05環境・農業– category –
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菜園家族宣言 〈小貫雅男 伊藤恵子〉
■菜園家族宣言 〈小貫雅男 伊藤恵子〉 家族はいわば細胞である。外から血液で栄養が運ばれ、細胞質内では生産活動も繰り広げられる。 ところが今、家庭のなかから生産の要素が消え、消費だけになってしまった。細胞質がひからびて細胞壁と核しかなく... -
農村の幸せ、都会の幸せ <徳野貞雄>
■農村の幸せ、都会の幸せ <徳野貞雄> NHK出版 20100213 おもしろい。筆者は熊本大の教授で「道の駅」の名付け親でもある。過疎と高齢化に悩む農村だが、実は潜在的な力があり、住民みずからが地域の歴史や文化を再評価し、都会に出た息子た... -
農協の大罪 「農政トライアングル」が招く日本の食糧不安 <山下一仁>
宝島新書 20091201 戦前、農水官僚は小作人を応援し、議員らは地主とつながっていた。 戦後、小作人を基盤にした農民組合を無力化し農村を保守地盤にするために農地改革が実施され、全員が「地主」になり、保守の金城湯池となった。 農地改革によっ... -
自主独立農民という仕事 佐藤忠吉と「木次乳業」をめぐる人々 <森まゆみ >
ハジリコ 20080311 木次乳業をつくった木原忠吉さんの半生の記録。 木次は、たたら製鉄が戦前まで継続していた。エネルギー革命と繊維革命で、たたら製鉄はもちろん、副業だった炭焼きや和紙、養蚕がダメになる。和牛もすたれる。タバコもうまくい... -
わら一本の革命 <福岡正信>
春秋社 200812 福岡正信氏は2008年8月に亡くなるまで、いかに手をかけず野菜や果物をつくるかを追求し、何十年も試行錯誤を繰り返した。その結果、不耕起直播の米麦連続栽培が生まれた。密柑山は、高木・ミカン・クローバー・野菜……が立体的に生育し... -
砦に拠る〈松下竜一〉
ちくま文庫 20081001 筑後川の上流、阿蘇山北麓の志屋という小さな集落に、下筌ダムと松原ダムという2つのダム建設計画がもちあがった。 主人公の山林地主・室原知幸は、大正デモクラシーの時代に早稲田で政治を学び、「大学さま」と呼ばれる... -
生活環境主義でいこう <嘉田由紀子語り 古谷桂信構成>
20080715 岩波ジュニア新書 嘉田氏は新幹線の新駅着工をとめ、ダムの建設に異を唱える話題の滋賀県知事である。この本を読むと、彼女はまさに、フィールドワーカーとして滋賀県の隅々まで歩いた滋賀県版の宮本常一であることがよくわかる。 埼玉の農家に... -
百姓が時代を創る <山下惣一、大野和興>
七つ森書館 20070729 農「業」はダメになるが、「農」は生き残る。農的生活は必要とされる魅力にあふれている。「業」として生き残るためには大規模化となるが、「農」には小規模のほうがよい--と説く。なるほど、と思う。「農業労働者」ではなく「百... -
地域を変える市民自治 井手敏彦の実践と思想
緑風出版 20060917 井手氏は沼津市長時代、ゴミ分別を全国に先駆けてやりとげた環境問題の先駆者だ。 「環境問題の人」というイメージだったが、もっと奥深いものがあったことを知らされた。 ゴミ分別の「沼津方式」は、差別されていた清掃労...