妄想炸裂! 賛成オジサン

201509-4d-sansei

【キゼンとした主張だけど、なんとなく足下に緊張感がない賛成派】

地元のママさんたちが主催する安保法制の集会に行ってきた。

賛成派の日本会議のオジサン&ニイチャン、
反対派のママさん代表&弁護士さんが司会者の質問に答えていくスタイル。
「お互いの意見を聞く場だから議論はなし」とのこと。

事前に配られた資料を見を通す。
反対派は「声明文」にはじまり、法案に反対している
さまざまな団体のホームページアドレスを列挙。
法案の変更・新設事項を逐一書き出していた。
それに対し、賛成派は
【①終戦②日本国憲法③サンフランシスコ講和条約④国際連合加入⑤砂川判決】 と、
名称だけ書き出したA4の紙1枚。えっ?!これだけ?

「法案の必要性」を聞かれた賛成派のニイチャンは
「安全保障環境の変化」を挙げ、
米軍事・経済力の低下、一方で南シナ海(尖閣)、
ベトナムなどにおける中国の軍事拡大、
さらに「スクランブル発進回数の増加」やサンゴ密漁漁船、
ガス油田、領海問題など、「中国脅威説」をまくしたてた。
どこかで聞いたことあるなぁ〜と思ったら、「日本会議」の声明文そのままだった。
http://www.nipponkaigi.org/activity/archives/7593

さらに「そもそも日本にスパイ防止法がないから拉致問題が起こった」と、
北朝鮮脅威論も持ち出したり、
「友達が助けを求めてるのに助けるのは当たり前だ」と、全方向フルスペックで力説。

賛成派のオッチャンは「メリットとデメリットを考えなあかん」と、「支部長」の貫禄を漂わせつつ、
安保法案がなければ(自国の犠牲者?が)8ケタ違う」とメリット?をあげ、
さらに「今のままでは『中華人民共和国日本自治区』になる」と煽った。
会場のドン引きも気に留めず、
「弁護士の子供は(あとがめんどうだから)いじめられない」
「プロレスラーにケンカは売らない」と、
「抑止力」についてアベ顔負けのたとえ話を滔々と語った。

法案の必要性や合憲性については、
●「砂川判決で合憲が確定している。」
●「『国際協調を遵守する』ことを条件に国連に加盟した(ので、集団的自衛権は必要)」。
●憲法9条があって、なぜ竹島や尖閣の問題が起きてるのか
(憲法守って国滅ぶ、と言いたかった?)
ツッコミ…じゃない、反論など寄せ付けぬブレのなさだった。

てゆーか、砂川判決ひとつ取っても、田中最高裁長官の密約とか、再審請求とか、
情報がアップデートされ続けてるっちゅーのに、「合憲」の一点張り。
「議論」などできるはずがなく、プチ国会状態。
201509-4d-hantai

【主張も見た目も枯れた…じゃない、落ち着いた印象の反対派】

脅威論に対し、反対派のママさんは
「武力より国際貢献の方が抑止力につながる」と主張。
弁護士おじさんは、「集団的自衛権を認めれば、
自衛隊の合憲の根拠を失う」など、
法案の違憲性や立法手続きの問題点などの話をした。

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今回の法案で賛成派オジサンの唯一の懸念は、
「時の政権に判断が左右されること」だそうで、
「阪神大震災の時、村山内閣の自衛隊出動要請が早ければ
1000人は命が助かっただろうと言われる」
「安倍さんはかなり信頼できるけど、リーダーによっては国益を損ねる」と、
この際とばかりに村山や民主党政権を批判した。

「1000人」といい「(犠牲者?)8桁」といい、
数字を出されると論拠などなくともミョーな説得力を持ってしまう。
ザックリした脅威論をこれでもか!とあおられた後だと、
「経済的徴兵制」の心配を訴える「反対派」が「お花畑」に見えてしまう。
賛成派の妄想には、「盛り過ぎ〜」と笑ってスルーが対処法か。

「議論はしない」とはいえ、レベルが違いすぎやろ~!?
と、イラついていたワタシだけど、
パネリストや司会者を含め主催者の人たちは、
「よく参加してくださいました。違う意見が伺えてよかったです。
平和や国を思う気持ちは同じです」とまとめ、
お世辞じゃなく賛成派の人に心から敬意を表していた。
オトナじゃん!偉いっ!
コイツはどっちだ!?と、ファイティングポーズをかまえ、
人を見てしまう自分を反省しました。
(ちなみに正解は④です)

 

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