朝日新聞社 20090913
おもしろい。田中真紀子はアタマが切れる。
ミニ集会を日常的に開いているから選挙になっても慌てない、という発言は、なるほど、と思った。地元に帰って地元の声をきっちり聴く大切さはいろいろな選挙をみるごとに感じるようになってきた。「国政に専念するから地元には帰りません」というのをよいと思ったころもあったが、けっきょくそういう「国政」は、官僚にひきずられるか、根無し草のひとりよがりになるだけだ。草の根との結びつきはやはり不可欠だと思った。
「やっぱりアカの国でも、隣の国と付き合わぬわけにいかねんじゃねえか」と日中国交回復を果たした田中角栄。ハト派というのはイデオロギーを超える。暮らしとか経済のために、隣の家と仲良くする、という指摘もなるほどと思った。
============抜粋/メモ============
▽31 ずっと以前から小沢先生は、人口1000人ぐらいしかいない村まで全国くまなく歩いていたんです。日本中を熟知しておられる。
▽42 「やっぱりアカの国でも、隣の国と付き合わぬわけにいかねんねえか」と日中国交回復へ。ハト派というのはイデオロギーを超える。暮らしとか経済のために、隣の家と仲良くする
▽55 私は政治資金集めパーティーをしたことは一度もありません。その代わり、頻繁に地元でミニ集会を開いてます。公民館やお寺の本堂。議員パスが無料で支給されるので助かります。これをフル活用してこまめに地元で政治活動をしていれば、いざ選挙になっても最小限のエネルギーと支出で対応できます。
▽97
▽100 ラスプーチンという人がいて、そのうしろには鈴木宗男がいるという話は……
▽157 自民党は農地の大規模集積化を目指して、小規模農家は4ヘクタール、集落営農ならば20ヘクタールから補助金を出すという。要するに4ヘクタール未満の農家には退場してもらうという方針なんです。……生産費用と市場価格の差額は国が補償する制度が必要。
▽165 私は日常的にミニ集会をひらいて、生活者の声をじっくり聞いています。ミニ集会が自分のエネルギー源なんです。生の声が聞けますから勉強になるんです。
▽166 三川町は、町長が途中から合併に反対して、鶴岡市にさんざん痛めつけられた。救急車が来なくなるとか……。町長が教え子だから、選挙の応援に行って合併推進派に勝った。効率化によってだいじなものを削ぎ落としている。弱いところから先に削ぎ落とされている。永田町ばかりにいると生の声が聞こえなくなる。
▽192 茶道も華道も武道も、たくさんの約束事があって、すべて理由がある。入門したからには、ルールを守って、身体で覚えるしかない。やがてハハーンと合点がゆくときがくる。……先人が残した我が国固有の文化を受け継ぐことで、私たちは人としての自信と誇りを得ることができるんです。……それを知らない政治家が「美しい日本」なんて突然口にしても、……。
▽216 安倍官房副長官は、じかに金正日に会ったんですから、残りの被害者の実情がわかるまで、自分だけでも平壌に残って、最後まで確認作業をしたいと申し出ることができる立場にいたわけです。……5年前の最大のチャンスのときに拉致問題を終わりにして鍵をかけて、おまけにかんぬきまでかけた張本人たちじゃないですか。 ……日中国交回復に際して、日本側は日華条約を破棄する決断をしました。中国側は賠償請求を放棄するという英断を下しました。ギリギリの交渉のせめぎあいの結果だったと述懐していたことが思いおこされます。あのとき中国が日本に賠償金を請求していたならば、日本の財政が受けたダメージは甚大であり、世論もあれほど盛り上がらなかったはずです。その点を確認してから台湾問題にケリをつけた。外交交渉はとてつもなく現実的な打算と、無限大の未来に対する夢を同時進行ですすめる技だと学びました。
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