刑務所で見せられないサカクモ

2012.1.27号週刊朝日「ホリエモンの獄中記」より。
【11月8日 そうそう。NHKの大河ドラマ枠は数少ない生で視聴できる枠なのだが、年末の「坂の上の雲 第3部」はどうやら放送されないようで、くだらない録画バラエティ番組をやるらしい。ガーン!残念だ。】
同文によると、長野刑務所のテレビ番組は、受刑者にチャンネルの選択権はなく、刑務所側が決めたプログラムで放映されるのだとか。全国共通ではないらしい。
大河ドラマは放映しても、スペシャル大河ドラマの「サカクモ」はアウト。これいかに?

余談だけど。
サカクモの最終回をチラ見した。
死傷者がたくさん出たことについて、好古が「こんな戦はいかん!」みたいなこと言ったり、真之が三笠艦内の負傷兵にいたわりの眼差しを送ったり、ロシア兵に合掌したり、死屍累々、ドラマでは「悲惨な戦争」に対し主人公達の心を痛めているシーンが繰り返された。原作がどうだか知らないけど。
これがNHKの「戦争賛美にはしません」って、胸を張っての配慮なのだろう。
あ〜、でもこれじゃ「侵略戦争を正当化するのか」と危惧する人たちと、永遠にかみ合わないだろうな…。
せめてNHKは、原作者も拒んだドラマ化を制作したのか、ひとことの説明があってしかるべきだった。
でなきゃ「やっぱ番組改変問題とのバーターだったのか?」
と痛くもない腹(←痛い?)を探られるゾ。坂の上の青い天に一だの疑問点。
「戦争賛美」を避けるためか、「悲惨な戦争への反省」を秋山兄弟を通して表現することも、彼らを神格化してるようでかえってヘンな感じ。
真之は「実に203高地の占領いかんは大局より打算して、帝国の存亡に関し候えば、ぜひぜひ決行を望む。(中略)旅順の攻略に4,5万の勇士を損するも、さほど大なる犠牲にあらず、彼我ともに国家存亡の関するところなればなり」と、乃木宛に出した手紙で言っている。
先生になったとか、子どもを軍人にしなかったとか、後はどうであれ、エリートのメンタリティなんて、そうそう変わるものではないと私は思っている。
ま、99%の人が1%の富裕層に向けてデモ行動を起こす今日この頃、自分が甲板の上の人間だと思えるおめでたい人もいないだろうけどね。

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