そば打ち (下)

そば打ち2

 なにかと上から目線のオヤヂによるそば打ちコーチングの様子を他のオジサンがのぞきにやってきた。
「どうですか?うまくできますか?」
「ばっちし、っすよ。鬼コーチがついてますから」
とオヤヂを指さすと、オヤヂは真っ赤になって困った顔をしていた。
ソバを危なっかしい手つきで切っていると、オヤヂが
「そうそう、その調子」と今度は急に優しく声をかけてきた。
ここぞとばかり、
「鬼コーチってチクったら急に優しくなった~!!」とからかうと、
「コラ!アンタの名前を教えなさい。記憶しておきましょう」
とお説教。
「私はレイザル。オヂサンは?」と聞くと、
山の麓の大きな銀杏の木を指さした。
この集落のお寺の和尚さんでした。
ゴ~ン。

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