■悲しみは真の人生の始まり 内面の成長こそ<柳田邦男> PHP 20181104
題名の通りであってほしい、と思う。でも悲しみから人生が始まるんだろうか。次男を自殺で亡くした筆者がどうやってそう思えるようになったのか知りたくて手に取った。
人生はうまくいかなくてもともと。悲しくてもともと。そんなもんだ。それらを受け入れて自分が生きて行く道を探すよりほかない。
幸せであることや、ふつうであることはデフォルトではない。隠されているけど、生老病死が人生だというのが正しいのだと。
そう思えたら、実はほとんどの人がそうなのだとわかったら、人生や世界に対する何か見方が変わるんだろうか。
自分を消滅させたい気持ちでいっぱいだったという。自分がこの世にいて意味があるのかと。
そんな呆然としt状況から踏み出す一歩、次男の生きた証しをつづることだった。書くことがせめてもの償いになるかもしれない。と。生きなおす力が出てきた。
「胸をかきむしらんばかりの苦しみ、悲しみを抱え、そこから逃げずに必死に生きようとするその人生そのものが『癒やし』だと思うのです」
現実を生きることは、格闘するくらい、つらいこと。でも格闘するうちに前へ進んでいる自分に気づく。生きるためにもがくうちに前へ進んでいく。’(そこまでチンがレールを敷いていたのか? 日常の暮らしを大事にするツールや書くことや)
▽42 生きなければ、というエネルギーはいろいろな出会いやきっかけによって少しずつ取り戻して社会活動もできるようになってきたのですが、悲しみは別。歳月が経てば経つほど、より深く迫ってくるという感じがあります。
▽57 数え切れないほどの人々との出会いがあり、支えを受けて、今の自分がある。だから、私が死んだ後も、私は誰かの心の中で生きられるかもしれない。死がやってきて肉体は滅びても、心はもう一つの世界で生き続ける。そういう形で、人の命はつながっていく物だと。精神性の命…次の時代を生きる人とつながっていくのです。…
▽79 人生はうまくいかなくてもともと。生きていると、いろんな苦しみ、悲しみがある。それにつきまとわれない人生があったら、例外だと思います。
絵本の力。チンも残している。これも学べということなのか。
▽118 自分がやりたいと思うこと、それをあきらめずに、ずっと貫いてきました。その道を歩くことで、つらいことでも、悲しいことでも、すべて自分で引き受けることができました。…悩み、悲しみ、つらさは全部、自分が生きる糧になっていると言ったらいいのかな。
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