MENU

秋の隠岐2 知夫里島

知夫里島の港

 知夫里島の来居港には13時半ごろに着く。
 見送られていた正装の男たち、どっかでみたような。佐高信に似てるなあ、でっかいカメラをもってるなあ、と思った。
あれ、もしかしたら……宗教団体の人じゃあるまいか。
 着いた港のまわりは小さな集落だけ。観光案内所へ。きれいな人妻風のお姉さんがいる。たぶん役場の職員だろう。
 赤はげ山まで歩いたら2時間、赤壁まで1時間、そこから港までもどったら2時間。「先日も歩いた方がいらっしゃいました」と言う。さてどうするか。とりあえず歩くことに。
知夫里島のお地蔵

知夫里島のお地蔵

 集落のわきをのぼって、峠を越え、反対側には小中学校とか役場とかがある。
 海辺にたどりついて、湾を右手にまわるとホテルに行けるのだが、左側へと歩く。電気店がいくつか。商店やら漁協やら公民館やら。3階建ての立派な公民館?から、松江近辺とはちがって男性的な勇壮な太鼓の音がきこえてくる。練習中なのだろう。

電化ショップ

 さらに歩く。「農村」がない。畑がほとんどない。50分ほど歩いて、橋でわたれる島が目の前に見えたあたりで引き返すことに。知夫村中心街

 吉田栄作がつくったというカフェが見晴らしの良い高台にできているがしまっている。5時すぎにオープンするらしい。
 引き返して漁港を通り抜ける。ジョギング中のおばちゃん。
「へぇ、港から歩いてきたの。うれしいね。車じゃなくて歩いてくれると島の雰囲気がわかるもんね。うれしいよ」
 そんなにうれしい、と言ってくれるとは。

知夫村の漁村

 牛小屋の世話をしているおっちゃん。10頭の牛を飼っていて、11月か12月まではずっと放牧している。
10頭の牛の愛称はすべて「ひばり」。
青いトラックで放牧している山に出かけてクラクションを鳴らし「ひばり」と叫ぶと、寄ってくるという。
冬、放牧場に草がなくなる期間だけは牛小屋にもどして農協で買った飼料を食べさせている。

貝殻で漁具

 この島は狸が多い。昭和16年に当時の村長にプレゼントされた狸が脱走して増えたのだという。
それが村民の人口よりも一時期は多くなってしまった。農作物や牛の飼料を奪うから退治したら、
本土の自然保護運動の人たちに非難されて役場がてんてこまいになったという〓。
 本当だろうか。
 イタチもなぜか最近増えてきた。そのおかげでネズミが減った。昔はなにもかもネズミにやられて困ったが今は害がほとんどない。
 逆に大変なのはカラスだ。子牛が生まれてもカラスにつつかれてしまう。だからできるだけ牛舎で生ませているそうだ。
 15時半、ホテルに着く。レンタカーで軽自動車のバンを借りる。

赤はげ山から

 赤はげ山へ。途中から放牧場だからくそだらけ。ときおり道路を牛がふさいでいる。
 標高300メートルを超える赤はげ山は風が強い。曇っていて霧がたなびいているものの島前の全景が見渡せる。霧のせいか幻想的で怖いくらい。
 山肌には赤土?が露出している。

赤はげ山から


 5分ほどただずんで車にもどり、赤壁へ。地元の人は「アカカベ」というが、中国のセキヘキに習って、いまはセキヘキと呼んでいるとか。
またまた牛の糞だらけの道をたどる。

 

赤壁

 赤壁たしかに赤い。晴れていて夕日が照りつけたら最高だろうなと思う。
 さっきの吉田栄作のカフェの方面に車を走らせてからホテルにもどる。28キロほど走った。

カラフル橋


 露天風呂。目の前が海と島。のんびり気持ちがよい。
 食事はサザエの刺身とサザエの煮物がおいしい。ハマチ?は外からもってきたらしい。知夫くらいの小さなムラでは地産地消は難しい。でもせめて「隠岐産」と言ってほしいものだ。
 隠岐誉をのんで腹いっぱいだ。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次