■王様文庫 251230
弟の豊臣秀長が、兄の秀吉の人生を紹介するという仕立て。
墨俣の「一夜城」など、秀吉は天才的な軍略家というイメージがある。だが彼のすごさはいくさのうまさではなく、複数のグループに仕事のはやさを競わせて効率をあげるなど、人づかいのうまさが抜群だった点にあるという。もともと武士ではない秀吉には、武士出身者にはない、商人や百姓の合理的な精神と知恵をもっていた。
弟の秀長が亡くなると、重石がとれたように黒歴史がはじまる。猜疑心から利休を殺し、秀頼が生まれると甥の秀次と妻子数十人を誅殺し、はては朝鮮半島に出兵する。「秀長さえ生きていれば、豊臣政権がつづいたのでは」と思わせる構成になっている。
秀頼は身長190㎝もある大男で、チビだった秀吉とは似てもにつかなかった。秀吉の子ではないのではないかと疑われている。浅井長政の血をくむ子が天下人になることで秀吉に復讐する、という意図が淀君にあったのではないか……といった推論もおもしろかった。
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