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2015沖縄9 みさき食堂・白保再訪 しま膳

朝起きたら大雨だ。離島に行くのはあきらめてレンタカーで石垣島を1周することにする。ガソリン代込みで1日4500円。
まずは郊外にある八重山平和祈念館へ。

八重山平和祈念館-4

八重山は米軍は直接上陸しなかったが、マラリアで多くの犠牲が出た。
軍によってマラリア有病地へ強制避難させられた。特効薬のキニーネもなく、ヨモギやニガナの青汁で「治療」するしかなかった。(キニーネはキナの木の樹皮からつくった薬)
全人口31701人のうち16884人がマラリアに罹患し3647人が死亡した。
昔ニカラグアの大西洋岸のハリケーンの時、人口の4分の1がマラリアに罹患して驚いたが、そんなものではないのだ。
戦後、米国のチャールズ・ウイラーの指導でWHOの方式で撲滅キャンペーンを実施した。ハマダラ蚊の駆除に加え、蚊が発生しないような生活習慣の教育などを徹底した。その結果、1962年にゼロになった。
平和の大切さがわかる。戦争は、すべての力を軍事に費やし、それ以外はないがしろにされる。直接の戦闘がなくても究極の人権侵害につながることがわかる展示だ。
マラリアは撲滅したが、ハマダラ蚊は今も生息している。有病者がいればまた流行する可能性がないわけではない、というのは不気味だ。

島の外縁を時計まわりに進む。海沿いにはいくつもリゾートホテルができている。
突如、豪雨と突風に襲われた。サトウキビ畑から赤い水がざぶざぶとあふれて、道路上が赤い川になっている。その水が海に流れこむ。これがサンゴを殺す。赤土被害はこういう雨の日に見るとよくわかる。

赤土流れる海-4

川平湾にある琉球真珠の店に入った。川平ファームのパッションフルーツのジュースを飲んだ。

川平湾-5

島のあちこちに「売り土地」の看板がある。それだけ買う人も多いのだ。

サトウキビ畑赤土-5

サトウキビ畑のなかを走り抜け、ヤエヤマヤシの群落へ。
高さ20メートル以上のヤシがすっくと天に向かって直立している。

米原ヤエヤマヤシ群落-8

街路樹のヤシはあるが、ヤシばかりの森は、沖縄ではじめて見たかもしれない。迷彩色のような幹の色も独特だ。

米原ヤエヤマヤシ群落-10

根元には明るい緑のオオタニワタリがはえている。おいしそうだ。

米原ヤエヤマヤシ群落オオタニワタリ-3米原ヤエヤマヤシ群落-13

昨年シュノーケルをした米原海岸は、カフェが増えている。お世話になったオリオンというツアーガイドのオフィス兼住宅の前を通過し、昨年昼食をとった「キッチンみさき」という店へ。店には床がなく、土の上にサンゴが敷き詰められている。

みさき食堂-3みさき食堂-4

みさき定食とイカスミソーメンチャンプルを頼む。

みさき食堂-7みさき食堂-8

おばちゃんは話し好き。自衛隊のリクルートの資料が孫に届いて戸惑っていた。「軍」への違和感が沖縄には残っている。地元紙は八重山新報と八重山毎日があるが、おばちゃんは後者をとっている。新報は右翼的な傾向があるようだ。
1500坪の畑にはパパイヤが実をつけている。パパイヤは植えてから収穫まで7カ月かかる。実をシリシリしてちょっと水をかけて氷らせておき、必要なときに料理に使う。島ラッキョウは全滅のリスクを避けるため、集落のみんなで少しずつ時期をずらして植えている。毎日朝7時から10時までは草引きに追われるという。

みさき食堂-10みさき食堂-12

定食は山羊の刺し身と、石垣牛のハンバーグ、目玉焼き、ポーク缶2枚、パパイヤの炒め物、モズク、ソバ小、豆腐。
マンゴジュースとアイスコーヒーをおまけしてくれた。「去年も来た」と話したら、モズクをおみやげに持たせてくれた。
「60歳だからいつまでやれるかわからんって言ったら(バレーの仲間のオリオンの奥さんから)おばあ食堂をやろうと言われた」という。子ども1人は福岡だが、娘2人は地元にいて忙しい時は手伝ってくれる。
外はまた雨と風が強まってきた。「旧暦の2月と10月はカジマイ(風舞い)といって天気が荒れる」らしい。明日が旧暦の11月1日だ。ちょっと来るのが早かったのかもしれない。

平久保崎灯台へ-11

石垣の北端の岬へ。牧場がつづく。断崖の風景は独特だ。14年前に来ているはずだが、あまり記憶がない。

平久保崎灯台へ-14

白保のサンゴ村に寄った。昨年は休館で入れなかったから14年ぶりだ。建物が中庭をロの字に囲んでいて気持ちよい。

白保サンゴ村-4

白保の家の瓦をとめる漆喰は、テーブルサンゴを焼いて白石灰にしたものに藁と水を加えてつくっている。礎石もサンゴ。庭にもサンゴ片を敷き詰める。石垣もそう。サンゴが建材なのだ。
海に岩で囲ってある部分は昔の港だと思っていたが、「海垣」という。満潮時に魚がそこに入って、干潮時にそこに残る。農家がそうやって魚を捕っていたのを復活した。白保はもともと農業の村で、漁師は外から来た人が多かったらしい。

白保おじいの小屋周辺-5

黒んぼおじいの小屋はまだあった。でも、おじいはいなかった。

白保おじいの小屋周辺-13

16時すぎに離島ターミナルに帰ってきた。
夕食は去年も行った市役所近くの「しま膳」へ。

しま膳-5

・石垣地ビール
・付け出し ゴボウとこんにゃく?

・バダラ唐揚(イワシの一種。鱗が白く浮き出ている。さくさくした歯ざわりで抜群のおいしさ。この店の一番人気。去年も食べたのを思い出した)
しま膳-9

・島タコの酢の物
しま膳-12

・ラフテー味噌煮(ふつうは醬油と砂糖で甘辛くするが、ミソで煮るとあっさりしておいしい)
しま膳-10

・グルクンチリソース(タマネギ、ニンジン、ニラ、ピーマンの入ったソースをかけてある。グルクンが香ばしくておいしい)
しま膳-14

・ジーマミ豆腐の揚げ出し(1年ぶりに来た、と言ったらサービスしてくれた。二重のおいしさ)
しま膳-16

・刺し身盛り合わせ シマダコ、イラブチャー、クロダイ、マグロ、セイイカ、シメサバ、サーモン。
しま膳-18

(刺し身は南国はたいしたことがない。だが、この脂っ気がないさっぱりした身が、泡盛といっしょに食べるとおいしく感じるのは不思議。かなり大盛りにしてくれた)

レンタカー4500円
八重山平和祈念館200円
アイスとジュース 1000円
みさき食堂 1600円
おみやげ 月餅2000円、ピーナツあんのお菓子〓2000円、黒米など1000円、湯飲み1400円
宅配便料金(10キロ)2800円
しま膳 7500円
コンビニビールなど 1500円
ホテルから石垣港-3
翌日は朝、港から空港まで路線バスに乗る。

石垣港の弁当とおにぎりかまぼこ-7石垣空港-7
港で買った。かまぼこのなかには味付けごはん。
空港で最後に食べたマグロの中身(内臓)のチャンプルー。

ピーチエアラインで関空へ。7泊実質7日の旅が終わった。(おわり)

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