01思想・人権・人間論– category –
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01思想・人権・人間論
現代思想のパフォーマンス <難波江和英 内田樹>
松柏社 200708 現代思想の概説書ではなく、現代思想をツールとして使いこなす技法を実演する……という「まえがき」にみせられた。 とりあげている思想家もソシュール、バルト、フーコー、ラカン、サイードといった、理解したいけど難解な人ばかり。内田... -
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滝山コミューン1974 <原武史>
講談社 20070827 新宿駅を発着した客車の鈍行列車の独特の魅力、「この電車は冷房車です」というステッカー、休日にはデパート屋上の遊具が一番の楽しみで、遠足やサイクリングはなによりの冒険だった。全共闘が投石し、ストがあれば電車やバスがとまっ... -
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ためらいの倫理学 <内田樹>
角川文庫 20070819 知性とは、自分の知っていることをどれくらい疑っているか、自分が見たものをどれくらい信じていないか、自分の善意にまぎれこんでいる欲望をどれくらい意識化できるかを基準に判断する力だという。 言われてみればそりゃそうだ、と... -
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レヴィナスと愛の現象学 <内田樹>
せりか書房 20070606 レヴィナスの本はこれまでほとんど理解できなかった。「入門」という題の新書も理解できなかった。この本も難しい。でもさすが内田樹氏だけあって、ところどころわかるし、なんとなくこんなことを言ってるんだな、という輪郭は見え... -
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悪あがきのすすめ <辛淑玉>
岩波新書 20070823 型どおりでない「悪あがき」の実例を紹介する。 四国の教科書問題をやってるおじさんたちの取り組みを「悪あがき」と評価する視点は新鮮だった。 なんといっても彼女のけんかのしかたは痛快だ。たとえば右翼から「朝鮮人は朝鮮に帰れ... -
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丸山真男の時代 大学・知識人・ジャーナリズム <竹内洋>
中公新書 20070818 60年安保は戦後最大ともいえる運動だった。今では考えられないほど野党が強く、革命前夜的な雰囲気だった……と思っていたが、実際の支持率などをみると、わずか数カ月後には自民党が盤石の支持をとりもどしていた。今よりよっぽど自... -
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丸山真男 日本近代における公と私 <間宮陽介>
ちくま学芸文庫 20070811 言葉づかいはけっこう難しいし、とくに前半の朱子学の部分は難解だったが、丸山が終生もとめつづけたものがなんとなく見えてきた。 単なる(状態としての)自由ではない。単なる(型式的な)民主主義でもない。自由と民主主義... -
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終わりよければすべてよし <森嶋通夫>
朝日新聞 20070714 「単科ディシプリン」という言葉が何回もでてくる。専門家として1つの分野をきわめなければならない、という意味だ。彼にとってそれは数理経済学だった。その立場から、丸山真男や鶴見俊輔らを「ディレッタント」(好事家・素人)と... -
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智にはたらけば角が立つ <森嶋通夫>
朝日新聞社 1070707 プリンシプルに従って行動する人とそうでない人がいる。積極的な悪人や有徳の士は前者に属し、その他多くの「普通は善人だが、気が弱いためにいざという時に道徳的に腰抜けになってしまう人」は後者に属する。筆者は後者を「消極的... -
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血にコクリコの花咲けば <森嶋通夫>
朝日文庫 20070630 福祉社会学の研究会で「福祉社会を考えるならこれは必読書ですよ」勧められた。 名前はきいたことがあった。イギリスで活躍した経済学者であることは知っていた。 でもこんなにおもしろいとは。 戦時中、学徒動員で海軍にはいり、敗... -
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東京ファイティングキッズ <内田樹、平川克美>
朝日文庫 200706 --空中浮遊などの考えられないことがおきたとき、「何も見なかった」と経験そのものを否定する人も、尊師を信じてしまう人も、あるフレームワークが失効してから、次のフレームワークを自力で構築するまでの「酸欠期」を息継ぎなしで... -
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はじめての構造主義 <橋爪大三郎>
講談社現代新書 20070509 内田樹の入門書とならぶくらいわかりやすい構造主義の入門書だ。 リンゴという実体がまず存在するのではなく、「リンゴ」という言葉によって、リンゴが世界が切り取られ、認識される。リンゴと梨の区別をつけるか否かは「実体... -
文化人類学・構造主義
悲しき熱帯Ⅱ <レヴィ=ストロース>
レヴィ=ストロース 中公クラシックス 200705 ブラジルの先住民族のフィールドワークを丹念に記している。 単なる「観察」ではなく、インディオの世界に心から共感していることが、あたたかみのある筆致からよくわかる。 その共感があるからこそ、欧米... -
文化人類学・構造主義
悲しき熱帯Ⅰ <レヴィ=ストロース>
中公クラシックス 200705 文化人類学のおもしろさ。常識が常識でないことがわかる。人間が人間であるべき「本性」はどこにあるのか、を知る。 戦前のブラジルへの豪華客船の旅かと思えば、ドイツ占領下の劣悪な航海へ、インドの労働者の生活風景かと思... -
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人文学と批評の使命 <E・W サイード>
岩波書店 200703 外部の状況・システムによって人間の思考は決められているとする構造主義は、デカルト以来の主体(コギト)に異議をつきつけ、従来の人文学(humanism)を圧倒した。隅においやられた人文学は、社会との接点をさぐることをやめ、すでに... -
