文化人類学・構造主義– category –
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知的生産の技術<梅棹忠夫>
■知的生産の技術 <梅棹忠夫> 岩波新書 20110102 25年ぶりの再読。以前ラインを引いたところとまったくちがうところに心を動かされる。それだけ成長したのかな。それとも感性の退化か。 25年前の書きこみのなかんは、はずかしくなるような内... -
梅棹忠夫語る<聞き手=小山修三>
■梅棹忠夫語る<聞き手=小山修三>日経プレミアシリーズ 20101114 自分で見たもの以外は信用しない。ひょうひょうとした語り口。 ▽24 ドイツ系アメリカ人が「日本はヨーロッパと同じです」と言い、びっくりした。インドが東洋なら日本は東洋じ... -
梅棹忠夫に挑む<石毛直道 小山修三編>
■梅棹忠夫に挑む<石毛直道 小山修三編> 中央公論社 20101120 ▽11 文明の生態史観 西欧と日本(第一地域)は、遷移(サクセション)が順序よく進行した地域で、歴史は主として共同体内部からの力による展開。オートジェニック(自成的)なサク... -
評伝今西錦司 <本田靖春>
■評伝今西錦司 <本田靖春> 講談社文庫 20101003 今西の最晩年に京都で同じ空気を吸っていた。講演会の立て看も見たことがあるような気がする。懐かしい空気のその源流を解き明かされたようだ。本田氏が病気だったこともあり、「不当逮捕」や「... -
街場のメディア論 <内田樹>
■街場のメディア論 <内田樹> 光文社新書 20100907 メディアはなぜ危機なのか。ネットや電子端末といった「外」の要因ではなく、メディア内部にこそが原因があるという。 メディアは「世論」を語るものという信憑と、メディアはビジネスだとい... -
日本辺境論<内田樹>
日本辺境論<内田樹>新潮新書 20100107 江戸時代までは中国を中心とした世界の「辺境」だった。明治以降は欧米中心の世界の「辺境」である。そうした辺境人としての地位が、日本人を一定の枠にはめているとみる。 辺境人は、中心に対して... -
武士道 <新渡戸稲造、矢内原忠雄訳>
岩波文庫 20091217 戦争中、この本が軍人たちの心の支えになったと聞いた。右翼的な本だと思って読んでいなかったが、よくよく見たら著者はキリスト者として有名な新渡戸稲造だ。新渡戸は平和主義であるクエーカー教徒だ。右翼思想とは正反対に位置す... -
闘うレヴィ=ストロース<渡辺公三>
平凡社新書 20091230 レヴィ=ストロースは2009年に100歳で死んだ。 構造主義というのは、歴史やら進歩やらを否定し、時代によってさまざまな変化があったとしてもその社会を規定する「構造」は変わらない、という、いわば宿命論に近いと思っ... -
マックス・ウェーバー入門<山之内靖>
岩波新書 20090911 学生時代にウェーバーを読んだときは、経済がすべてを決めるというマルクスとちがって、人間の動機とか心が社会の動きに及ぼす作用を大事にしてる人なんだな、くらいしか理解できていなかった。 「価値の自由」という言葉は客観... -
菊と刀 <ルース・ベネディクト>
現代教養文庫 20090109 米国人の人類学者が、敵である日本人の人生観を日本人の立場に立って見ようとしているから、外部からの興味本位の観察とちがって説得力がある。著者が来日したことがなかったとはとても思えない。構造主義的な観察眼の強みだろ... -
他者と死者 <内田樹>
海鳥社 20081030 「師=死者=他者」というのが、この本の骨格のような気がする。「他者」とは、「私」には絶対的に理解できない境地にある絶対的な存在であり、ラカンの言う「象徴界」(その反対が「想像界」)もほぼ同様の意味である。難解なレヴィ... -
街場の中国論 <内田樹>
ミシマ社 200809 中国数千年の歴史をつらぬく「パターン」(=変化する仕方)として、まず、「易姓革命論」をあげる。王朝の天命が尽きれば王位を譲らなければならない。譲位を拒否した場合は、その王を伐つことは天理にかなった行為とされる。だから... -
こんな日本でよかったね 構造主義的日本論 <内田樹>
木星叢書 20080830 私たちの感受性も観察眼も属している文化によって規定さており、客観的な視点や歴史観などありえないことを説いた「構造主義」、あらゆる制度の起源に「身体的感覚」をもとめる思考と、「存在しないのだけれど、存在する」というねじれ... -
狼少年のパラドクス ウチダ式教育再生論 <内田樹>
朝日新聞社 20080809 明治以来、日本の教育は管理しやすい「小粒の人間」をそろえ、「みんなとおなじ」という均質化することを目標にしてきた。それがみごとにうまくいき、うまくいきすぎたことが、最近の教育問題だという。 「小さい粒」は管理しやすい... -
健全な肉体に狂気は宿る<内田樹、春日武彦>
角川oneテーマ21 20080419 「自分」がまずあって、それが世界を切り開く、という「自我」の立場にはたたない。 他者との関係、つながりのなかで「自分」をとらえる。まさに構造主義の考え方なのだろう。 「キャリア形成」とか「自己実現」というのは、「... -
疲れすぎて眠れぬ夜のために <内田樹>
角川文庫 20071222 男らしさ、女らしさ、商人らしさ、農民らしさ……。そういった「らしさ」は多様性をもたらすことになり、人類が存続するための生存戦略上有効だったという。 礼儀正しくしたり、冠婚葬祭で礼装をまとうのは、いらぬ摩擦を生まぬためのひ... -
悲しき熱帯Ⅱ <レヴィ=ストロース>
レヴィ=ストロース 中公クラシックス 200705 ブラジルの先住民族のフィールドワークを丹念に記している。 単なる「観察」ではなく、インディオの世界に心から共感していることが、あたたかみのある筆致からよくわかる。 その共感があるからこそ、欧米... -
悲しき熱帯Ⅰ <レヴィ=ストロース>
中公クラシックス 200705 文化人類学のおもしろさ。常識が常識でないことがわかる。人間が人間であるべき「本性」はどこにあるのか、を知る。 戦前のブラジルへの豪華客船の旅かと思えば、ドイツ占領下の劣悪な航海へ、インドの労働者の生活風景かと思... -
寝ながら学べる構造主義 <内田樹>
文春新書 20060603 ちょっと読んではあきらめ、読んではあきらめを繰り返していた「構造主義」だが、「寝ながら」という軽さと、内田樹が書いたということで、もう一度だけ試してみることにした。 構造主義の基本の基本をわかりやすく説明してくれてい...
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