reizaru– Author –
-
06福祉・災害・住宅
シン・防災論 「政治の人災」を繰り返さないための完全マニュアル<鈴木哲夫>
■日刊現代(講談社)250201 2011年の東日本大震災は、発生28分後に「緊急」災害対策本部。16年の熊本地震は発生44分後に「非常」災害対策本部を設置した。 能登半島地震では発生から1時間20分たって、もっとも軽い「特定」災害対策本部、... -
11歴史〜現代史
渡辺京二論 隠れた小径を行く<三浦小太郎>
■弦書房250201 渡辺京二の人物論や文学論は、渡辺自身がその人と同調して、なりかわって自分の内側から自分の思想として論じてきた。著者の三浦もまた、渡辺に直接会ったのは数えるほどしかないのに、作品を通じて渡辺になりきって内在的に渡辺の思想を... -
01思想・人権・人間論
人は死なない では、どうする? 東大医学部教授と気功の泰斗の対論<矢作直樹・中健次郎>
■マキノ出版 250125 矢作氏の「人は死なない」は、科学の立場から霊魂の可能性を追求していて、抑制のきいた説得力のある本だった。そんな人と、霊魂のようなものを体感している気功家が話しあったらどんな展開になるのだろう? と思って手に取った。... -
20映画・美術館など
港に灯がともる<安達もじり監督>
■250124 阪神・淡路大震災の1カ月後に生まれた在日韓国人3世の灯(あかり)が主人公。 2世の父は、無一文から苦労してきたのに震災ですべてを失った母の思いを背負って苦悩しつづけている。あかりの母はその重苦しさが嫌で、あかりの成人式の日に夫と... -
能登・北陸
「不屈の器」
■NHK250119 輪島を代表する漆器工房「輪島キリモト」の、能登半島地震からの10カ月間を描いたドキュメンタリー。さすがNHKという作品だった。 元日に地震が襲い、桐本さんも5人の職人の家も全壊・全焼……となった。 18日後にようやく電気がくると工... -
01思想・人権・人間論
心の傷を癒やすということ 安克昌 100分de名著<宮地尚子>
■NHKテキスト250117 阪神大震災のとき、避難所や仮設住宅の住民をささえつづけた精神科医・安克昌さんはそのときの体験を「心の傷を癒やすということ」という本にまとめた。だが数年後、39歳で亡くなった。彼の名前は知っていたが具体的な活動はこの本... -
01思想・人権・人間論
人は死なない ある臨床医による節理と霊性をめぐる思索<矢作直樹>
■basilico250119 科学の最先端にいる東大の医師が、人間は超越的な摂理によって生かされ、霊魂は永遠であり、そう考えることが倫理や生きがいの基盤になりうる……と論じる。スピリチュアル本ではない。宗教と科学の境界をたどると、霊魂は死なない、と考え... -
Uncategorized
超少子・超高齢社会の日本が未来を開く<長谷川敏彦/鎌田東二>
■集英社241231 超少子高齢社会の日本のどこに希望があるのかを、宗教哲学者と医療福祉制度を設計してきた医師が論じる。 長谷川は阪大医学部4回生のとき、心斎橋で「ロックンロール神話考」というミュージカルを見た。演じていた長髪ヒッピー男が鎌田だ... -
11歴史〜現代史
小さきものの近代1<渡辺京一>
■弦書房 241226 これまで読んだ著者の作品とくらべると、微に入り細をうがちすぎてわかりにくい部分があるが、江戸時代に生まれた日本人と、明治以降の教育でそだった日本人とは異民族といえるほど文化や習俗が異なることや、尊皇攘夷や維新の評価などが... -
06福祉・災害・住宅
「復興」が奪う地域の未来 東日本大震災・原発事故の検証と提言<山下祐介>