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希望の教育学 <パウロ・フレイレ>
太郎次郎社 20070315 これまた10年ぶりの再読。 「被抑圧者の教育学」は抽象的でストイックな印象の本だった。老境にはいって、「被抑圧者」のできた過程と、その後の広まりをふりかえってつづった「希望の教育学」は、フレイレのやさしさが行間から... -
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被抑圧者の教育学 <パウロ・フレイレ>
亜紀書房 20070306 10年ぶりの再読。 「俺になにができるって? ただの百姓なのに」「しかたない」……うちのめされ搾取された読み書きもできない被抑圧者には宿命論的なあきらめが蔓延している。これを「沈黙の文化」と著者は呼ぶ。日本の農山村を歩... -
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知識人とは何か <エドワード・W・サイード>
平凡社ライブラリー 1070221 「知識人」に求められる資質としてサイードは、権力と対峙すること、専門外のことでも大事な問題は積極的に発言すること……などをあげる。 イタリアの哲学者ヴィーコは、権威に威圧されないためには、社会的現実の起源にさか... -
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旅の話 鶴見俊輔 長田弘
晶文社 20060215 旅は恋ににている。異性との出会いへの期待はもちろんだが、不安だけど歩をすすめざるをえない落ち着かない感覚は、未知の世界への恋ではないのかと感じてきた。 だが、歳をかさねて30歳代もへて、「恋」への旅でいいのかな、そ... -
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「伝える言葉」プラス <大江健三郎>
朝日新聞社 20070210 晩年をむかえた大江健三郎が、若い世代への伝言として新聞に連載した文章を集めたエッセー集。 「老人がいつも悲しい顔をしているのは『未来への未練』の表情だったと気づいた」と記す、老年をむかえた大江の悲しみと、死の床で「考... -
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M/世界の、憂鬱な先端 <吉岡忍>
文春文庫 20070110 ベルリンの壁が崩れる。歴史は人間が動かせるのだ、と実感できる場面に立ち会う。そのときふと「では日本は?」と思う。 まさにその年、昭和天皇が吐血し、報道は翼賛体制となり、戦争という歴史を徹底的に忘れるメルクマールとなっ... -
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ぼくはいくじなしと、ここに宣言する <森毅>
青土社 20061110 戦争中は軟弱非国民、学生運動さなかも軟弱な教師……軟弱へなちょこ人生を貫いてるものがあるとしたら、自分をも笑ってしまう道化精神だろうか。 なんともまあ肩の力が抜けていて気持ちいい。 「権威を否定していた人間が、権力を獲得す... -
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街場のアメリカ論 <内田樹>
NTT出版 20061025 歴史を一直線の流れとみる「歴史主義」ではない。「今」の時点から未来をみると多くの選択肢があるように、過去のある1点においても多くの選択肢のなかから1つを選択した。歴史が一直線だとしたら運命論的になるが、複雑系だと考... -
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敗戦後論 <加藤典洋>
ちくま文庫 20061008 ■敗戦後論 護憲派は、押しつけ憲法、という「汚れ」をなかったこととして、戦後民主主義をピュアであることを主張しつづける。大江健三郎がその代表だ。 改憲派は天皇の戦争責任という自明な事実を無視して、同じくピュアであると... -
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態度が悪くてすみません 内なる「他者」との出会い <内田樹>
角川oneテーマ21新書 20060922 著者の本は4冊目。構造主義の立場からバッサ、バッサと斬るのが心地よい。 「今・ここ」の立場から善悪を判断するのではなく。「あのとき・あの場所」の条件を考えて、「今・ここ」との共通点を見つけ出していく。 この... -
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秋の蝶を生きる 山代巴 平和への模索
佐々木暁美 20060815 苦しくも終戦の日、小泉が靖国参拝をしたというニュースがふりそそぐなかで読了。 いったいこの国はどうなってしまったのか。なぜこうなってしまったのか。どこで歯車が狂ったのか。 戦前、比較的自由だった大正時代がす... -
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寝ながら学べる構造主義 <内田樹>
文春新書 20060603 ちょっと読んではあきらめ、読んではあきらめを繰り返していた「構造主義」だが、「寝ながら」という軽さと、内田樹が書いたということで、もう一度だけ試してみることにした。 構造主義の基本の基本をわかりやすく説明してくれてい... -
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若者の法則 <香山リカ>
岩波新書 20050214 敬語を使わない。入試にまで親が見送りをする。オリンピックでも日常生活でも「楽しみたい」とばかり口にする。やけに大げさに自分の体験を語ろうとする。身近な人にはやさしいのに、(少年犯罪の被疑者ら)「外」に対してはやけに厳し... -
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■久野収集Ⅰ
岩波書店 佐高信 990319 丸山真男を読みたくなった。「知識人だけでなく、ジャーナリズムや学会に蔓延している自分の言動にたいする無責任さ。昨日言ったことをきょう翻して平然としている」という指摘。コメの自由化にしても規制緩和にしても、一時... -
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日本文学史序説 上下 加藤周一
■日本文学史序説 上 加藤周一 ちくま学芸文庫990603 抽象的な哲学の体系が作られなかったかわりに、具体的な文学で思想を表現してきた。抽象的・体系的・理性的な秩序よりも、具体的・非体系的・感情的なものに即して言葉をもちいてきた。抽象的な音楽...