「ひょうすべの国」を読む

5・3憲法記念の日。
「ひょうすべの国」(笙野頼子・河出書房新社)を読む。

「ひょうすべ」=「NPО法人・ひょうげんがすべて」と
「ちかんやろう」=「知と感性の野党労働者党」に支配された、
「にっほん」国の話。

2007年には「だいにっほん、ろんちくおげれつ記」が刊行され、
「ひょうすべ」はTPP批准以降の物語。

政治イデオロギーではなく、「カネ」がものをいう世界。
病人が、少女が、たべものやことばが喰いつくされる。

「現実が小説を超えた」どころか、
底なし沼に引き込まれるような気分。
てゆーか、
「現実」と「小説」、どちらが底なし沼なのか…。

とりわけ若い女性への国家のまなざしに、
「日本の伝統」を重んじる現政権のホンネをかいまみる。

「自由意志」に基づく洗練された手口で。
それだけに絶望が深い。

すべては「カネ」。
「明治の地主」気分でオンナコドモから、
性や労働力を搾取する。

目上のものを敬い、和を重んじる道徳的価値観を
ことさらにありがたがるのも、「教育勅語」も、
「労務管理」として、
使い勝手がいいと考えてのことなのだろう。

ただし。
「にっほん」国の政権は経済界の言いなり。
「本丸」の場所をとらえている。

 

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