06福祉・災害・住宅– category –
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作業中)早川式「居住学」の方法
■早川式「居住学」の方法 <早川和男>三五館 20131011 ============== ▽20 家から仕送りのない学生は、2009年現在、統計を取りはじめた1973年から最大で、8.3パーセントというが、私の学生時代は半分はいたのではないか。もっとも、授業料が安... -
郊外の社会学<若林幹夫>
■郊外の社会学<若林幹夫>ちくま新書 20130607 郊外は味気ない風景だ。私も味気ない郊外に育ち、違和感はないが魅力もそれほど感じてこなかった。 筆者は郊外を「あるべきものがもはやない場所」であると同時に、都市中心部では望めない自然環境があり「... -
団地の空間政治学 <原武史>
■団地の空間政治学 <原武史>NHK出版 20130307 入居したときピカピカで子ども心に興奮した団地は、40年を経て、小枝のような木は大木に育ち、緑あふれる環境になった。「緑が豊かでホッとする」「日当たりがよくていい」。すっかり高齢化したが、独... -
創造的福祉社会<広井良典>
■創造的福祉社会 「成長」後の社会構想と人間・地域・価値<広井良典>ちくま新書20121103 社会のセーフティーネットのあり方は、エリザベス救貧法などの生活保護から、ビスマルクの社会保険、ケインズの雇用創出というように、事後的・救済的から事前的... -
驚きの介護民俗学 <六車由美>
■驚きの介護民俗学 <六車由美> 医学書院 20120511 著者は気鋭の民俗学者として一時脚光を浴びたが、しばらく表に出てこなかった。大学教師をやめ介護の現場にいたとは驚かされた。何が彼女をそうさせたのか。介護現場の何が魅力なのか--。 民... -
災害に負けない「居住福祉」 早川和男
■災害に負けない「居住福祉」 早川和男 藤原書店 20120319 災害に強い「居住福祉」のあり方を、生産基盤や環境、文化までを含めて従来の「福祉」の枠にとらわれず幅広く紹介する。 神戸市は1970年代に大地震によって長田や兵庫区がほぼ全滅すると予... -
震災と鉄道<原武史>
■震災と鉄道<原武史>朝日新書 20111024 「鉄道とは公共空間である」と考える筆者は、金もうけ主義がはびこる独占企業JR東日本を具体的事例をあげて批判する。史上最悪の原発事故を起こした東京電力とJRの体質がきわめて似ていることがわかる。 ... -
中村好文 普通の住宅、普通の別荘 <中村好文>
■中村好文 普通の住宅、普通の別荘 <中村好文> TOTO出版 20110327 建築家というと、とんがった作品のイメージがあるけど、この人がつくる家は「当たり前」なものが多い。実際に住むならこんな家かな、という家だ。豪華絢爛な屋敷ではなく... -
稲葉峯雄の遺したもの<稲葉峯雄>
■稲葉峯雄の遺したもの<稲葉峯雄>創風社出版 20110203 何度も顔を突き合わせ、似た話は何度も聞いていたはずなのに、改めて筆者の選び取る言葉の重みに圧倒される。なぜこれだけの言葉を紡ぎ出すことができるのか。 本を読んで重みのある言葉に... -
地域再生の罠<久繁哲之介>
■地域再生の罠<久繁哲之介>ちくま新書 20100928 専門家が賞賛する地域再生策のほとんどは成功しておらず衰退している。都市計画や建築、都市工学などの「土建工学者」が推奨する、本当は成功していない「成功事例」を視察して模倣するからほぼ確... -
だいじょうぶ ありがとう 家族によるグループホーム写真展 <社会福祉法人ともの家>
■だいじょうぶ ありがとう 家族によるグループホーム写真展 <社会福祉法人ともの家> 20100912 20代の女性がじっと写真を見て涙ぐんでいる。 勤務上の悩みを語り合いたいという施設の職員。 家族の会があることのすごさ。 会場に来た人... -
出雲からのメッセージ 高齢社会への挑戦<山根 塩飽>
■出雲からのメッセージ 高齢社会への挑戦<山根 塩飽> 201007 □ことぶき園 と エスポワール ▽11 ▽25 エスポワール出雲クリニック 石橋典子 高橋幸男 ▽30 「小山のおうち」 お年寄りの心に向き合うほど、痴呆というベールで覆われていたお... -
コミュニティを問いなおす--つながり・都市・日本社会の未来 <広井良典>
ちくま新書 1091017 (1)人類史的な次元 (2)ポスト資本主義の次元 (3)日本社会固有の次元 という3つの次元から「コミュニティ」を論じる。 ものごとを細かな要素に切り分けて個別に分析する「近代科学」は地動説をはじめとして「常識... -
■むすんでひらいて 高齢日本1しまねの模索 <中国新聞松江総局>
松江今井書店 20090420 1998年出版 介護保険前後の島根県の高齢福祉の現場を丹念に歩いている。今となっては古い部分もあるが、それぞれの住民が、市町村が、迷いながらも築きあげつつあった福祉の姿が描かれている。問題はこの後だと思う。介護保険... -
