1968年の高畑勲の初監督作品。
ホルスという孤独な少年が、悪魔の脅威にさらされる村に住み、村人とともに悪魔を倒すという物語。ホルスが村に導いた孤独な少女ヒルダは実は悪魔の手先だった。村人を惑わし、ホルスを村から追い出すが、ホルスや村の子供たちとの交流によって人間の心をとりもどす。
一人では悪魔に対抗できないけれど、力を合わせれば克服できる。70年安保の時代らしいテーマ設定だ。1985年にはじめて見たとき、テーマの古さは感じたけれど、「みんなで生きる」というまっすぐさに共感し感動した。
今回はそれほど心を動かされなかった。
病院にこもっていた2年ほど前、ちょっとでも気分を明るくしようと多くの映画やアニメを見た。深刻なものやホラーはダメだが楽しいだけの作品は空々しい。いわゆる「癒しの音楽」も受け付けなかった。
「アルプスの少女ハイジ」や「未来少年コナン」あたりが一番いやされた。音楽では「かもめ合唱団」がよかった。
これらの作品にあって「ホルス」にないものは何だろう? 「みんなで生きる」が強すぎて、一人ひとりの人物への愛が希薄になっているのだろうか。
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