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ボローニャ国際絵本原画展

 西宮市の大谷記念美術館に「ボローニャ国際絵本原画展」を見に行った。10年ぶりかな。

 いろとりどりのプラスチックをたっぷりつかってたのしく生活したら、それが海にながれて、魚がたべて、プラスチックでいろどられた魚を「ああ、おいしい!」と人間がたべました……。
 そんなわかりやすい話を、うつくしくたのしく描いてしまう。1枚1枚の絵がアートとして独立しているから、説教くさい教育漫画にならない。
 たくさんの自転車が疾走するロードレースの絵も、レースをえがくのかとおもったら、レースの一団が虹色の風になってしまう。
「空」を主人公にして、空の目から人間の様子を観察する。
 タンポポになりきって、上をはしる自転車や鼻をちかづける犬、タンポポをつみとろうとする女の子……をえがく。かわいい女の子がおそろしい怪獣にみえてしまう。
 精神的につらいときは活字は読めない。漫画は読めるけど、直線的な物語を「消費」しておわってしまうことがおおい。
 でも良質な絵本は、物語を無視しても、1枚1枚の絵が独立してたっている。逆に、ふつうの絵画とちがって、物語が絵の理解を適度にうながしてくれる。
 アートと物語の中間にあるからかな。いろいろな想像力をかきたててくれる。そんな力をかんじる展示だった。

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