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日本がアルゼンチン・タンゴを踊る日

 ベンジャミン・フルフォード 光文社 20060831

 政官業とやくざが癒着し、不良債権の半分近くをやくざが占めていることが、日本の経済をだめにした。
経済問題というより腐敗の問題であり、日本はメキシコ並の腐敗国家だという。
日本経済を復活させるにはこの構造に手をつけ、腐った政治家や経営者を一掃するしかない・・・。
 なるほど、と思う。
不良債権や公的資金の導入などの問題がおきても、やくざマネーに視点をあてる報道はほとんどなかった。
そういう取材ができないからか、タブーになっているためかは不明だが。
 新鮮な視点だ。「日本人」批判については何度もうなずいた。
 「新聞社よイベントをやるな」といったマスコミ批判には深く深くうなずいた。
 が、ほんまにそれだけか? という危うさも感じる。
 構造改革を徹底して、いったん日本の構造じたいをぶちこわして、そこから再生するしかない、という。
そして韓国やロシアを「成功例」としてとりあげる。
 でも、構造改革を徹底してぼろぼろになってしまった国は枚挙にいとまがない。
貧富の差は拡大し、特権階級が形成される。
 そんなに単純じゃないぞ、と思わせられる部分も多かった。

 ▽ 新聞社がイベントにかかわるのは、国際的には異例。マラソン大会をすれば自治体や警察の協力は不可欠。
 ▽アルゼンチンがだめになった理由 社会の上層部を改革できなかったから。大戦後、アルゼンチンは有数の豊かな国だった。
食糧輸出国として巨額の黒字を計上していた。70年代の日本のように。
明治維新とほぼ同じ頃、大発展していた。
保守層のナショナリズムが自由化路線を捨てた。
外国資本を国有化し、農業より工業に重点を移し、貿易黒字で国内産業を手厚く保護した。
農業と牧畜の貿易立国だったのに、なにもかも自前でやろうとしたことが失敗を招いた。
国内産業を保護しすぎたことも競争力を失わせた。
 ▽韓国 劇的復興の秘密「日本のマネをやめたこと」
 大手財閥を事実上解体し、生き残れる会社を選び、グループの連結負債から解放した。
3分の1の銀行を潰し、15兆円の公的資金を投入した。
外資も積極的に投入。ハードランディング
 ▽警察は人種差別主義者
 「統計から見る来日外国人犯罪」の項目では「中国人が約半数」...といった見出し。
同じものをアメリカで出したら間違いなく暴動がおきる。
もし差別でないというなら、公平を期すため日本全国出身県別犯罪者リストもつくるべきだろう。
 ▽フランスのルペン、オランダ極右のフォルタイン党首・・・も、日本人ほど右ではない。
フォルタインは、閉鎖的な慣習をつづける中東からの移民に「郷にいれば郷に従え」「自由と寛容もいいかげんにしろ」と迫ったにすぎない。
ルペンは、激増する移民問題に対して「いまいる移民はしょうがないが、これ以上、受け入れるな」というものだった。
日本は、移民は絶対うけつけない。亡命希望者は「追い返せ」という。レイシスト石原
 ▽経済停滞にあえぐ日本にアメリカが現在必要としているのは、軍事拠点としてのニーズだけ。
 ▽日本が北方領土4島一括返還にこだわる背後には、アメリカの陰謀がある。
2島返還で日ソが接近することを警戒したアメリカは、当時の国務長官ダレスによって、日ソが永遠に講和条約を結べないような罠を仕掛けた。
こうして領土交渉がもつれる間に、サハリンのビジネスチャンスは欧米に奪われる。
・・・・同じことは日中が永遠に歩み寄れそうもない靖国神社の問題にもいえる。
 ▽メキシコのインターナショナルスクール
 午前はメキシコの学校と同じ授業、午後になると、アメリカの教科書を使い、アメリカ式の授業。
アメリカとメキシコの戦争については、正反対の立場から教わることになる。
 政治家が二枚舌だから、中国や韓国は日本人を信用しない。
教科書問題で得をするのは当事者ではない。ヤラセplotのにおいがプンプンする。

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