嵐の夜に

記録的な暴風で、駐車場のポリカーボネート製の屋根が吹き飛んだ。
あまりに音がひどいので、たまたま様子を見に出たら、
屋根が風にあおられてとばされた瞬間だった。
私より早く気付いた近所のおばさん達が、一緒に拾い集めてくれた。
足の悪いSさんまで、重たい屋根を運んでくれた。
屋根の残った部分がまだ危なかったので、どうしようかと悩むまもなく、
様子を見に来たHさんのだんなさんが脚立に登って
強風の中、応急処置をしてくれた。
吹き飛んだ屋根が、よその家のガラスや車を傷つけなかっただろうか、と翌日あいつに回ったら、
「なーも、なーも。自然のことやさけ〜」と、おおらかに笑ってくれた。
脚立やハシゴはみんな家にあるのが当たり前で、自分たちで直してしまう。
風速30メートルでも消防がさほど出動しなかったのは、都会の金沢と違うところ。
高齢過疎と言うけど、なーも、なーも。
生活スキルの高さとご近所力を考えると、都会なんかよりよっぽど安心安全だ。

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