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自転車で間垣のムラへ あわびまつり

年に一度の「あわびまつり」だ。30度を超える暑さだが県外ナンバーの車が多く、朝市周辺はにぎわっている。「まつり」の会場のマリンタウンに行くと、アワビやらサザエやらの海産物がずらり。海女さんがつくったというアワビ飯がうまそう。海産物のバーベキューの香ばしいにおいが漂ってくる。若い海女さんはきれいな子が多いし、おばさんも表情が魅力的だ。「海女の子はみんな気だてがいい」と、多くの人が言う。なぜなんだろう。
 12時半、自転車で海岸沿いを西に向かう。袖ヶ浦は海水浴客がぽろぽろと泳いでいる。きれいな海岸なのに、このすきっぷり。砂浜よりも磯の方が魅力的だ。シュノーケルをしたいなあ。でも最近は密漁の監視が厳しくなっているという。鵜入までは6キロちょっと。ここからは急坂の連続となる。
 日本海は真っ青。岩場で潜っている人がちょこちょこ見える。13時、ゾウゾウ鼻の展望台にのぼる。25キロ先の七つ島と50キロ先の舳倉島が水平線上に浮かんでいる。
 10分ほどで赤崎の集落に。立派な蔵や、黒い瓦の民家がある。冬場はまた異なる印象になるのだろうが、貧しさやわびしさはみじんも感じられない。神社は白山神社だ。そういえば島根にも白山神社があった。白山信仰はどこまで広がっているのだろう。西保小学校はコンクリートの立派な校舎だ。
 急な坂をくだり、降りきった入り江が大沢町の集落だ。漁港で海藻を干している。「きょうがエゴの解禁日だ」と言う。エゴは、トコロテンのようにして食べる高級食材だという。年々、収穫量は減っているというのは温暖化の影響だろうか。
 家も商店も駐在所も、間垣という独特のニガ竹の垣根に覆われている。冬場の北西からの強風へのそなえだ。夏には西日をさえぎる役割もあるらしい。
 支柱となる丸太が一間ごとにあり、その間の高さ4、5メートルのニガ竹を交換するという。手入れは大変だろうけど、景観はすばらしい。
 海沿いを10分ほど走ったところにある上大沢町も間垣の集落だ。その垣根の下で、座り込んだおばちゃんたちが、乾燥した「エゴ」のゴミをとっている。何度も何度も水で洗うと透明になっていくという。
 それにしてもこのへんのおばちゃんは明るくて社交的だ。「おにいちゃんどこからきたん」からはじまり、「写真撮らせてね」と言っても嫌な顔ひとつしない。大阪のおばちゃんに似ている。この開放感は北前船などの伝統によるのか、別の理由があるのか……「輪島に連という居酒屋があるから行ってみて。ここの出身で、ここのばあちゃんがつくった野菜をつかってるからおいしいよ」
 ここから門前の皆月までは海岸沿いのハイキング道がある。自転車だから今回はあきらめる。
 西二又川の川沿いを上流へ。男女滝に出る(13時50分)。ウオータースライダーのようななめらかな斜面はすべったら気持ちよさそう。
 ここからは急坂に。もう人はいないはず、と思ったら田んぼが現れる。水があるところはことごとく棚田をつくっている。上山の集落を越えるとさらに坂はきつくなる。標高300メートル近くまでのぼっただろうか。峠を越えてちょっと下ると西円山の集落に出る(14時50分)。ここまでで22キロ。まもなく国道に出てあとは一気に輪島にもどった。
 15時半着。走行距離は35キロ。平均時速は15キロだった。ペットボトル1本と麦茶500ミリリットルを飲んだ。

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