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有福温泉(下)2011

2011年2月、1年ぶりに有福へ。昨夏の火事のあと、どうなってしまったのか……。


前と同じ三階旅館を予約する。目の前にあった飲み屋の建物はない。その奧の旅館もさらにその奧の旅館もない。

土台の石垣が裸になり、ところどころ焦げている。火事で4軒が焼け、さらにちょっとだけ焼けた飲み屋などの建物も取り壊したのだ。三階旅館の前の2軒の跡地は市が買いとったという。

火事の朝、お客さんが煙に気づいた。「朝ご飯を食べてから対応を考えよう」などと言っていた客を、「消防車が来たら車を出せなくなるから、念のため荷物を車に持って行ってください」と車に送り出してもどってくると、火は一気に燃え広がっていた。消防車は入れない。川をせきとめ、温泉街の入口に停めた消防車からホースを何本もつないで消火した。

(上の写真の場所は、1年前は下のようだった)


(この旅館も今はない)

道が狭くて、焼けた家屋の場所まで車が入れず、3カ月間は焼け跡のままだった。土台は火が熱せられたためやりかえなければならない。そこまでやると億単位のカネがかかるため、再建は難しそうだという。
温泉街を歩くと、1年前にあった坂道の路地のような道は通行止め、というか、すでに路地ではなく、まっさらな斜面に道が露出している。さびしい風景になってしまった。
休業中の「御前湯」の隣に、「有福カフェ」と「貸し切り露天風呂」がある施設ができている。貸し切り湯は1500円から3000円という。公衆浴場に抵抗がある人や若いカップルが使うのだろう。「さつき湯」に入る。ぬるぬるでぽかぽかになる。
「三階旅館」の夕食は抜群においしい。富田靖子似の女将が「アレルギーはありませんか」と事前にきいてくれる。
ブリやイカの刺身、手作りのわさび漬け、かにみそ、松葉ガニ、サザエ、大きなノドグロ、野菜や海老の煮もの、魚の揚げ物あんかけ、茶碗蒸し、そば、抹茶ババロア……。

20時半から、前回と同様、神楽を見に行く。1時間で500円。剣劇の菅原道真の話と、喜劇調のエビスさんの魚釣りの話、最後は八岐大蛇退治。2つは前回と同じだが、またちがう迫力があってあきない。


翌日、ぬるめの湯の「やよい湯」であたたまり、「有福カフェ」でコーヒーを飲む。こういうカフェが毎日開いているというのはうれしい。
石見海浜公園を散歩する。三瓶山だけでなくうっすらと大山も見える。広々した砂浜に打ち上げられたゴミを見ると、ハングル文字が多い。海の向こうは韓国と北朝鮮なのだ。浜辺は人間の意識をこえて国際化している。

江津本町へ。Sさんに聞いていたカフェ「豆茶菓」はすぐに見つかった。中庭を囲む形の古家に、カフェとマッサージの店と、ファッションの小物の店が入っていて、小さな共同体のような空間になっている。

カフェは、金属のポールを組み合わせて立体的に座席を配置している。大阪・天満のネパール料理店カンティプールに雰囲気は似ている。女性3人で経営している。1480円の飲茶セットを頼んだ。江津の豚をつかった特製肉まんや焼売、サケとイカの料理、野菜……とたっぷり。どれもおいしい。
江津本町は土蔵が多い。西洋建築の元郵便局や、土蔵を改装した美容院などユニークな建物が残っている。

ほんのちょっと手を入れればおもしろい空間になるだろう。
梅が甘い香りをただよわせている。

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