中山間地の居住福祉 <早川和男・野口定久・吉田邦彦 編>
信山社 20090211 東アジア諸国の福祉社会開発と地域コミュニティ再生。欧米的文脈ではない福祉社会のありかたの模索。その流れがわかる。すでにここまで理論化されている。 ===============メモ・抜粋================= ▽4 福祉社会開発学 ... -
私の研究生活小史2008 <早川和男>
20090120 土地問題の研究から「住居は人権」という考え方が生まれ、「居住福祉資源」にまでたどりつく著者の歩みがつづられている。 「住居は人権」という位置づけができていないから、阪神大震災後、「私有財産の形成になるから住宅再建の補助はし... -
現代福祉と公共政策<小野秀生>
文理閣 20090118 自由主義が不況によって破綻することで、経済における政府の役割を重視するケインズ主義が生まれる。税金を投じることで景気対策をするというシステムが機能するには、大量生産・大量消費のシステムが不可欠だった。それが第二次大戦... -
いのちの作法 --沢内「生命行政」を継ぐ者たち <小池征人監督>
20080104 老人医療費をいちはやく無料化して有名になった旧沢内村の「今」を映したドキュメンタリー。よくある「福祉の町」の紹介映画なのかなあと、みる前は多少危惧していたが、戦後直後、後に村長になる深沢らがつくった「民俗誌」を冒頭に紹介して... -
貧困の克服–アジア発展の鍵は何か <アルマティア・セン>
集英社新書 20081201 経済が発展すると、教育が発展し識字率もあがるという従来唱えられてきた順番ではなく、高い識字率こそが経済発展の基盤になるという。江戸時代から識字率がきわめて高かった日本などの例をあげ、アジアの経済発展の基盤だとみる... -
福祉社会 社会政策とその考え方 <武川正吾>
有斐閣アルマ 20080626 「福祉社会」とはなにかを知るための概説書。けっしてわくわくする本ではないが、効率的であるはずの官僚組織が硬直化し、福祉を進展させるうえで障害となってしまう過程をウェーバーの理論をもとに論ずる部分などは、興味深かった... -
沢内村奮戦記〈太田祖電、増田進、田中トシ、上坪陽、田邊順一〉
あけび書房 20080605 いちはやく老人医療費の無料化を実現したことで知られる岩手県沢内村の歴史を、元村長、医師、保健師といった人たちがオムニバス形式でえがく。田邊氏の写真も心をうつ。 「老人医療の無料化」は、徹底的に草の根レベルでかたりあい... -
ハンセン病とともに心の壁を超える<熊本日日新聞社>
岩波書店 20080612 熊本の新聞社のルポをまとめた。新聞記事はえてして型にはまってしまうことが多いが、この本は、新聞社自らの責任をも追求し、自己切開し、マスコミも「個」が大切であると言い切っている。ハンセンの問題は、個人・組織・社会の本物と... -
信州に上医あり 若月俊一と佐久病院 <南木佳士>
岩波新書 20080618 徹底して農村にこだわり、地域にこだわり、農村医学という言葉をうみだした。農民の必要を満たすため、一斉健診を組織し、専門医療も手がけ、研究機関も設立し、佐久病院を長野県随一の総合病院にそだてた。 ふつうに良心的な「赤ひげ... -
空疎な小皇帝–「石原慎太郎」という問題 斎藤貴男
20080416 石原の「評伝」ではない。佐野眞一がつくる評伝を期待したらダメだ。 権力にへつらい弱者に高飛車で、こびへつらう者ばかりを重用する、「小皇帝」石原の言動がなにをもたらすか、もたらしているかを丹念に描いている。 秘書時代から暴力事件をお... -
滝山コミューン1974 <原武史>
講談社 20070827 新宿駅を発着した客車の鈍行列車の独特の魅力、「この電車は冷房車です」というステッカー、休日にはデパート屋上の遊具が一番の楽しみで、遠足やサイクリングはなによりの冒険だった。全共闘が投石し、ストがあれば電車やバスがとまっ... -
居住福祉資源発見の旅 <早川和男>
東信堂 20061221 寺社や銭湯、商店街、駅舎など、町中にあるあたりまえの「場」を居住福祉資源として再評価し、紹介している。寺社は健康福祉ウォーキングの場であり、人々と語りあうデイサービスの場にもなっている。商店街もしかりだ。ほんのちょっと... -
持続可能な福祉社会 <広井良典>
筑摩新書 20060906 「福祉」「経済」「環境」「税制」「民俗」…… 普通、それぞれの分野でバラバラに論じられ、全体を統合するような議論はなかなか生まれない。 筆者はそのすべてを大風呂敷でおおうような議論を展開するから、新鮮で刺激的だった。 戦... -
借家と持ち家の文学史 <西川祐子>
三省堂 20050124 「江戸川乱歩シリーズ」と吉野源三郎の「君たちはどう生きるか」を読んだとき、まったくジャンルの異なる作品なのに、どこか似ているなあと思った。太宰治と島崎藤村、あるいは志賀直哉の描く「家」にも同じにおいがした。この本を読ん...
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