■岩波書店 241225 能登半島地震の復興の問題となにかつながるところがないかと手にとった。 2017年出版した時点で東日本大震災の復興政策は失敗だったと断じている。 本質的な問題は、震災以前からつづいているという。 大店法改正にともなう郊外... -
能登・北陸
首都直下南海トラフ地震に備えよ<鎌田浩毅>
■SB新書241221 まもなく起きる首都直下型と南海トラフの大地震。富士山の噴火の可能性も高まっている。大災害にどうそなえ、どううけとめればよいのだろうか。 能登半島地震はM7.6で、この地域では記録がある1885年以降で最大規模だった。数年前... -
01思想・人権・人間論
日本美術の底力<山下裕二>
■NHK出版新書241117 筆者は、江戸期の伊藤若冲らの絵を再発見した「奇想の系譜」の辻惟雄の弟子だ。江戸期の縄文的な美術の価値をほりおこした師匠の知見を踏まえ、日本の美術を「縄文と弥生のハイブリッド」と断じる。 装飾的でエネルギッシュで自由奔... -
01思想・人権・人間論
奇想の系譜 又兵衛ー国芳<辻惟雄>
■ちくま学芸文庫241103 岡本太郎が縄文を再発見するのと軌を一にして、筆者が伊藤若冲らを再発見したときいて、両者にどんな関係があるのか知りたくて購入した。縄文との直接のつながりには言及していないけど、野卑とか頽廃とかさげすまれていたものの美... -
20映画・美術館など
太陽の少年<チアン・ウェン監督>
1994年の中国映画。 舞台は1970年代の北京。文化大革命の時代、大人は政治闘争、青年は農村におくられ、北京のまちは十代の若者が跳梁跋扈していた。毛沢東をたたえる歌などが時代の空気を表現する。 軍用トラックと公共交通機関はあるが、庶... -
01思想・人権・人間論
フランクルとの<対話>苦境を生きる哲学<山田邦男>
■春秋社241029 対話形式で筆者とフランクルのかかわりをたどる。むずかしい内容を対話で反復するから理解しやすい。フランクル関連の本は5,6冊読んでいるから、びっくりする内容はないが、フランクルと西田幾多郎を介した禅の思想の共通点の指摘や、東... -
20映画・美術館など
つぎとまります<片岡れい子監督>
京都の亀岡を舞台に、「日本一のバスの運転士になる!」とバス会社に就職した保津川美南という女の子が主人公。「保津川」という姓からして地元ベタベタ。バスの路線も停留所も実在する。地味な存在である地方の路線バスを舞台にどんなストーリーをえが... -
01思想・人権・人間論
自分とかないから。<しんめいP著、鎌田東二監修>
■サンクチュアリ出版2410 東大法学部をでて一流IT企業にはいったはいいけど、組織でうごくことができずすぐに退職し、田舎にいこうと奄美大島に移住するけど、それも失敗、芸人をめざしてR1グランプリにでるが笑いのひとつもとれず敗退。離婚して、32... -
01思想・人権・人間論
夜と霧 フランクル NHK100分で名著<諸富祥彦>
■241015 フランクル関連の本は5,6冊よんでいるから、内容に新鮮味はないが、簡潔にフランクルの思想をまとめていてわかりやすかった。 みずから活動することによって得られる「創造価値」が失われても、だれかと深く愛し合えたという思い出があれば「... -
12小説・エッセー
眠れないほどおもしろい おくのほそ道<板野博行>
■王様文庫241015 芭蕉の弟子で「おくのほそ道」の旅に同行した曽良が「おくのほそ道」の世界を紹介するというしつらえ。 芭蕉の「おくのほそ道」は事実をつづった紀行文だと長らく思われてきたが、1943年の「曽良随行日記」の発見で、フィクションが... -
20映画・美術館など
「とどけよう、平和の歌!」コンサート
「とどけよう、平和の歌!」というコンサートをききに京都へ。 映画プロデューサーのHさんが「平和のためになにかしたい」と思い、音楽関係者に声をかけて実現した。 合唱団にはじまり、沖縄戦をテーマにした絵本の朗読。それから沖縄の三線。どれも心... -
