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夏の隠岐自転車紀行2 聖地巡礼

6時起床。パンを2つずつ食べて荷物をあずけて午前7時に出発する。
朝靄の入り江は美しい。
西郷の街を抜け西郷湾沿いを西に向かう。間もなく登りにとりつく。

「もうしんどい。あかん。やっぱ都万までや」とレイザルは早くも音を上げる。加茂という集落への分岐を過ぎるとさらに急な登りに。最後はトンネルで峠をこえる。一気に下り、蛸木でまた少々のぼり、午前8時に津戸という集落への分岐にたどりつく。ここまで12キロほど。

マリンスポーツの拠点になっているホテルなどの施設がある。西海岸の都万は東海岸に比べて気候が穏やかで、マリンスポーツには最適なのだという。


(風変わりなカマキリがいた)

津戸は、我々B組織にとっては組織創設者(教祖)の出身地である。「聖地」巡礼は当然義務である。
坂をのぼり、また下って10分ほどで赤や黒の瓦屋根が見えてくる。岬の先端の漁港と周囲の平地に家々がへばりつく津戸はほかの集落から隔絶されていて別世界だ。

漁港に出てきたおじさんに「(教祖)Rの家はどちらですか。大学の後輩なんですが」と言うと、「おーっ、あいつか。うちの組だ。神社の目の前だ。妹さんは看護婦をしとる。いい子でだれの嫁になるかと思ってたんだ……」と言いながら案内してくれた。

神社の石段わきの水道には50センチほどもあるシャコ貝ような貝が水受けに使われている。高台にある神社からは集落の瓦の屋根が一望できる。ミンミンゼミとツクツクボウシの声が響く。

津戸の簡易郵便局は民営化後に閉鎖されたようだ。年金などを引き出せなくなり、困っている年寄りも多かろう。昔懐かしの丸ポストがある。

【つづく】

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