリオモテのターザン<水田耕平>南山舎 2009年 20151220 西表島の果ての白浜という集落から、船でしかいけない船浮という集落へ渡り、さらにそこから30分船に乗ったウダラ浜という無人の浜に、何十年も住みつづける「ターザン」と呼ばれる男性がいた... -
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日本文化の形成 上 <宮本常一>
■日本文化の形成 上 <宮本常一> ちくま学芸文庫 20151212 著者最晩年の講演と遺稿をまとめた本。 蘇我蝦夷の「エミシ」というのは毛の深い人たちという意味であり、新たに海の彼方から来た人たちが、列島土着の縄文文化人たちを「エミシ」と言ったの... -
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人間の記録 南方熊楠 履歴書ほか
■人間の記録 南方熊楠 履歴書ほか 日本図書センター 20151123 □履歴書 抜群におもしろい。古い文体で候文だから読みにくいかと思ったがぐいぐい引きつけられた。 手紙が論文でありエッセーであり、語り芸であり。おそらく会話をしたら最高におもしろい... -
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歴史の話 <網野善彦 鶴見俊輔>
■歴史の話 <網野善彦 鶴見俊輔> 朝日新聞出版20151120 高度成長は、南北朝期とならぶ大転換期であるという網野善彦の主張を簡単に記述しているものがないかと思って読むことにした。おもしろくて一気に読んでしまった。 まずは、「気配の感覚」。科学... -
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黄金色の夜<宇江敏勝>
■黄金色の夜<宇江敏勝>新宿書房 20151121 炭焼きや猿をとる猟師、丸太を流す筏師ら、山民の世界を描く小説6編。 猿をとる猟師がいて、薬として珍重されていたとは驚きだ。赤い顔の色が青白くかわり硬直していくのが人間の死に際の表情とそっくりで、皮... -
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紀州 木の国・根の国物語 <中上健次>
■紀州 木の国・根の国物語 <中上健次>角川文庫 20150703 紀州の被差別部落をめぐったルポルタージュの傑作。 紀州は「輝くほど明るい闇に在る」闇の国だと位置づけ、被差別の地の独特の生命力と性と聖、そのうごめくようなエネルギーと暗さを探求する... -
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死の国・熊野<豊島修>
■死の国・熊野<豊島修>講談社現代新書 20151018 熊野を「死の国」。大雲取越の道が「死出の山路」とよばれている。 しばしば死んだ肉親に行き会うとつたえられる。熊野一帯は死者の霊がかくれこもる他界であるという信仰をよくあらわしている。 花の窟... -
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十津川街道 街道をゆく<司馬遼太郎>
■十津川街道 街道をゆく12<司馬遼太郎>20151017 ================== ▽8 十津川郷は、平坦地はほとんどなく、秘境という人文・自然地理の概念にこれほどあてはまる地域は日本でもまずすくないといっていい。 ▽「村」としての面積でも日本一だが... -
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世界遺産 熊野古道<宇江敏勝>
■世界遺産 熊野古道<宇江敏勝> 新宿書房 熊野詣は大正時代に終わり、車道の建設などによって道は姿を消し、残った部分も峠越えなどの難路は忘れられていた。中辺路か関心がはらわれるようになったのは昭和30年代からという。昭和52年、中辺路は文化庁... -
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観音浄土に船出した人びと 熊野と補陀落渡海<根井浄>
■観音浄土に船出した人びと 熊野と補陀落渡海<根井浄> 吉川弘文館 20150709 ▽2 渡海の介添えであった役人たちは、金光坊を無理矢理に海中に沈めた。この事件以来、生きながらの補陀落渡海は中止されたという。16世紀末。 …金光坊の生まれ変わりとい... -
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古代日本の航海術<茂在寅男>
■古代日本の航海術<茂在寅男>小学館ライブラリー20161016 筆者は記紀の記述に、ポリネシア語などからの語彙があると考える。たとえばアマノイワフネのAMAというのはカヌーのアウトリガーだという。古事記である種の速い船を「枯野」と呼び、日本書紀... -
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災害と地名 <海の熊野地名研究会設立10周年記念>
■災害と地名 <海の熊野地名研究会設立10周年記念> 2015/08/24 被害の状況や小字と地名との関係を、特に災害と地名の関係を解き明かし、地名の持つ重要性と、市町村合併や住居表示によって簡単に地名を変えてしまう愚かしさを訴えている。 地名は、自然... -
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街道をゆく 熊野・古座街道<司馬遼太郎>
■街道をゆく 熊野・古座街道<司馬遼太郎> 朝日文庫 201506 古座川沿いの古い街道を旅しながら、「若衆組」をテーマに話を展開する。東日本は家父長制・封建制が根強いが、西日本の農村社会には、「若衆組」という身分や家柄に関係ない組織が存在... -
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南方熊楠 地球志向の比較学<鶴見和子>
■南方熊楠 地球志向の比較学<鶴見和子> 講談社学術文庫 20150609 □南方熊楠の世界 南方は文系・理系にとらわれない巨人だ。ヨーロッパの学問のまねではなく、ヨーロッパと日本とアジアの学問と格闘するなかで、大乗仏教を基礎に置いたみずからの理論... -
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南方熊楠−森羅万象を見つめた少年<飯倉照平>
■南方熊楠−森羅万象を見つめた少年<飯倉照平>岩波ジュニア新書 20150413 ▽6 身分の高くない人たちと知り合いになるのが、熊楠の他人とのつきあいかたの特長でした。 ▽7 日清戦争までの日本。明治の初年には中国から日本に来た文人たちは、たいへんな... -
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作業中)世界遺産を守る民の知識 <関口広隆>
■世界遺産を守る民の知識 <関口広隆>明石書店 20150123 ▽4 田んぼの上に帽子のように森がこんもりかぶさっている。森の少し下は、薪や用材を手に入れる林になっているところも。田んぼの下には、耕す人たちの家がぽつぽつ散らばり、…さらに下には人び... -
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草の根 農健懇500回特集号
■草の根 農健懇500回特集号 2015/01/14 稲葉峯雄先生を中心に、愛媛県で1967年から月1回開かれていた農村健康問題懇談会が2013年、500回で幕を閉じた。 10人程度の小さな集まりだ。愛媛にいた当時、何十年と継続していることには驚いたが、それがどれ...