仁義なき戦い 新春編

正月をゴローの実家で過ごす。
甥っ子のU太郎はこの春で小4、姪っ子サナエは6歳で年長さん。
見た目に成長あれど、中身は相変わらず。
目が合えば小競り合いを繰り返している。

U太郎は典型的なおバカ男子。
どこで覚えたのか英語を話す…といっても、ハロー!だが。
母国語は「うるせー、バーカ、くそジジイ」の3語で
器用に日常会話を成立させている。

オラオラ系くせにヘタレなU太郎。
ゴローに羽交い絞めにされると、
「クソジジー、やめろ!」
ギロリとにらんでスゴんだかと思えば、
「おい、やめろよな!」→「やめてっ!」→
「やめてください、お願いします!」…
4段階活用であっという間に嘆願モード。
仕舞にこしょばされて、
「笑い死ぬ〜!」と涙を浮かべて喜んでいる。

「U太郎、ケンカ強い?」と聞かれ
「うん、まぁまぁ」と鼻を膨らませる。
「勝てるんか?」
「弱いヤツとするし!」。
エバって言うな!てか、それ、いじめじゃん…。

サナエも相当の負けん気の持ち主。
「バーカ⇔カーバ」、「チービ⇔ジジイ」、
「くそチビ⇔くそジジイ!!」…
ヘイトスピーチの応酬に歯止めがかからない。

U太郎の出したパンチがまぐれでキマって、サナエはギャン泣き。
かあちゃん登場。U太郎を隣に座らせ、
「どうしてケンカばかりするの!」
ところが「制裁」になれっこになってしまってるのか、どこ吹く風。
「Why〜?」肩をすくめるU太郎。
「なぜじゃない!こっちがどーして?って聞いてるのっ!
whyの使いかたも間違ってるっ!」
もはやなにに怒っていいのかわからない母ちゃん。

そして、お兄ちゃんらしくしろ、という意味を込め、
「あんた、(妹の)いくつ上なの?」とたしなめると、
母ちゃんの肩に腕を回し、
「4歳上だし」耳元でささやく。
「そこでカッコつけんな!」
母ちゃんは説教する気も失っていた。(つづく

 

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