グローバリズムか郷土愛か へしこ比べ

201411fukui-hesiko
福井へ行ったお土産に、「へしこ」(鯖のぬか漬け)を買ってきた。
能登のへしこ(「こんか鯖」と呼ぶ)に比べて、
福井の「へしこ」は原料にノルウェー鯖を使っていることが多く
脂がたっぷり、そのうえ塩分控えめ。
おまけに「お寿司」「スパゲティ」…とレシピも豊富。
市場は「福井のへしこ」優勢だ。
以前輪島の人に「福井のへしこ」をおすそわけでもらったとき、
「輪島で『福井のへしこ』を持っているのがバレたら殺されるぞ!
隠して持って帰ぇれ!」と脅かされた。
輪島の人間が「福井のへしこ」を食べることは、
郷土への裏切り行為に他ならないのだ。
お土産に買ってきた福井の「へしこ」を、
こっそりお裾分けに持って行った。
お向かいのおばちゃんは
「福井のけ? しょっぺくねーやつだろ? うれしい!」
とたいそう喜んでくれた。
塩分摂取過多の能登においても、「減塩」はスタンダードになりつつある。
その一方で、昔ながらの地元の味も大事にしたい。
グローバリズムと郷土愛のせめぎ合いの結果、
「『福井のへしこ』を隠れて食べる」という、ややこしい状況になっている。

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