■2021年8月8日
菅義偉は、雪深い東北から法政大学に進学して、秘書からのたたき上げで総理の座までのぼりつめた。人事で支配する陰険な男という印象だが、義理堅く、気配りをする一面もあるらしい。表裏がある政治家が多いなかで、管の言葉は信用できるという。
杉田官房副長官や、伊藤詩織さんの事件で山口敬之の逮捕をやめさせた中村格の二人は元警察官僚で内閣情報調査室。彼ら(つまり警察)を使って情報を集め、モリトモ問題で積極的に証言した前川喜平らをスキャンダルで脅した。
国会答弁も同じことをくり返すばかりでまともに答えようとしない。そのからくりや狙いもあきらかにする。
一方、立て板に水の政権を正面から批判するのが赤旗と文春だ。安倍の「桜を見る会」や管の「官房機密費」流用疑惑をあきらかにした赤旗の記者を取材すると、「大手メディアが取りあげないのがむしろ不思議だった」と言う。政党機関誌ではあるけど、ごくまっとうな取材を重ねていることがよくわかる。
今の政治と国会とマスコミの現実を知り、正面から批判するにはかっこうの作品だ。日本の政治の問題を理解するために多くの人に見てほしい。
一方で、ストーリーの展開が平板でわかりやすすぎて意外性がない。よくもあしくもミニ・マイケル・ムーアだった。
諸肌脱いだ女性賭博師が登場したり、セクシーポーズの外国人女性が寝転がっていたりと、ジェンダー的には問題のある描写も。その程度はまあご愛敬か。
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