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眠れないほどおもしろい吾妻鏡<板野博行>

■王様文庫20220116

 源頼朝は武家政権を築いた偉人のイメージがあるが、義経だけでなく、静御前との間に生まれた赤ん坊を生き埋めにして、もう一人の異母弟・範頼も殺している。猜疑心のかたまりのような残酷な権力者だった。
 2代将軍頼家や3代実朝が殺された背景には北条氏の影がちらつくことや、北条氏が、有力御家人を次々と抹殺していく様は教科書では教えられない。さらに北条時政自身が最後は失脚しているとは知らなかった。
 吾妻鏡は源氏3代にはきびしいが権力者の北条氏には甘い。その甘さをチェックするため、「愚管抄」を書いた慈円の視点から「吾妻鏡」の登場人物の生き様を読み解く形にしている。
 陰謀と裏切りと残酷に満ちた鎌倉時代の権力者の姿が浮き彫りになっていてあっという間に読み切ってしまった。

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