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金魚と柳沢吉保の大和郡山

 4月はじめ、うららかな天気にさそわれて大阪環状線に乗ったら大和路快速だった。せっかくだから奈良まで行くか、と、のりつづけ「大和郡山」でハッとおもって下車した。

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 たしか金魚で有名な町だ。
 飛騨古川や津和野は、堀に錦鯉がおよぐ風景が印象的だった。金魚が泳ぐ町ってどんな風景なんだろう?
 駅でおりてちょっと歩くと薬園八幡神社。「薬園」にひかれた。薬草がいくつか境内に植えられているが、とくになにもない。

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 「箱本館」という古民家が観光の拠点らしい。箱本というのは江戸時代の自治組織。近辺は藍染の職人町で、豊臣秀長のときに成立したという。

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 桜祭りをしている城跡には柳沢神社がまつられている。祭神はなんと、徳川綱吉の側用人から大名に出世した柳沢吉保だ。
 柳沢吉保は貧乏旗本から徳川綱吉にとりたてられ、大老まで出世した。大名になり、甲州の藩主となった。その息子の代に大和郡山に移封された。
 水戸黄門でも赤穂浪士でも、汚職とおべんちゃらのイメージしかないのだけど、実は、埼玉の三富新田の開発で、雑木林の落ち葉を堆肥として活用して土壌を改良するなど、善政をしいていた。たしか甲府でもまつられていた。

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 柳沢家が甲州から郡山に移封されたとき、金魚を家臣がもちこみ、藩士の趣味として流行し、幕末には藩士の内職になった。
 明治になると、農民が水田を飼育池とすることで広まった。現在85戸が20数種の金魚を飼育し、100ヘクタールの養殖池で年間5000万尾を出荷している。全国の60%を占めるという。
 でも、町の水路に金魚が泳いでいるわけではない。どこで養殖しているのか?

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 業者がつくった資料館があるというから郊外まで歩いた。残念ながら休館だったが、周囲は鳥除けのひもやネットをめぐらせた養殖池だらけ。水田を養殖池に転用したことがよくわかった。
 世にも珍しい金魚の自動販売機は稼働していなかった。

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金魚の自販機!
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