07地方自治・行政
「仮住まい」と戦後日本<平山洋介>
■青土社240930 戦後日本の住宅政策は、1950年代に整備され、住宅金融公庫法(50年)、公営住宅法(51年)、日本住宅公団法(55年)を3本柱とした。だが中心を占めたのは、住宅ローン供給をになう公庫だった。 住宅ローン供給の拡大によって、... -
福島・東北
実証・仮設住宅 東日本大震災の現場から<大水敏弘>
■学芸出版240831 筆者は、国交省から岩手県建築住宅課総括課長となり、東日本大震災の仮設住宅建設を担当した。その後に大槌町副町長になっている。全体を網羅する描写力は国の官僚ならではだ。優秀で現場を大切にする官僚が出向していて岩手県は助かった... -
20映画・美術館など
水の心<大重潤一郎監督>
1991年につくられた27分の短編。もとは宗教団体の依頼で撮影したものだという。 ヒマラヤの氷の峰から生まれる1滴の水がすこしずつ集まり、冷たい渓流となり、大河へとそだつ。インドの川では水を浴びて祈り、バリの棚田でも水の女神にたいして... -
04民俗・食
民俗学 ヴァナキュラー編 人と出会い、問いを立てる<加藤幸治>
■武蔵野美術大学出版局240830 欧米には、異文化を研究する民族学博物館と、自国民の文化的多様性や習俗の地域差を研究する民俗博物館がつくられていった。そこでは各文化を個別に展示した。言語や宗教、物質文化、儀礼などの要素のセットで「文化」を展示... -
20映画・美術館など
うんこと死体の復権
アマゾンの探検家で医師の関野吉晴が監督。 常識をくつがえし、汚いもの、みたくないものを徹底的につきつけられる。なのに見終わったあとは、ある種のさわやかさをかんじる。 伊沢正名は40年以上野糞をつづけ、だれもが野糞をできるように山を購入... -
20映画・美術館など
おらが村のツチノコ騒動記<今井友樹監督>
監督の故郷の岐阜県東白川村は、「ツチノコの村」であり、毎年、ツチノコをさがすイベントが催されてきた。監督も子どものころはツチノコの実在を信じ、捜索イベントに参加した。 ツチノコの村、の存在感は抜群だけど、大人になるにつれてはずかしくな... -
04民俗・食
イモと日本人<坪井洋文>
■未来社240825 熊野古道を取材しているとき、旧大塔村に戦後まで「正月に餅をつかない」里があったきいてたずねた。小川という20軒ほどの集落だった。 後醍醐天皇の皇子、大塔宮護良(もりよし)親王の一行が鎌倉幕府に追われ、山伏姿で落ちのびてきた... -
能登・北陸
にぎやかな過疎をつくる 農村再生の政策構想<小田切徳美>
■農文協240816 「にぎやかな過疎」は、石川県羽咋市の限界集落の移住者を撮ったテレビ金沢のドキュメンタリーのタイトルからとった。 人口減少は進むが、移住者や地域の人々がワイワイガヤガヤする様子をそう名づけた。今後の地域づくりの目標は「持続的... -
Uncategorized
タイムカプセルのように広重をみる
あべのハルカスへ「広重―摺の極―」をみにいく。 安藤広重だと思っていたら、今は歌川広重だという。本名は安藤重右衛門。安藤は姓で広重は号であり、両者を組み合わせるのは適当ではないということで、教科書では1980年代に安藤から歌川に修正され... -
文化人類学・構造主義
火山と断層から見えた神社のはじまり<蒲池明弘>
■双葉文庫240821 神社のはじまりは、火山とそれが生みだす「石」や温泉であり、旧石器時代までさかのぼるのではないかという着想がおもしろい。 火山活動によって、温泉が生まれ黒曜石や翡翠も生み出された。とりわけもっとも鋭利な石器だった黒曜石は石...