優しいときは怪しいゾ

201310-2yasasi-ayasi

振り売りの魚屋のおばちゃんがいつもどおりやってきた。
ぞろぞろご近所が集まる。食堂のKさんが
「さっき、父ちゃん(←ゴロー)見たぞ!」
「黒いカバン持っとったがいに」とSさん。
魚屋のおばちゃんまで
「わても見た! 自転車で今、出て行ったゾ! 休みの日も仕事け?」
万全の町内監視体制。
「う〜ん、仕事じゃないと思う。アヤシイわ。最近優しいし」
と思わせぶりに言うと、
魚屋のおばちゃんは
「そりゃそーや!わても下心でもない時は優しせん!優しい時は怪しいゾ!」
と、もっともらしく言い放ち、
「はい、ししっぽ、2匹オマケ!」とカマスの干物と一緒に手渡してくれた。
「ししっぽ2匹」に込められたおばちゃんの下心を思うとオマケも素直に喜べなかった。

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