■やっぱりおもろい関西農業 高橋信正編著 昭和堂 20120707
都市型農業、狭い、近江商人の三方よし、など、関西の農業の特徴をふまえた取り組みを紹介。農業、流通、商売。それぞれの事例がおもしろい。
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▽25
近江商人に商人道を教えたのは呉服商で奉公した後に私塾を開いた京都の石田梅岩。「三方よし」
▽32 卸売り市場は京都が先駆け
▽36 こと京都 長ねぎ、カットねぎ、卵、洋菓子など。
▽観音山フルーツガーデン(和歌山) ネット販売 糖度至上主義ではなく、酸味のある甘いミカン。
▽68 エチエ農産(尾松) 「自ら野菜の詰め合わせbox」や「一品ボックス」などの野菜詰めあわせ箱商品を開発。
被害をもたらす鹿やイノシシを有効活用。解体処理場「京たんご ぼたん・もみじ比治の里」設立 肉は道の駅でも販売
▽75 奈良県・平群温室バラ組合
▽82 遠距離づきあい型のネットワークを通して得られる情報は、雑音が少なくクリアーで、戦略的内容を含んだ情報である場合が多い。
▽90 コシヒカリ 昭和28年に福井県農事試験場から、品種になる前の有望系統「越南17号」が京都府立農事試験場丹後支場に分譲されたが最低の収量で1年で試験をうちきられる。昭和32年に早期栽培に関する試験に再登場し、高評価に。田植え時期が昭和28年は6月19から20日だったのが昭和32年は5月9日……と一カ月以上も早かった。
▽和歌山・早和果樹園 105 マルチシートを活用。必要な水分と液肥をドリップチューブで施用し、糖度と酸度を調整。
ジュースの搾り方も、外皮つきでしぼる方式より、皮を剥いてしぼる方が味はよい。
▽114 京野菜と地産地消 農家と料理屋や家庭がつながる「御用聞き」という商売スタイルは今も京都にみられる。京都の農家は厳しい目をもった料理人や家庭人の五感にあう野菜づくりをしてきた。
一時すたれた京野菜 京料理の料理人たちが、若い時分に結成した「芽生え会」。昭和60年代に「どの野菜を食べても素材の味がしない」ことに懸念を感じていた。伝統野菜をつくりつづける農家は、市場流通に出荷できないことが悩みだった。生産者と料理人との直接取引がはじまる。
▽コウノトリ
▽128 平成20年に農商工等関連2法が成立。平成23年に「6次産業化法」が施行。
(資本がないと6次化も難しい=刀祢)
▽有機農業 136 神戸市西区の西馬正 神出有機栽培グループを結成。女性たちが農家女性グループ「ヘルシー・ママ・SUN」結成。各自が自分名義の預金口座をもち、売り上げを振り込むように下。「会の方針で決まってしもてな。私の名義で通帳をつくらなあかんねん」と説得。農村女性の自立
▽145 尾崎零 「べじたぶる・はーつ」 脱サラで有機農家に。3反5畝 どこまで規模を縮小してやっていけるかに挑戦した結果。
▽162 木材コーディネーター
▽172 大阪「いずみの里」 大阪初の農家女性だけの法人組織。朝市は「自ら値段をつけて売ることの喜びを味わったことが大きな収穫だった」
▽185 島根県布施二集落〓〓ファーム布施 補助金収入を加えることで、支払い賃金を含めて年間1戸あたり約30万円の収入を確保。
田植え後の懇親会「春を惜しむ会」「バーベキュー大会」「かかし祭り」
▽192 集落一体で営農。転出者をよび、交流の場に。直接電話で転出者に参加を要請。
▽196 田辺市上秋津地区 農産物直売所、農家レストラン、宿泊施設 旧小学校を使って「秋津野ガルテン」設立。「農業法人株式会社秋津野」
▽225 都市型ファーマーズマーケット 神戸・灘区の水道筋商店街(王子公園駅の南東)に毎月第3日曜日に連続開催。対面販売用の竹ブースを神戸大学の学生有志と制作。
▽233 商圏マーケティングデータ「市場情報評価(MieNa)」(市場情報評価ナビ)
▽268 (日本の農業も外国に打って出ればよい、という論に対して)2010年の日本の農水産物輸入額は7兆1194億円、農林水産物・食品の輸出額は4920億円(輸入額の14分の1)
、輸出果物のトップ・リンゴは64億円、野菜のトップ・ナガイモは20億円。希望の星のコメは7億円。
TPPに参加し関税がなくなり日本のコメ農家が長い間刻苦勉励して輸出額を100倍に伸ばしたとしても700億円。焼け石に水。反対に完全がゼロになれば、「輸入米が国内消費の半分になる」と試算する大学教授もいる。
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TPPで日本の農業はどうなる
橋下のようなファシズムはどうなる
沖縄の基地問題は
教科書問題は
それぞれの未来予想をしておくべきではないか。それを後から検証するべきだなと。
尾松さんに布施と能登の記事
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