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土佐遍路 室戸へ2

生見浜から野根
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 午前4時半、あっちからもこっちからも鶏の声がする。
そのうちにカーテンを開け放した窓が明るくなってきた。
5時半には出発する。
 柑橘の花があちこちに白い花を咲かせ、
甘いにおいがただよっている。

 このへんは小夏が多い。次はブンタン、それにポンカンも。1060506-2toyotaisi.jpg
窪川のあたりはポンカンだらけだった。
同じ高知でも地域によってずいぶんちがう。
海も、瀬戸内海とおなじ海とは思えない。
音からして雄々しい。
ザザザ、ドドドと押し寄せて白波がくだける音がたえず響いている。
鳥はツバメとウグイスの声の競演だ。
 生見浜は早くもサーファーが大きな車でのりつけている。

 レイザルはひまになると選挙の話になる。
「前回の選挙でTはベッタから4番だったから、
 Tの下に4人いたんだよね。その人たち今回はどうなったんやろ」1060506-3nonekyuka.jpg
 5時40分、室戸の町まで40キロ、寺まで35キロの看板。
 トンネルで抜けると、午前6時に野根という大きな集落に入る。
戦没者の忠魂碑?のわきが東洋大師である。
山門の両脇に巨大な日の丸が掲げられている。
「こらあかんで」
「スルーするか」
 ってことで参拝はやめる。

旧道沿いには古い商家のような家がならぶ。1060506-5noneohasi.jpg
 「野根まんじゅう」は「天皇陛下御用達」だそうな。
薄皮でおいしそうだが、まだ店はあいてない。
 6時25分、集落のはずれの野根大橋をわたる。
石造りの立派な橋で、両端には門のように灯籠がたっている。
昭和6年3月建立という。
「昭和6年ってさ、けっこう豊かだったんちゃうか。
 うちのじいちゃんも、はぶりがよかったみたいだし。
 さっきの昭和16年にできた神社なんかは
 イヨイヨという事態になって作ったって感じだったけど。
 なんとなくそう思わへん?」
 そうかなあ……

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【つづく】