10月 032014
 

201409-3rekisinetuzo
ご近所のじいちゃんがなくなって半年以上たった。
毎年夏になると庭越しに聞こえてくるじいちゃんの
「だらばばぁっ!!」と、ばあちゃんを叱る声が、
今年の夏は聞けなかった。
当然、ばあちゃんの反撃の声を聞くこともなく、平穏な夏だった。
ばあちゃんは
「あんなじいちゃんやったけどな、おらんようになるとさみしいもんやぞ。
あんたも父ちゃん大事にしまっし」と、縁起でもないことを私に言い聞かせる。
「そうですね。でも長患いもしなかったんだから、
おばちゃんのお世話がよかったんだよ」と慰めると、
「ほんとに、母(かぁ)孝行やった」。ばあちゃんはしんみり続ける。
「なくなる1週間前も、父ちゃんが急に風呂一緒に入ろうなんて言い出してな、
今更父ちゃんのちっちぇーちんぼなんぞ見たないさけ、
なに言うとんやいうて断ったけどな…」
いい話なのか、聞いてはいけない話だったのか…。
最近も
「父ちゃんな、なくなる3日前、わての手をさすりながら、
『愛しとる』言うたんや」と遠い目で語り始めた。
とっさに「歴史のねつ造」という言葉が思い浮かんだ。
じいちゃんなき今、証言の裏がとれないけど、
思いでは美しく…ってコトでま、いいか。

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